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恋愛短編集。【210閲覧感謝‼︎】

#24

ミルクティー。

「あ、また」

午後の講堂、斜め前の席。
私の視線の先には、いつも彼がいる。
サッカー部のエースでもなければ、学年一の秀才でもない。
でも、彼が静かにノートを撮る横顔や、考え事をしてペンをくるりと回す指先が、どうしようもなく好きだった。

彼はモテる。
本人は無自覚みたいだけど、女子の視線が彼に集まっているのを、私は知っている。
だから、私みたいな地味なタイプが彼に話しかけるなんて、一生に一度の奇跡が起きない限り無理だと思っていた。

その「奇跡」は、放課後の図書室で起きた。

「……あ。それ、俺が探してた本」

背後から声をかけられて、心臓が跳ねた。
振り返ると、そこには本物の彼。
私が手に取っていたのは、少しマニアックなミステリー小説だった。

「ご、ごめん…!すぐ返すね」
「いや、いいんだ。……君、いつも俺のこと見てるよね」

心臓が止まるかと思った。
バレてた。しかも、あんなにストレートに。
顔が熱くて、今すぐ消えてしまいたい。

「あ、あの、それは……邪魔だったよね、ごめんなさい……!」

謝って逃げ出そうとした私の手首を、彼が軽く掴んだ。
見上げると、彼は少しだけ困ったように、でも優しく笑っていた。

「逆だよ」
「え……?」
「僕も、君のこと見てたから。目が合うのをずっと待ってたんだけど……君、すぐ逸らしちゃうからさ」

彼の手から、ほんのりミルクティーの香りがした。
窓から差し込む夕日が、彼の耳たぶを赤く染めている。

「……これ、読み終わったら貸して。そしたら、感想を話す口実ができるでしょ?」

私の視線は、もう逃げ場を失っていた。
でも、今度は自分から、彼の目を見つめ返してみる。

「……うん。絶対、貸すね」

この小説の甘い一ページが、今、捲られた音がした。




作者メッセージ

漂う甘い匂い……
続きは、、、ご想像にお任せいたします。

2026/04/05 10:40

mayu.418
ID:≫ 85OyLBeYTHE8E
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短編集恋愛結婚夫婦カップルリクエスト◎

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