小鳥がチュンチュンと鳴く声で目を覚ました。一番最初に目に入るのは見慣れた自室の天井。ああなんだ。昨日の出来事はやっぱり悪い夢──── ・・・。
「おはよう、千煌!」
「[大文字]夢じゃなかった!!!!![/大文字]」
現実逃避をすることができず、柄にもなく叫ぶ。目の横にはもふもふの生き物(本人曰く精霊らしい)であるカノンが浮遊していた。
「さあ、今日からぼくと一緒に魔法少女になるノン!」
可愛らしいソプラノトーンで話しかけてくるカノン。昨日は成り行きで、というか混乱状態だったからなあなあで魔法少女になると返事をしてしまったことを思い出し、頭が痛くなってくる。
「ええと、カノン…くん?ちゃん?」
「カノンでいいノン!」
「ああそう…じゃあカノン。」
目の前の精霊の性別がわからないことで呼び方に困ったが、呼び捨てでいいと言われる。基本的に呼び捨てなのでありがたいといえばありがたい。結局カノンの性別は分からずじまいになったが(そもそも性別なんていう概念があるのだろうか)
あたしは一息置いて口を開いた。
「あの、本当に…魔法少女になれば使えるのよね?その────“魔法”とやらが」
昨日の説明はほとんど聞いていないといっても良かったが、“魔法”という言葉は魅力的で脳裏に焼き付いていた。
「勿論だノン!魔法少女は魔法を使ってルインを倒すんだノン!」
魔法少女が敵と戦う。まるでアニメみたいじゃないか。
「『ルイン』って何なの?説明されてないんだけど」
「ルインは不条理の連鎖が生む怪物。この世界の破滅の元ノン!」
「破滅の元?すごい物騒じゃない。ほんとうにそんなものと戦えるの?」
「一般人は無理ノン。でも、魔法を操る魔法少女なら倒すことができるノン!」
「ふうん…」
少し後ろ髪を引かれるが、どれだけ危ないかもわからない。断ろうとした時、カノンの次の言葉があたしの頭をぐちゃぐちゃにした。
「お願い、ボクと一緒に戦って。君にしかできないことなんだノン!」
君にしかできないこと───・・・その言葉が頭の中で反響する。あたしが、あたしだけが、あたしだけの…存在意義?
「あたし、は……………。」
返答を詰まらせたその時、けたたましい警報音が鳴り響く。
「えっ、なに、地震…!?」
「ううん、これはルインの出現音…!急がないと破滅が始まっちゃうノン!行くノン千煌!」
「行くって…!?」
私の疑問に答えずに、カノンは何かをぶつぶつと唱え始め、最後に叫んだ。
「『[漢字]転送[/漢字][ふりがな]トランス[/ふりがな]』」
꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°
「う………。っと、ここどこ?」
気づくと知らない住宅街に座り込んでいた。目の前を見ると、あたしより10まわりほど体格が大きい怪物がずっしりと存在していた。怪物は確かに存在しているはずなのに、輪郭を成していない。個体のような気体のような、とにかくこの世の物ではない存在に怖気付く。そして本能で、これがカノンの言っていたルインだということに気づく。
「む、無理!こんなのと戦うなんて、……」
「今ルインと戦えるのは千煌だけノン!!戦うノン!『[漢字]変身[/漢字][ふりがな]ドレスアップ[/ふりがな]』って唱えるノン!」
正直言うと、一刻でも早く背を向けて逃げ出したい。でも、そんなこと考えてるからいつまでも取り柄のないあたしのままなんだろう。変わるなら…今しかない。怖さを吹き飛ばすかのように叫んだ。
「あたしはっ…あたしの存在意義を……証明する!!!『[漢字]変身[/漢字][ふりがな]ドレスアップ[/ふりがな]』!!!!」
その瞬間、あたしは光に包まれた。刹亡、その光は弾け飛んで姿を見せる。金色の綺麗なロングヘアーに、夜空を彷彿とさせるフリルが折り重なったワンピース。ぱっと頭に浮かんだ言葉を口に出した。
「[大文字]この世界を照らす一筋の光!あたしは…魔法少女ステラ![/大文字]」
「おはよう、千煌!」
「[大文字]夢じゃなかった!!!!![/大文字]」
現実逃避をすることができず、柄にもなく叫ぶ。目の横にはもふもふの生き物(本人曰く精霊らしい)であるカノンが浮遊していた。
「さあ、今日からぼくと一緒に魔法少女になるノン!」
可愛らしいソプラノトーンで話しかけてくるカノン。昨日は成り行きで、というか混乱状態だったからなあなあで魔法少女になると返事をしてしまったことを思い出し、頭が痛くなってくる。
「ええと、カノン…くん?ちゃん?」
「カノンでいいノン!」
「ああそう…じゃあカノン。」
目の前の精霊の性別がわからないことで呼び方に困ったが、呼び捨てでいいと言われる。基本的に呼び捨てなのでありがたいといえばありがたい。結局カノンの性別は分からずじまいになったが(そもそも性別なんていう概念があるのだろうか)
あたしは一息置いて口を開いた。
「あの、本当に…魔法少女になれば使えるのよね?その────“魔法”とやらが」
昨日の説明はほとんど聞いていないといっても良かったが、“魔法”という言葉は魅力的で脳裏に焼き付いていた。
「勿論だノン!魔法少女は魔法を使ってルインを倒すんだノン!」
魔法少女が敵と戦う。まるでアニメみたいじゃないか。
「『ルイン』って何なの?説明されてないんだけど」
「ルインは不条理の連鎖が生む怪物。この世界の破滅の元ノン!」
「破滅の元?すごい物騒じゃない。ほんとうにそんなものと戦えるの?」
「一般人は無理ノン。でも、魔法を操る魔法少女なら倒すことができるノン!」
「ふうん…」
少し後ろ髪を引かれるが、どれだけ危ないかもわからない。断ろうとした時、カノンの次の言葉があたしの頭をぐちゃぐちゃにした。
「お願い、ボクと一緒に戦って。君にしかできないことなんだノン!」
君にしかできないこと───・・・その言葉が頭の中で反響する。あたしが、あたしだけが、あたしだけの…存在意義?
「あたし、は……………。」
返答を詰まらせたその時、けたたましい警報音が鳴り響く。
「えっ、なに、地震…!?」
「ううん、これはルインの出現音…!急がないと破滅が始まっちゃうノン!行くノン千煌!」
「行くって…!?」
私の疑問に答えずに、カノンは何かをぶつぶつと唱え始め、最後に叫んだ。
「『[漢字]転送[/漢字][ふりがな]トランス[/ふりがな]』」
꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°
「う………。っと、ここどこ?」
気づくと知らない住宅街に座り込んでいた。目の前を見ると、あたしより10まわりほど体格が大きい怪物がずっしりと存在していた。怪物は確かに存在しているはずなのに、輪郭を成していない。個体のような気体のような、とにかくこの世の物ではない存在に怖気付く。そして本能で、これがカノンの言っていたルインだということに気づく。
「む、無理!こんなのと戦うなんて、……」
「今ルインと戦えるのは千煌だけノン!!戦うノン!『[漢字]変身[/漢字][ふりがな]ドレスアップ[/ふりがな]』って唱えるノン!」
正直言うと、一刻でも早く背を向けて逃げ出したい。でも、そんなこと考えてるからいつまでも取り柄のないあたしのままなんだろう。変わるなら…今しかない。怖さを吹き飛ばすかのように叫んだ。
「あたしはっ…あたしの存在意義を……証明する!!!『[漢字]変身[/漢字][ふりがな]ドレスアップ[/ふりがな]』!!!!」
その瞬間、あたしは光に包まれた。刹亡、その光は弾け飛んで姿を見せる。金色の綺麗なロングヘアーに、夜空を彷彿とさせるフリルが折り重なったワンピース。ぱっと頭に浮かんだ言葉を口に出した。
「[大文字]この世界を照らす一筋の光!あたしは…魔法少女ステラ![/大文字]」