帝国の重要軍事拠点、要塞都市『アイゼン』。
そこでは、新兵器のデモンストレーションが行われようとしていた。
「……ターゲット、確認」
要塞を望む丘の上。フードを深く被った人影が、双眼鏡を置いた。
短く切られた水色の髪が、冷たい風にそよぐ。コジャールだ。彼女の横には、重厚な魔導狙撃銃を担いだ屈強な青年が控えている。
「……コジャールさん。本当に行くんですか? あそこには、あいつが」
青年の声に、コジャールはわずかに口角を上げた。
「ええ。三年間、この日のために生きてきたのよ。……準備はいい? ラカス」
「……。ええ、今度こそ、あの子を連れ戻す」
そこには、かつての臆病な面影を捨て、数々の修羅場を越えてきた18歳のラカスの姿があった。(※実はあの日、コジャールが死の淵から救い出していた)
その時、要塞のバルコニーに、二人の人物が現れた。
一人は、傲慢な笑みを浮かべる銀髪のエルフ、ペテンテ。
そしてもう一人は――。
「…………っ、デスディチャ……?」
ラカスが息を呑む。
そこにいたのは、かつての50℃の熱に苦しんでいた少女ではなかった。
豪華な礼装に身を包み、まるで感情を持たない人形のように、ペテンテの横で静かに佇む紅い髪の聖女。
「いいえ。今のあの子は、ペテンテが作り上げた最高傑作……『テルヌーラ』よ」
コジャールが低く、殺意を込めて呟く。
その瞬間、要塞のバルコニーにいたデスディチャの瞳が、ふと丘の方を向いた。
感情のないはずの紅い瞳に、一瞬だけ、かつての「温もり」を探すような光が宿る。
「……作戦開始よ。ラカス、ニナ。……準備はいいわね?」
コジャールの合図とともに、空から「黒いリボン」をなびかせたツインテールの謎の機械兵が急降下を開始した。
そこでは、新兵器のデモンストレーションが行われようとしていた。
「……ターゲット、確認」
要塞を望む丘の上。フードを深く被った人影が、双眼鏡を置いた。
短く切られた水色の髪が、冷たい風にそよぐ。コジャールだ。彼女の横には、重厚な魔導狙撃銃を担いだ屈強な青年が控えている。
「……コジャールさん。本当に行くんですか? あそこには、あいつが」
青年の声に、コジャールはわずかに口角を上げた。
「ええ。三年間、この日のために生きてきたのよ。……準備はいい? ラカス」
「……。ええ、今度こそ、あの子を連れ戻す」
そこには、かつての臆病な面影を捨て、数々の修羅場を越えてきた18歳のラカスの姿があった。(※実はあの日、コジャールが死の淵から救い出していた)
その時、要塞のバルコニーに、二人の人物が現れた。
一人は、傲慢な笑みを浮かべる銀髪のエルフ、ペテンテ。
そしてもう一人は――。
「…………っ、デスディチャ……?」
ラカスが息を呑む。
そこにいたのは、かつての50℃の熱に苦しんでいた少女ではなかった。
豪華な礼装に身を包み、まるで感情を持たない人形のように、ペテンテの横で静かに佇む紅い髪の聖女。
「いいえ。今のあの子は、ペテンテが作り上げた最高傑作……『テルヌーラ』よ」
コジャールが低く、殺意を込めて呟く。
その瞬間、要塞のバルコニーにいたデスディチャの瞳が、ふと丘の方を向いた。
感情のないはずの紅い瞳に、一瞬だけ、かつての「温もり」を探すような光が宿る。
「……作戦開始よ。ラカス、ニナ。……準備はいいわね?」
コジャールの合図とともに、空から「黒いリボン」をなびかせたツインテールの謎の機械兵が急降下を開始した。
- 1.#1熱砂の咆哮
- 2.#2無機質(前編)
- 3.#2無機質(後編)
- 4.#3遺跡(前編)
- 5.#3遺跡(中編)
- 6.#3遺跡(後編)
- 7.#4冰の中の「お姫様」(前編)
- 8.#4冰の中の「お姫様」(後編)
- 9.#5水色の嘘(前編)
- 10.#5水色の嘘(中編)
- 11.#5水色の嘘(後編)
- 12.#6凍てつく事実
- 13.#7毒の滴り(前編)
- 14.#7毒の滴り(中編)
- 15.#7毒の滴り(後編)
- 16.#8崩壊の聖域
- 17.#9再会
- 18.#10再起の咆哮(前編)
- 19.#10再起の咆哮(中編)
- 20.#10再起の咆哮(後編)
- 21.#11不完全生命体(前編)
- 22.#11不完全生命体(中編)
- 23.#11不完全生命体(後編)
- 24.#12血眼
- 25.#13道化師と強欲
- 26.#14冰の劣等生(前編)
- 27.#14冰の劣等生(中編)
- 28.#14冰の劣等生(後編)
- 29.#15強欲の残滓
- 30.エピローグ