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日常。

#3

あの人。

鈴木佑side.

いつからだろう…
俺が”あの人”だけを気にするようになったのは…。

「教員」
そんな仕事に辞めたいと思っていた2020年。
そんな思いを変えてくれた2021年。
そして、今この思いを抱かせてくれた2025年。

色々あった5年間だが、結局今が一番幸せだ。
今は仕事の進み具合が良くない、そう思っている教師も多いかもしれない。
だが、俺は違った。

仕事ができて、資料を作成できる。
そんなの普通ではないのだ。
俺はあんな経験をしたから…。

**

2020年。

俺が教員という仕事を辞めたいと思い始めた時期。
それにはちゃんとした理由があった。

保護者からの暴力。
保護者からの暴言。
同僚や、先輩方、後輩方からのハラスメント。

それを聞いて、それくらい教師なんだから我慢しろ、そう思う人もいると思う。
だが、その一つ一つに俺は限界が来ていた。

**

2020年3月。

俺がこの学校から転勤すると知って、どれだけの人が喜んだだろうか…。

そんなことを考えながら次行く学校の名前を口に出した。

「……中学校。」


正直不安だった。
またこういうことをされる、言われるんじゃないかと…。

でも、行ってみるとその不安とは真逆だった。

**

2021年4月。


この中学校では、生徒たちが毎日笑顔で過ごし、授業参観等では、保護者も笑顔で教師に寄り添ってくれた。

何故、最初からこの学校に転勤しなかったのか、後悔していた。

来年は後輩の先生たちが来る。
そう考えると、またまたあの時の不安が来た。

同僚や、先輩方、後輩方からのハラスメント。

そんなことがまたあるんじゃないか、そう考えると怖くなった。

だが、去年と同様、その考えとは真逆だった。

**

2022年4月。

後輩の先生たちが入ってきて、俺にもこの学校のことを案内する女性の先生ができた。

「鈴木佑です。去年この学校に転勤してきました。俺もわからないところとかあるかもだけど…俺にできることがあったら楽に言ってね。」

そういうと、彼女は笑顔でこう挨拶をした。

「分かりました。ありがとうございます。…あ、佐藤愛です。これからよろしくお願いします。」

第一印象は、優しそうだな、ただそれだけだった。

**

2022年3月。

だが、それだけではなかった。

彼女は何でもテキパキとこなし、部活動も自分から率先してやり……。

俺にはできない、ない魅力を持っていた。

なんなら、俺より、彼女の方が何でもできるんじゃないか、というくらいだった。

**

2023年4月。

俺と彼女は、3年生の担任を担当することになり、俺たちの仕事はもっと忙しくなった。

「あれやって!」「そこ違う〜!」「ありがとう!」

そんな声が生徒たちから聞こえてくる。
そして時々、

「先生って恋愛してるんですか〜?」「彼女いるんですか!?」「恋バナしましょ〜!!」

そんな女子からの誘いも。

**

2023年3月。

来年は新しい1年生が入ってくるということで、職員一同忙しくなる時期だった。

俺たちは、来年来る1年生の担任をすることになり、また同じ学年の担任を持つことができた。

彼女と初めて会った、2022年4月から。
俺らはその時よりも、親友のような仲になった。

だからか、たまに生徒にもいじられる。

「先生って佐藤先生と余計に仲良いですよね。」「付き合ってるんですか…♡?」

聞かれて、嫌、と思ったことはないが、彼女と俺はそういう関係になれる仲ではない、そんなことは俺も知っていた。

**

2024年4月。

新しい1年生が入ってくると、彼女は、佐藤先生は、今まで見てきた仲で一番幸せそうな顔をし、笑顔で、生徒たちを迎え入れていた。

佐藤先生は1組担任。俺は4組担任。

まぁ、1年生の中でいう、掃き溜めクラス、みたいな感じだな。

でも、俺はこの学校に来てから人生が変わったようなものだ。
この学校に来て、嫌なことも、教師を辞めたいという気持ちも変えてくれたから…。

掃き溜めクラス、なんていうけど、俺にはそんなクラスではないと思っていた。

確かに、1組と4組では全くの差がある。だが、生徒のことを思う気持ちはどのクラスも一緒だ。

2025年2月。

彼女に対して、俺は密かに、


恋心を抱いていた。

2025/03/02 07:22

mayu.418
ID:≫ 85OyLBeYTHE8E
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