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不幸の温度

#24

#12血眼

「……ぐ、はっ……!? 防壁が、一点突破だと……!?」

 ラカスの放った蒼い魔弾が、ペテンテが誇る絶対防御の多層膜を紙のように貫いた。
 驚愕に目を見開くペテンテ。しかし、彼の絶望はまだ始まったばかりだった。

「――よそ見してる暇なんてないわよ、この変態エルフ!!」

 瓦礫と蒸気の向こう側から、紅い噴進炎をたなびかせた鋼鉄の影が肉薄する。
 ニナだ。
 彼女はブースターを限界まで[漢字]過負荷[/漢字][ふりがな]オーバーロード[/ふりがな]させ、弾丸のような速度でペテンテの眼前に躍り出た。

「ニナ……っ! 貴様、その出来損ないの体で何ができる!」

「出来損ない? ふふ、そうね。でも、この重さはアンタが一番よく知ってるはずでしょ?」

 ニナは空中で身体を捻り、魔導回路を全開にする。
 彼女の右腕の装甲が幾重にも展開し、巨大な、あまりにも巨大な「[漢字]鉄槌[/漢字][ふりがな]パイルバンカー[/ふりがな]」へと変形した。その先端には、デスディチャから密かに分け与えられた「浄化の熱」が、ドロドロとした白熱の光となって収束している。

「あの日、アンタが私を閉じ込めた氷よりも! 私から奪った未来よりも! この一撃の方が、よっぽど重いわよ!!」

 ペテンテが義手から黒い雷撃を放とうとするが、ニナの方が一瞬早かった。

「アンタにはこれがお似合いよっ!! くたばりなさい!!」

 ドゴォォォォォォォォォンッ!!!!!

 ニナの装甲腕が、ペテンテの胸の中央、全ての魔力を制御する「核(コア)」へ直接突き刺さった。
 金属が軋み、衝撃波が要塞の尖塔を真っ二つに叩き割る。

「が、はっ……あ、あああああああ!!!」

 神を自称した男が、小さな妖精の魂を宿した鋼鉄の拳によって、無様に空へと弾き飛ばされた。
 
「……今よ、デスディチャ!! 決めなさい!!」

 ニナの叫びが、天に響く。
 空中で逃げ場を失ったペテンテを見上げ、デスディチャが最後の一歩を踏み出した。

作者メッセージ

コンカイミジカイデス

ミジンコデス

カンソウコメントウレシイデス

2026/02/17 20:55

♗◈夢見鳥◈♗
ID:≫ 65guhuu.CMb9.
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