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恋愛短編集。【210閲覧感謝‼︎】

#21

距離感バグな夫。

「[漢字]愛[/漢字][ふりがな]あい[/ふりがな]、おはよ…」

洗面台の鏡越しに、寝癖で爆発した[漢字]佑[/漢字][ふりがな]ゆう[/ふりがな]の頭が見えた。
私はヘアアイロンを止めて、背後にのしかかってきた「重り」に溜息をつく。

「ねぇ佑、重い。歯磨きするなら横に並んでよ。」
「いや。ここがいい。……愛、いい匂いする」

彼は私の方に顎を乗せ、鏡越しに私を見つめていた。
教師として教壇に立っている時の先生を知っている生徒が見たら、あまりのギャップに腰を抜かすだろう。30代の男が、朝から奥さんにべったり。
まさにこれが、[太字]距離感バグ[/太字]。

「ねぇ、柔軟剤、変えた?」
「………一週間前からね。気づくの遅すぎ」
「ごめん。でも今日の愛、一段と可愛いから許して」
「はいはい、口が上手いのは学校の面談だけにして」

私は肘で軽く彼を小突いたが、佑は離れるどころか、さらに密着して私の腰に腕を回してきた。首筋に彼の寝起きの体温が直接伝わってきて、正直、準備が全く進まない。

「……佑、私、もうすぐ家でなきゃいけないんだけど。」
「あと30秒。あと30秒でいいから。」
「昨日もそれ言って10分経ったよね?」

私たちは大学からの同級生で、結婚して3年。友達の延長のような空気感は変わらないけれど、最近の彼は、夫婦という特権をこれでもかと乱用してくる。

「ねぇ、愛」
「……何」
「今日の放課後、アイス買って帰るから。一緒に食べよ。」
「……チョコね」
「わかってるって」

佑は満足そうに笑うと、私の頬にキスしてから、ようやく洗面台の蛇口に手を伸ばした。

鏡の中で目が合う。
呆れ顔の私と、悪戯っぽく笑う夫。

「あー、今日一日の授業、全部自習にならないかなぁ」
「ダメに決まってるでしょ。ほら、早く顔洗って!」

文句を言い合いながら、私は少しだけ緩んだ頬を隠すように、またヘアアイロンを握り直した。

作者メッセージ

coming soon…
new novel.

2026/03/22 09:29

mayu.418
ID:≫ 85OyLBeYTHE8E
コメント

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短編集恋愛結婚夫婦カップルリクエスト◎

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