閲覧前に必ずご確認ください

DV表現あり

文字サイズ変更

風見鶏のいない家。

#3

限界の音。

「お帰りなさい…、」


腕の中ではまだこの子が泣いている。


「おいまた泣いてんのかよ。さっさと泣き止ませろよ。」

「ごめんなさい…、先にご飯」

「当たり前だろ。」


またこれだ。
離婚も考えたが、今は私が休職中…今離婚してしまったら私は一人どうすることもできない。
きっと、今ではない。




**




その日の夜も佑都の夜泣きは激しかった。


「はいはい…、」


普段夫と息子と同じ部屋で寝ているが、この夜泣きというものは厄介で、夫の睡眠を妨げてしまう。
そして殴られる。そんな日々であった。
だからこそ最近はリビングであやすことにしている。

「うるせえな、いい加減にしろよ」
以前、一度だけ、わたしが「ねえ…少しは代わってよ……」と言った時、彼はそう吐き捨てた。


「もう無理だ…。」


私はそう呟いた。正直もう、限界だった。
こんな日常に対して、協力する人もいなければ “父親”もいない。

やっと佑都が寝静まり、佑都を抱えて寝室へ向かうと夫が起きていた。
私はハッと息を呑んだ。また怒られる、そんな恐怖が湧いてきた。


「ごめん…、起こしちゃったよね……もう寝たから…!」


そういっても動じない彼の横を通りベビーベッドに佑都を寝せ、ベッドに座ろうとした時、彼が急にこちらへ来た。


「お前がちゃんと躾ねぇから夜泣きするんだろ。」


そう言った彼は私の頬を平手打ちした。
前に刻まれた頬の傷がズキズキと痛くなる。

だが、それよりも痛かったのは心のほうだ。

抉られるほどの傷が増えた。
そのまままた眠りにつく夫を横に、私は静かに涙を流した。

2025/12/08 23:13

mayu.418
ID:≫ 85OyLBeYTHE8E
コメント

この小説につけられたタグ

暴力表現教員夫婦家族子供DV育児放棄

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はmayu.418さんに帰属します

TOP