文字サイズ変更

【参加型】魔法少女の黙示録

#7

6_共闘

「よかったら一緒に任務しない?」
そう私に持ちかけたのは、黒色のショートに赤と黒の瞳を持つ、どこか狂気的な雰囲気を纏っている魔法少女。彼女は自らのことを魔法少女リーサル、もとい長塚伊織と名乗った。
「い、一緒に?できるの、それ」
「できるよ。魔法局は任務を一人でやんなきゃいけないなんて決めてないから」
なるほど。思ったより取り決めはそう厳しくないらしい。しかしながら急に知らない人と一緒に行動するのはいかがなものか。魔法の誘惑に負け、知らない精霊の言うことを聞いているという身だが、そこらへんの倫理はしっかりしているつもりだ。
そうして悶々としていると、後ろで自分たちの会話を聞いていた真霊が口を開いた。
「いいんじゃない?リーサルなら実力あるし!」
「え、二人は知り合いなの?」
「なんだかんだお世話になったからね。結構一緒に任務してたし」
「ん」
昨日、強そうなルインをあっけなく倒した真霊さんがそう言うなら間違えないのだろう。私は共闘を承諾した。
「あたしは魔法少女ステラ────早乙女千煌。よろしく」
と、手を差し出して挨拶をする。伊織はその手を握り返した。
「ん、よろしく。任務の場所、お前は知らないだろうから私が送る」
「ありがと」
自分が小さく感謝した後、伊織は小さく何かを唱え始める。あれ、『[漢字]転送[/漢字][ふりがな]トランス[/ふりがな]』は?と困惑していると、真霊が説明してくれた。
「複数人で『[漢字]転送[/漢字][ふりがな]トランス[/ふりがな]』するときはちょっと手間がかかるのよ。カノンもやってなかった?」
あ、そういえば────と昨日の朝を思い出そうとする。様々な情報量でうろ覚えだが、そんなことをしていたような…気がする。一般魔法はそんな応用もあるのか、と感動していると、伊織が呪文のような何かを唱え終わった。
「『[漢字]転送[/漢字][ふりがな]トランス[/ふりがな]』」
それじゃあ頑張ってね──と言う真霊の声が、目の前の景色と共に歪んで、ぼやけて、やがて境目がわからないように混ぜられていく────────。

[中央寄せ]꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°[/中央寄せ]

気づくとそこは、荒廃しているビル群が聳え立っている街だった。とても人が住んでいるとは思えない。
「何回来ても酷いな…。」
「あの、ここって?」
「人が住んでない街の仮想世界だよ。こういう荒廃したとこは魔法少女が居ないから、ルインが集まりやすいんだよ」
なるほど。だからこう言う場所が任務で選ばれやすいのか。真霊の言っていた、経験が大事と言うのは本当らしい。今回の依頼、色々な知識を得られる気がする。
少しの会話を交わしつつ歩いていると、グオオオオオ──────と腹の底に響くような雄叫びが、静寂な街に反響する。崩壊しているビルの洞窟のような場所から、それは現れた。不条理の連鎖から生まれる怪物。この世界の破壊の元にして暗黒──────ルインだ。大きい図体とつのに鼻輪。心なしか闘牛のような造形をしている。
「!来たよ。まあまあ強そうだ…しかも、闘牛ね」
「どういうこと!?ルインってあんな形のもいるの!?」
知らない事態に叫んで問いかける。
「生憎、今は新人ちゃんに解説する場合じゃない。お前、準備はいい?」
「[漢字]勿[/漢字][ふりがな]モ[/ふりがな]ッ[漢字]論[/漢字][ふりがな]チロン[/ふりがな]よ!」
「「 『[漢字]変身[/漢字][ふりがな]ドレスアップ[/ふりがな]』 」」
二人の声が、先ほどのように重なる。それぞれが光に、やがてフリルの織りなすワンピースに包まれてゆく。

「世界を照らす一筋の光!魔法少女ステラ!」

「致死の刃は覇者の証!魔法少女リーサル!」

グオオオオオ──────。ルインが再び深い雄叫びをあげたかと思うと、自分たちに向かって突進した。
「ほっ…と」
「危っ」
魔法少女状態の身体能力上昇。そのうちの一つ、跳躍力の上昇を利用し、ジャンプによってルインの攻撃を躱す。しかしその代償として二手に分かれてしまう。
今、ルインは方向を変えようとしている。今が攻撃チャンスだと思い、ステッキを腰から抜いてルインの方へ向ける。
「『[漢字]光[/漢字][ふりがな]レー[/ふりがな]…………[大文字][太字]ガハッ!!!![/太字][/大文字]」
なんだ。何が起こった。気づいたときには空中にいて、自分が闘牛型ルインの突進によって吹っ飛ばされたと理解する。
(目に見えないほど───[漢字]疾[/漢字][ふりがな]はや[/ふりがな]いッ!?)
吹っ飛ばされた余韻で、自分の体が地面に擦れる。
「[漢字]痛[/漢字][ふりがな]つ[/ふりがな]、ぅ…………」
あまりにもの痛みで呻き声を上げる。体が痺れて起きることができない。
「く、……『[漢字]光線[/漢字][ふりがな]レーザー[/ふりがな]』!」
リーサルは顔を顰めつつも、ステッキをルインに向けて魔法を打つ。その魔法によってルインは少しよろめく。その攻撃によって注目がリーサルの方へ向く。リーサルは足を強く踏み鳴らす。そのまま数秒間溜めると、目にも止まらぬ速さでリーサルに突進する。
「『致命的な取引』」
リーサルがそう口にすると、ルインの周りに無数の赤いナイフが現れる。そのナイフはぐさり、ぐさりと─────深く、ルインに刺さっていく。その攻撃は相当ダメージを与え、動きを鈍らせ、肉眼でも捉えれる程度の速さになる。しかしそれは0と言うわけではなく、つまるところ動きが止まらなかったと言うことだ─────奇しくも。
「くぅ…ッ!!」
リーサルの体が宙に投げだされる。やはり長らく魔法少女ということだけあって、自分とは違ってしっかりと着地する。しかしその息は少し荒くなっている。ルインも無事と言うわけではなく、体のいくつかの箇所が消えかけている。要するに五分五分という状態だ。
(でもそれは、負ける可能性もあるってこと。どうやったら倒せるんだ。あの闘牛の性質を持つ─────ん?)
そうだ。[漢字]闘牛の性質を持つ[/漢字][ふりがな]、、、、、、、、[/ふりがな]んだ。即ち、それは…。倒す方法がわかったかもしれない。でもこの方法は、リーサルの力が必要不可欠だ。
自分はのろのろと立ち上がると、リーサルに叫んだ。
「リーサル!ルインの注意をあたしに向けるから、後ろから動きを鈍らせて!」
「…!わかった!」
説明をする時間はなかった。しかし自分が何かを掴んだらしきことを察したリーサルは、自分の作戦に二つ返事で了承してくれた。
「『[漢字]光線[/漢字][ふりがな]レーザー[/ふりがな]』」
ステッキの照準をルインに向けて魔法を放つ。ルインの大きな体にクリーンヒットしたのはいいものの、ダメージは殆ど喰らっていないような様子だった。注意が自分の方に向いたルインは、自分に向かって突進する。
「『致命的な取引』…ッ!」
ルインの周りにあの赤いナイフが現れ、ぐさりぐさりと、痛々しく深く刺さっていく。その攻撃によって動きが鈍くなる。それは肉眼でかろうじて捉えれる程度で─────その程度で、十分過ぎるほどだった。
自分の場所からだと、ルインの正面に魔法が当てやすい。それも、動きが鈍っている。本物の闘牛の弱点は鼻輪が弱点だ。即ち、[漢字]闘牛の特性を模したルインの弱点も[/漢字][ふりがな]、、、、、、、、、、、、、、、、[/ふりがな]─────。
[大文字][太字]「『[漢字]星屑をを散りばめて[/漢字][ふりがな]スターダストスプリット[/ふりがな]』ォォォォォ!!!」[/太字][/大文字]
文字通り全身全霊を込めて、固有魔法を放つ。空から次々に落ちてくる流星が、ルインの顔面に、鼻輪に、クリーンヒットする。雄叫びをあげて苦しんでいたルインは、やがて流星に紛れて、星屑となって消滅していった───。

作者メッセージ

久々の更新!
リーサルの前口上、捏造させていただきました。
他の方も作らせていただく可能性がある…かも

2024/09/11 14:07

白戯 幽
ID:≫ 9enyjlpNTQ86Y
コメント

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権は白戯 幽さんに帰属します

TOP