閲覧前に必ずご確認ください

自殺未遂

文字サイズ変更

自殺ばかりを図る妻に夫の俺ができること。

#4

4話

俺が目を覚ました時、まだ愛は横で眠っていた。
相変わらず俺には背を向けて、小さく丸くなって寝ていた。
「おはよう」そう声をかけると、とても小さな声で「おはよう」と返してくれた。
“挨拶ができる” ということだけで良かったと思えた。

ベッドの横では佑都もまだすやすやと寝ていた。
現在の時刻は5時34分。もうそろそろ目を覚ます頃だろう。

佑都を抱えてリビングへ行き、佑都をベビーベッドに寝せた後、起きた時用のミルクを作り始める。

最近は愛をできるだけ休ませるためにも、せめて朝は佑都の世話を俺だけですることが増えた。
愛の理想は、普通の母親になること。だがその理想が叶うことが難しいということは、俺は勿論のこと、彼女もわかっている。
だからか、本当に体がしんどい時や、朝は俺に自分から任せてくれるようになった。

少し前までは、頼ってもくれなかった為、凄く嬉しいことだった。

[斜体][明朝体]いや…[/明朝体][/斜体]

[明朝体][斜体]俺が頼れない人間だったのかもしれない。[/斜体][/明朝体]

頼りたくても、頼れない人間だから、本当の気持ちが伝えられなかったのかもしれない。
一方的に、[下線]“頼ってくれなかった”[/下線]ではなく、[下線][太字]“頼れなかった”[/太字][/下線]ということだ。

そんなことを考えていた頃、愛が起きてきた。
現在時刻5時47分。この時間に起きて来ることはとても珍しいことだ。


「まだ寝ててよかったのに、どうした?」

「うん……ちょっと起きてみようかな、って気になったから……。迷惑かな…?」

「ううん。迷惑じゃないよ、佑都まだ寝てるから。」


そう言うと、愛は何かに導かれるように佑都のところへと寄っていった。そしてベビーベッドの柵へ手を置き、覗き込むようにして佑都を愛らしい目で見ていた。

まだ寝ている佑都へ、ごめんね、と謝罪の言葉をかけていた。

俺は落ち着いて愛の元へ行き、彼女の肩に手を回して摩った。
ただただ何も言わずに、寄り添うということが俺ができることだろう。


「薬、飲もうか。」

「……嫌だ…、飲みたくない…。」


珍しい、最近は素直に飲んでいたのに……。
確かに数ヶ月前はあまり飲んでくれないことが多かった。だが、ここ数週間は割と飲んでくれていた。
彼女が飲みたくないというなら、無理強いして飲ませたくはない。だが飲まないといけないことが現実だ。
どうすれば飲んでくれるのか、それが飲んでくれない日の問題だ。
だが、数ヶ月前のあまり飲んでくれなかった時期で分かったことが一つある。それは、愛は少し時間が経てば、薬を飲む気になってくれるということだ。
朝や、夜中はあまり飲む気になってくれなかった。今回の場合も一緒だ。


「そうか、じゃあ今日はやめようか。」

「ごめんなさい……」

「ううん。全然。」


少しだけ、罪悪感はある。やめとこうか、と言っておいて後で飲ませるのだから。
だが仕方ない。俺は俺にできることをする。
ページ選択

2026/01/26 14:13

mayu.418
ID:≫ 85OyLBeYTHE8E
コメント

この小説につけられたタグ

自殺未遂家族夫婦教師

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はmayu.418さんに帰属します

TOP