「ここだな…。」
先程の先程の奴らの情報によるとここ、扇公園に華恋を誘拐した犯人がいるらしい。
だが、周りを見渡す限り誰もいない。
「本当にいるんですかねぇ?」
宗樹はそう言いながらスマホをいじっている。
「ん?」
「どうした?」
「あそこ、誰かいねぇか?」
遊具のてっぺんの辺りに人影が見える。
それも一人ではなく何十人もの人影が。
その人影の背丈はそれほど高く見えず、俺達と同じくらい、あるいは俺達より小さくに見える。
あいつらが言ってた情報と一致している。
おそらくだが、あいつらが華恋を誘拐した犯人で間違いないだろう。
「あれか…。」
龍心も見えたようでそう呟いている。
「ようやくですかぃ。それじゃあ早速…」
そう言い宗樹がありえないスピードでその人影の方へ走って行く。
「ちょ、待て!」
龍心はそう言うと全速力で宗樹を追いかける。
俺も龍心とほぼ同じタイミングで走り出す。
だが、俺達が走り出した頃にはもう宗樹は奴らに飛びかかっていた。
「ほっ!」
宗樹はそう華麗に突きを繰り出す。
「ぐぇっ!」
突きが鳩尾に入ったのか、殴られた相手はその場でヘナヘナと倒れ込む。
「チッ…!木口の知り合いか!」
やはり華恋を誘拐したのはこいつらで間違いなさそうだ。
このままでは宗樹一人で終わってしまうので、俺も急いで奴らの方へ向かう。
「おらあぁ!」
相手も俺が近づいてきたのに気がついたようで、構えながら走ってくる。
だが、所詮は素人。
奴の構えは何の意味にもなっておらず、急所がガラ空きだ。
「ハッ!」
俺は向ってきた相手を殴り飛ばす。
「まずは一人…。」
俺はそう言いながら辺りを見渡す。
おそらくだが、どこかに主犯格の奴がいる筈だ。
「やれっ!」
そう言い、奴らを指示している奴がいる。
「あいつか…!」
顔は見えないが、どこかで聞いたことのある声だ。
(まぁいい。とりあえずぶっ飛ばす!)
俺はそう奴の[漢字]下[/漢字][ふりがな]もと[/ふりがな]へ向かおうとする。
「後ろ!」
「あ?」
そう龍心の叫び声が聞こえる。
俺は反射的しゃがみこんでしまう。
「オラッ!」
怪我の功名と言うやつか、俺の頭スレスレを敵の拳が通っていった。
「危ねぇなおい!」
殴ろうとしてきた相手に思いっ切り前蹴りをお見舞いし、吹き飛ばす。
「龍心ナイス!」
「礼なら後でラーメンでも奢ってくれ。」
龍心がそう言う。
「はいはい。」
俺はそう言いながら、奴の下へ向かう。
だが、そこに一人の大男が立ち塞がった。
「どけ!」
俺はそう言い蹴り飛ばそうとするが、奴はびくともしない。
(こいつ…重ぇ!)
俺は一度間合いを取る。
「どうした?もう終わりか?」
大男はそう俺に言ってくる。
「拓海どいて。」
そう言う宗樹の声が聞こえる。
宗樹はかなり遠くから走りながらこっちに向かって来ている。
「いくら助走をつけても無駄だ!」
そう大男は声を上げる。
「違ぇよ。デブ。」
そう宗樹は奴を挑発する。
「誰がデブだと!?」
大男はその挑発にいとも簡単に乗る。
「お前しかいねぇだろ。」
そう言い宗樹は奴の目の前で高く飛び上がったと思うと、奴の目の前で手を叩く。
"猫騙し"だ。
「っ![漢字]小癪[/漢字][ふりがな]こしゃく[/ふりがな]な…!だが、そんなものが通用するとでも…」
「[明朝体]死ね[/明朝体]。」
そのまま宗樹は空中で突きを繰り出す。
「ぐおぉ…!」
そう言い大男は倒れ込む。
「お前…凄ぇな。」
「なら後でラーメン奢ってください。」
「何でそうなるんだよ。」
俺はそう宗樹にツッコみながら、再び奴の下を目指す。
奴はもう目と鼻の先だ。
「来たか!前田!」
「何で俺の名前を…!」
俺はそう奴との距離をさらに縮める。
「お前は…!」
今まで暗くて顔が見えなかったがよく見てみると、奴の正体は隣のクラスの長澤だった。
「あいつらの言ってたこと本当だったのか…。」
俺はそう言う。
「あいつら…。あぁ。[漢字]捨て駒[/漢字][ふりがな]あいつら[/ふりがな]のことか。」
人の事を捨て駒扱いする。
胸糞悪い奴だ。
「そんな事より、華恋をどこにやった?」
俺は長澤と間合いを取りながらそう聞く。
「そこにいるじゃねぇか。」
長澤が指を指した方を見てみるとそこにはボコボコにされた華恋がいた。
「お前…!よくも!」
かなり殴られたようである。
体中傷だらけだった。
「何でこんなことを…!」
俺の心は怒りでいっぱいになり、胸ぐらを掴み、思わず奴に殴りかかりそうになる。
「やめとけよ。」
龍心に腕を掴まれる。
「何でかって?お前のせいだよ。前田。」
「俺のせい?」
俺は予想外の言葉を言われ思わず動揺してしまう。
「そうだ。お前は強いくせに喧嘩を嫌う。だから[漢字]華恋[/漢字][ふりがな]こいつ[/ふりがな]を利用させてもらった。お前をこっちの世界に引きずり込む為にな。」
「は?」
俺の中で何かが切れる音がする。
「そんなことの為だけに華恋をこんなことにしたって言うのか?」
俺はそう長澤に尋ねる。
「あぁ。そうだ。」
返ってきたのは吐き気を[漢字]催[/漢字][ふりがな]もよお[/ふりがな]す程の言葉だった。
「清々しいほどのクズ野郎ですねぇ。」
宗樹が茶色の髪を掻きむしりながらそう言う。
「お前を殺してやる…。」
華恋をあんな事にしておいて全く持って反省している様子が感じとれない。
寧ろ楽しんでいる様にも見えた。
こいつ…
「イかれてんな。」
龍心はそう俺の腕を握ったまま言う。
その時、横の道で自転車に乗った警察が見えた。
「あらら。ヤバいですねぇ。」
そう宗樹が言う。
俺はその時、奴の胸ぐらを掴んでいた手の力を反射的に緩めてしまった。
その一瞬の隙を奴は見のがさなかった。
奴らは一瞬の隙をつき逃げ出す。
「お前ら!逃げるぞ!」
「はい!」
そう言い奴らは逃げ出す。
「前田。俺はお前に勝つ。」
長澤もそれだけ言うと走り去って行く。
「おい!待て!」
俺はそう奴らを追いかけようとするが龍心に止められてしまう。
「何で止めんだよ!」
「今はそんな事より華恋だろ。」
そう言い龍心は華恋を指差す。
確かに、今は華恋を病院に連れて行く事の方が大事だ。
俺は華恋を持ち上げ、急いで病院へ向かう。
幸い、目の前に病院があった。
華恋の診察をされている間に俺はずっと考えていた。
「俺はお前に勝つ。」
長澤の言葉の意味が理解できない。
また華恋を誘拐するつもりなのか、それとも俺に対する個人的な復讐なのか。
いずれにせよ、長澤は絶対に許さない。
(次会ったらぶっ殺してやる…。)
俺はそう思ったのであった。
先程の先程の奴らの情報によるとここ、扇公園に華恋を誘拐した犯人がいるらしい。
だが、周りを見渡す限り誰もいない。
「本当にいるんですかねぇ?」
宗樹はそう言いながらスマホをいじっている。
「ん?」
「どうした?」
「あそこ、誰かいねぇか?」
遊具のてっぺんの辺りに人影が見える。
それも一人ではなく何十人もの人影が。
その人影の背丈はそれほど高く見えず、俺達と同じくらい、あるいは俺達より小さくに見える。
あいつらが言ってた情報と一致している。
おそらくだが、あいつらが華恋を誘拐した犯人で間違いないだろう。
「あれか…。」
龍心も見えたようでそう呟いている。
「ようやくですかぃ。それじゃあ早速…」
そう言い宗樹がありえないスピードでその人影の方へ走って行く。
「ちょ、待て!」
龍心はそう言うと全速力で宗樹を追いかける。
俺も龍心とほぼ同じタイミングで走り出す。
だが、俺達が走り出した頃にはもう宗樹は奴らに飛びかかっていた。
「ほっ!」
宗樹はそう華麗に突きを繰り出す。
「ぐぇっ!」
突きが鳩尾に入ったのか、殴られた相手はその場でヘナヘナと倒れ込む。
「チッ…!木口の知り合いか!」
やはり華恋を誘拐したのはこいつらで間違いなさそうだ。
このままでは宗樹一人で終わってしまうので、俺も急いで奴らの方へ向かう。
「おらあぁ!」
相手も俺が近づいてきたのに気がついたようで、構えながら走ってくる。
だが、所詮は素人。
奴の構えは何の意味にもなっておらず、急所がガラ空きだ。
「ハッ!」
俺は向ってきた相手を殴り飛ばす。
「まずは一人…。」
俺はそう言いながら辺りを見渡す。
おそらくだが、どこかに主犯格の奴がいる筈だ。
「やれっ!」
そう言い、奴らを指示している奴がいる。
「あいつか…!」
顔は見えないが、どこかで聞いたことのある声だ。
(まぁいい。とりあえずぶっ飛ばす!)
俺はそう奴の[漢字]下[/漢字][ふりがな]もと[/ふりがな]へ向かおうとする。
「後ろ!」
「あ?」
そう龍心の叫び声が聞こえる。
俺は反射的しゃがみこんでしまう。
「オラッ!」
怪我の功名と言うやつか、俺の頭スレスレを敵の拳が通っていった。
「危ねぇなおい!」
殴ろうとしてきた相手に思いっ切り前蹴りをお見舞いし、吹き飛ばす。
「龍心ナイス!」
「礼なら後でラーメンでも奢ってくれ。」
龍心がそう言う。
「はいはい。」
俺はそう言いながら、奴の下へ向かう。
だが、そこに一人の大男が立ち塞がった。
「どけ!」
俺はそう言い蹴り飛ばそうとするが、奴はびくともしない。
(こいつ…重ぇ!)
俺は一度間合いを取る。
「どうした?もう終わりか?」
大男はそう俺に言ってくる。
「拓海どいて。」
そう言う宗樹の声が聞こえる。
宗樹はかなり遠くから走りながらこっちに向かって来ている。
「いくら助走をつけても無駄だ!」
そう大男は声を上げる。
「違ぇよ。デブ。」
そう宗樹は奴を挑発する。
「誰がデブだと!?」
大男はその挑発にいとも簡単に乗る。
「お前しかいねぇだろ。」
そう言い宗樹は奴の目の前で高く飛び上がったと思うと、奴の目の前で手を叩く。
"猫騙し"だ。
「っ![漢字]小癪[/漢字][ふりがな]こしゃく[/ふりがな]な…!だが、そんなものが通用するとでも…」
「[明朝体]死ね[/明朝体]。」
そのまま宗樹は空中で突きを繰り出す。
「ぐおぉ…!」
そう言い大男は倒れ込む。
「お前…凄ぇな。」
「なら後でラーメン奢ってください。」
「何でそうなるんだよ。」
俺はそう宗樹にツッコみながら、再び奴の下を目指す。
奴はもう目と鼻の先だ。
「来たか!前田!」
「何で俺の名前を…!」
俺はそう奴との距離をさらに縮める。
「お前は…!」
今まで暗くて顔が見えなかったがよく見てみると、奴の正体は隣のクラスの長澤だった。
「あいつらの言ってたこと本当だったのか…。」
俺はそう言う。
「あいつら…。あぁ。[漢字]捨て駒[/漢字][ふりがな]あいつら[/ふりがな]のことか。」
人の事を捨て駒扱いする。
胸糞悪い奴だ。
「そんな事より、華恋をどこにやった?」
俺は長澤と間合いを取りながらそう聞く。
「そこにいるじゃねぇか。」
長澤が指を指した方を見てみるとそこにはボコボコにされた華恋がいた。
「お前…!よくも!」
かなり殴られたようである。
体中傷だらけだった。
「何でこんなことを…!」
俺の心は怒りでいっぱいになり、胸ぐらを掴み、思わず奴に殴りかかりそうになる。
「やめとけよ。」
龍心に腕を掴まれる。
「何でかって?お前のせいだよ。前田。」
「俺のせい?」
俺は予想外の言葉を言われ思わず動揺してしまう。
「そうだ。お前は強いくせに喧嘩を嫌う。だから[漢字]華恋[/漢字][ふりがな]こいつ[/ふりがな]を利用させてもらった。お前をこっちの世界に引きずり込む為にな。」
「は?」
俺の中で何かが切れる音がする。
「そんなことの為だけに華恋をこんなことにしたって言うのか?」
俺はそう長澤に尋ねる。
「あぁ。そうだ。」
返ってきたのは吐き気を[漢字]催[/漢字][ふりがな]もよお[/ふりがな]す程の言葉だった。
「清々しいほどのクズ野郎ですねぇ。」
宗樹が茶色の髪を掻きむしりながらそう言う。
「お前を殺してやる…。」
華恋をあんな事にしておいて全く持って反省している様子が感じとれない。
寧ろ楽しんでいる様にも見えた。
こいつ…
「イかれてんな。」
龍心はそう俺の腕を握ったまま言う。
その時、横の道で自転車に乗った警察が見えた。
「あらら。ヤバいですねぇ。」
そう宗樹が言う。
俺はその時、奴の胸ぐらを掴んでいた手の力を反射的に緩めてしまった。
その一瞬の隙を奴は見のがさなかった。
奴らは一瞬の隙をつき逃げ出す。
「お前ら!逃げるぞ!」
「はい!」
そう言い奴らは逃げ出す。
「前田。俺はお前に勝つ。」
長澤もそれだけ言うと走り去って行く。
「おい!待て!」
俺はそう奴らを追いかけようとするが龍心に止められてしまう。
「何で止めんだよ!」
「今はそんな事より華恋だろ。」
そう言い龍心は華恋を指差す。
確かに、今は華恋を病院に連れて行く事の方が大事だ。
俺は華恋を持ち上げ、急いで病院へ向かう。
幸い、目の前に病院があった。
華恋の診察をされている間に俺はずっと考えていた。
「俺はお前に勝つ。」
長澤の言葉の意味が理解できない。
また華恋を誘拐するつもりなのか、それとも俺に対する個人的な復讐なのか。
いずれにせよ、長澤は絶対に許さない。
(次会ったらぶっ殺してやる…。)
俺はそう思ったのであった。