好きだと言って
#1
過去の記憶【0話】
「すき」
「……は?」
「わたし、おにいちゃんのことが、すきよ。だから――結婚して」
突然の言葉だった。
あまりに唐突で、予想もしていなかった言葉だ。
「お願い一度でもいいから好きだと言って」
あの時は、僕が彼女の想いに応えることはできなかったけれど……。
「ごめんね、結女」
「君とは、結婚できないよ」
「……どうして?」
「どうしてもだよ」
僕は首を横に振ってみせる。
「……私じゃダメなの? 私のこと嫌いになったの?」
「そうじゃないんだ。そういう問題じゃなくてさ」
「なら、どういう問題なの?」
妹を好きになった俺はもう彼女になにをするかわからないから
でも彼女にはそうとは伝えられない「えっと……いろいろあるんだよ、男には!」
苦し紛れに言ってみると、彼女はふぅんとつまらなさそうな顔をする。
「それじゃあさ、私が大きくなったら、また同じこと言から」
「えっ?」
「今よりもっと背が高くなったらもう一回、、ね?」そんなことを言いながら、妹は微笑んでみせた。
「……ああ、わかったよ」
僕は苦笑しながら答える。
すると、妹は満足げに笑ってみせて、「約束だよ」と言った。
そんなやり取りをしたことがあったなぁと思い出す。
僕は懐かしさに目を細めつつ、目の前にいる彼女を見つめる。
これは10歳の時の俺の記憶だ。
(もう10年も前なのか・・・)
20歳になった君を俺は見ることができなかった。
「……は?」
「わたし、おにいちゃんのことが、すきよ。だから――結婚して」
突然の言葉だった。
あまりに唐突で、予想もしていなかった言葉だ。
「お願い一度でもいいから好きだと言って」
あの時は、僕が彼女の想いに応えることはできなかったけれど……。
「ごめんね、結女」
「君とは、結婚できないよ」
「……どうして?」
「どうしてもだよ」
僕は首を横に振ってみせる。
「……私じゃダメなの? 私のこと嫌いになったの?」
「そうじゃないんだ。そういう問題じゃなくてさ」
「なら、どういう問題なの?」
妹を好きになった俺はもう彼女になにをするかわからないから
でも彼女にはそうとは伝えられない「えっと……いろいろあるんだよ、男には!」
苦し紛れに言ってみると、彼女はふぅんとつまらなさそうな顔をする。
「それじゃあさ、私が大きくなったら、また同じこと言から」
「えっ?」
「今よりもっと背が高くなったらもう一回、、ね?」そんなことを言いながら、妹は微笑んでみせた。
「……ああ、わかったよ」
僕は苦笑しながら答える。
すると、妹は満足げに笑ってみせて、「約束だよ」と言った。
そんなやり取りをしたことがあったなぁと思い出す。
僕は懐かしさに目を細めつつ、目の前にいる彼女を見つめる。
これは10歳の時の俺の記憶だ。
(もう10年も前なのか・・・)
20歳になった君を俺は見ることができなかった。