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過酷な冬旅行

《2025年12月27日》

放送「松本〜、松本〜、ご乗車ありがとうございます。」

杏奈「寒いって…‼︎」
冬毬「冬の松本は寒すぎます…」

標高が高く夏は避暑地の松本市、今朝4時49分の気温はマイナス4度であった。

待合室に駆け込んでもぜんぜん寒い。
貨物列車が通過する風や出入りする乗客のせいで、熱は逃げていくばかりだ。

杏奈「始発列車まであと1時間だ…」
冬毬「早く列車が来て欲しいです…」

[水平線]
《普通列車 長野行き》

杏奈「電車あったかいね〜」
冬毬「しかもボックスシートの編成ですね」

長野までは1時間ほど。着いたら、しなの鉄道北しなの線のきっぷを買ってさらに北へ行く。

この211系という電車は、古い車両にありがちな冷暖房が強く快適に乗れる列車だ。
モーターの音と座り心地で、2人とも寝てしまった。それもそのはず、夜行特急アルプスでは一睡もできなかったからだ。

[水平線]
《長野駅》

放送「長野、長野です。ご乗車ありがとうございました。」

そういえば松本駅の放送が更新されて、ついに旧型は長野駅のみとなってしまった。近いうちにこの駅も更新されるだろう。

杏奈「すみません、しなの鉄道のきっぷ売り場ってどこですか?」
駅員「改札出て左ですね。8時から開きます。」

杏奈「8時!?45分発の妙高高原行き乗りたいんですよ…」
駅員「すみませんね〜」


杏奈「8時から開くらしい…」
冬毬「杏奈…‼︎ 寒いです寒いです‼︎」

感じたときには2人とも体が震え、財布もろくに取り出せなかった。
まだ駅ビルも開かないので、寒いコンコースで途方にくれていた。

杏奈「待合室行こう!」

待合室は暖かった。しかも先発の軽井沢行きは115系湘南色であった。だがお目当ては旧長野色なので、あまり珍しくは感じない。

冬毬「次の妙高高原行きは9時ですか。」
杏奈「朝ご飯食べる?」

冬毬「はい、お腹が空きました」
杏奈「僕はお腹空いてないから、これで好きなの食べてきたら?」

冬毬「ほんとですか?では」

1000円札を握りしめ、寒い中1人で飯山線ホームまで行った。

[水平線]
《普通列車 妙高高原行き》

杏奈「美味しかった?」
冬毬「おかげさまでいい朝ごはんでした。これ、お釣りです」

杏奈「ありがとう。上越妙高でお土産買うつもりだったけど、無理そうだね」
冬毬「困りましたね、姉者に笹の葉団子を買うよう言われていますので…。」

予定より2時間近くも遅れていた。

杏奈「明日、大阪行くから何か買うよ」
冬毬「私も難波か奈良で。」

車掌「ただいまより検札をいたします」

全員がきっぷを取り出す。

杏奈「フリーパスですね」
車掌「?こりゃまたすごいきっぷだね」

杏奈「北しなの線開業10周年のきっぷで、500枚限定なんですよ」
車掌「いや俺知らなかったなぁ」

杏奈「はい、昨日発表されたのでw」
車掌「そりゃそっかw 会社の人間も知らないはずだなw」

杏奈「こういうきっぷですよ〜」
冬毬「フッ…w」

視線が集まっていたので、他の乗客にも見せびらかしてみた。

冬毬「雪がすごいですね」
杏奈「綺麗だね〜」

《終点 妙高高原駅》

杏奈「急ごう急ごう‼︎」
冬毬「はい」

次に乗る列車は、えちごトキめき鉄道妙高はねうまラインの直江津行きだ。

車掌「ホームが凍っておりますのでご注意ください」

車掌「はい発車しまーす!」

車掌がいるということは4両編成だ。通常は2両ワンマン列車だからとても珍しい。

《普通列車 直江津行き》

車掌「ご利用の列車は普通列車/直江津行きです。終点の直江津まで全部の駅に止まります。すぐにきっぷの検札をいたします」

冬毬「どうします?持ってませんよ…?」
杏奈「大丈夫」

車掌「ご乗車ありがとうございます」
杏奈「トキ鉄18きっぷ、2人分ですね」

車掌「はいわかりました。えー、1枚1200円ですね」
杏奈「ちょうどで」

車掌「ありがとうございます」

[水平線]
車掌「ご乗車ありがとうございました。直江津、直江津です。」

冬毬「もう来てますね」
杏奈「うわボックス無理なやつじゃんw」

今回の目玉である455系急行列車だ。
現役で走る455系は、えちごトキめき鉄道でしか今は見られない。

杏奈「いい感じに撮れた」
冬毬「いいと思いますよ」

ボックスシートはすぐに埋まってしまったので、ロングシートに座った。

冬毬「ロングシートは私たちですね」
杏奈「うん。けど逆にいいよね。日本海の景色をこんなに独占できるんだし」

車掌「ご乗車ありがとうございます。この列車は日本海ひすいラインを走る、急行/市振行きです。」

杏奈「マイクがくぐもってるw」
冬毬「レトロな感じです」

名立まで向かう。わずか15分の乗車だが、しっかり味わって移動したいと思う。

冬毬「車内に神社があるんですね、せっかくですしお賽銭をしましょう」
杏奈「そうだね」

5円玉を入れた。願い事は、無事に帰れることぐらいだ。

車掌「ただいま、谷浜駅を通過しております。」

杏奈「日本海だ!!」
冬毬「綺麗ですね、雪景色と合っている感じで」

杏奈「これ前面から見たら最高だよね」
冬毬「たしかに」

前面の窓は、他の多くの鉄道ファンが占拠していて全く見えない。

車掌「まもなく、名立、名立です。」

冬毬「あっという間でしたね」
杏奈「また乗りたいよね〜」

名立で降りた。3分で直江津行きに乗り換える必要がある。長い階段を走り、反対側のホームへ移る。

冬毬「あっ、ET122形ですね」
杏奈「うん、JR西日本の兄弟車だね」

帰りは満員電車だった。

有間川、谷浜、直江津の順に止まる。

《直江津駅》

直江津駅では特急しらゆき号や、信越本線の列車などたくさん撮った。

杏奈「ここからもと来た道を帰るのか…」
冬毬「あと7時間乗りっぱなしですね。」

[中央寄せ][大文字]2人「帰りたくない…」[/大文字][/中央寄せ]

2026/01/09 16:45

上諏訪
ID:≫ 6.BBA13mnEY26
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