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不幸の温度

#12

#6凍てつく事実

「……あ、あぁぁぁぁぁぁッ!!!」

 デスディチャの叫びが、もはや人間のそれではなくなった。
 急激な魔素の膨張に耐えきれず、彼女の背中を突き破って、燃え盛るマグマのような質感の「紅い翼」が四枚、不規則に生え揃う。

「……あ、あぁぁぁぁぁぁッ!!!」

デスディチャの叫びが、もはや人間のそれではなくなった。
急激な魔素の膨張に耐えきれず、彼女の心臓が激しく脈打ち、全身から制御不能な魔力が溢れ出す。それは、彼女の内なる苦痛と混乱が具現化したかのようだった。

「ははっ、素晴らしい! これだ、この[漢字]出力[/漢字][ふりがな]パワー[/ふりがな]だよ!」

ペテンテが狂気的な笑みを浮かべ、眼鏡の奥で瞳をギラつかせた。
彼はデスディチャを心配するどころか、その苦しみを「成功」であるかのように眺めている。

「ペテンテ、あんた……何を笑ってるのよ! あいつ、死んじゃうわよ!」

ニナの叫びも、ペテンテの耳には届かない。
彼はうっとりと、崩壊していくデスディチャを見つめている。

「黙れ。これは『進化』だ。……さあ、デスディチャ。そのまま焼き尽くせ。コジャールも、この雪原も、お前の過去もな!」

「……狂ったわね。やっぱり、あなたに『彼女』を渡すべきじゃなかったわ」

コジャールが冷ややかに言い放ち、魔導書を閉じた。
彼女は攻撃を止め、代わりに巨大な『[漢字]氷晶[/漢字][ふりがな]ひょうしょう[/ふりがな]の盾』を展開して、暴走の余波からラカスとニナを護る。

「デスディチャ! 戻ってきなさい! そいつの言うことを聞いちゃダメ!」

コジャールの声が、デスディチャの混濁した意識に突き刺さる。
熱い。苦しい。頭の中で、ペテンテの声が「もっと燃やせ」と囁く。
けれど、コジャールの水魔法が触れた場所だけは、なぜか懐かしく、静かな「凪」を感じさせた。

「……て……ペテン……て……さま……?」

デスディチャが、縋るようにペテンテを見る。
しかし、ペテンテの口から出たのは、愛の言葉ではなかった。

「『個体名:デスディチャ』、魔素適合率98%。……フェーズ3へ移行しろ。お前の価値は、その熱を私に捧げることだけだ」

その瞬間、デスディチャの紅い瞳に絶望が走る。
彼が自分を救ったのは、温もりを与えるためじゃない。
自分を、より巨大な「[漢字]熱源[/漢字][ふりがな]エネルギー[/ふりがな]」として完成させるためだったのだ。

「――っ、あ、あああああああ!!!」

裏切りへの絶望が、さらなる暴走を招く。
デスディチャの体から放たれた衝撃波が、ペテンテの頬をかすめ、背後の山をもぎ取った。

作者メッセージ

話が次に行くにつれ文章が短くなっていく~

感想コメント嬉しいです(〃⌒ー⌒〃)ゞ

2026/02/13 20:11

♗◈夢見鳥◈♗
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