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好きだと言って

#1

過去の記憶【0話】

「すき」
「……は?」
「わたし、おにいちゃんのことが、すきよ。だから――結婚して」
突然の言葉だった。
あまりに唐突で、予想もしていなかった言葉だ。
「お願い一度でもいいから好きだと言って」
あの時は、僕が彼女の想いに応えることはできなかったけれど……。
「ごめんね、結女」
「君とは、結婚できないよ」
「……どうして?」
「どうしてもだよ」
僕は首を横に振ってみせる。
「……私じゃダメなの? 私のこと嫌いになったの?」
「そうじゃないんだ。そういう問題じゃなくてさ」
「なら、どういう問題なの?」
妹を好きになった俺はもう彼女になにをするかわからないから
でも彼女にはそうとは伝えられない「えっと……いろいろあるんだよ、男には!」
苦し紛れに言ってみると、彼女はふぅんとつまらなさそうな顔をする。
「それじゃあさ、私が大きくなったら、また同じこと言から」
「えっ?」
「今よりもっと背が高くなったらもう一回、、ね?」そんなことを言いながら、妹は微笑んでみせた。
「……ああ、わかったよ」
僕は苦笑しながら答える。
すると、妹は満足げに笑ってみせて、「約束だよ」と言った。
そんなやり取りをしたことがあったなぁと思い出す。
僕は懐かしさに目を細めつつ、目の前にいる彼女を見つめる。
これは10歳の時の俺の記憶だ。
(もう10年も前なのか・・・)


20歳になった君を俺は見ることができなかった。

2023/06/02 14:48

ゆーと
ID:≫ 26msK4yIp9RyQ
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