呉線に現れた運転士
[大文字]15:44 快速安芸路ライナー 広島[/大文字]行き
運転士「この列車は快速列車の…広島行き、です。呉を出ますと、吉浦、坂、矢野、海田市の順に…止まります。」
歯切れの悪い放送だ。疲れているのだろうか。
しづみ「失礼」
運転士「はい、どうされました?」
しづみ「体調が悪く見えるようですが、大丈夫ですか?」
運転士「あぁ、少し息苦しさはありますが、これくらいなら平気ですよ。ご心配ありがとうございます」
運転士は、桑畑という40代くらいの男だ。
ドアを閉めて発車する。運転士はやはり元気がなさそうだ。
[大文字]呉▶︎▶︎▶︎吉浦[/大文字]
上郡しづみは、貨物列車の運転士も務める19歳だ。水色の長い髪がトレードマークで、今日はこれから広島機関区へ行くのだ。
放送「まもなく、吉浦、吉浦です。」
[大文字]吉浦▶︎▶︎▶︎かるが浜[/大文字]
順調に列車は進んでいた。この時は誰も、運転士の様子は気にしていない。しかし次の坂まではかなりの駅間がある。
運転士「…………うっ…あっ…」
突然、胸が苦しくなった。耐えられず、マスコンハンドルから手を離してしまった。列車は急ブレーキがかかり、停車した。
乗客「何?何が起こったの?」
しづみ「やっぱり…‼︎」
しづみ「開けて!ここを開けて!」
運転士「は…はい…」
鍵を渡した。
しづみ「広島駅に連絡してください!」
乗客「はい…‼︎」
運転士は乗客に連れられ、座席に座り込んだ。しづみは1人残された。
指令「431G列車、急停車しましたが、何かありましたか?」
しづみ「乗客です!運転士の桑畑さんが倒れました。至急対応を!」
指令「お客様?お客様ですか⁉︎ 」
しづみ「はい、現役の鉄道職員をしている運転士ですが、何かできることは?」
指令「えっと…広島まで走らせてください。係員と救急隊を配置しますので、よろしくお願いできますでしょうか?」
しづみ「わかりました!」
227系を、貨物列車の運転士が運転することになった。異例の対応である。10分ほど待たされた。
しづみ「発車オーライ、ATS解除よし。ブレーキ圧力よし。ドアランプよし。信号よし。発車!」
指令「聞こえますか?」
しづみ「はい、聞こえます」
指令「そのまま同時進行でお願いしますね」
しづみ「了解。ご案内いたします。ご利用の列車は広島まで止まりません。急遽、乗客が運転しております。」
しづみは抜かりのない対応をした。
[水平線]
《広島駅》
ホームには、ものすごい数の鉄道関係者が集まっていた。桑畑は救急隊によって病院に搬送された。
しづみ「(これは怒られるのかな…)」
駅長「あっ、お客様!」
しづみ「申し訳ございません…勝手に…」
駅長「いやいやいや。ありがとうございました…」
駅員「ありがとうございました」
しづみは困惑した。
駅長「お客様、運転と聞きましたが?」
しづみ「はい。JR貨物総合代表兼運転士の、上郡です。」
駅長「この人…」
駅員「すごい人に当たりましたね…」
駅長「お話、聞かせてもらってよろしいでしょうか?」
しづみ「はい」
しづみは、事務室に連れて行かれた。
運転士「この列車は快速列車の…広島行き、です。呉を出ますと、吉浦、坂、矢野、海田市の順に…止まります。」
歯切れの悪い放送だ。疲れているのだろうか。
しづみ「失礼」
運転士「はい、どうされました?」
しづみ「体調が悪く見えるようですが、大丈夫ですか?」
運転士「あぁ、少し息苦しさはありますが、これくらいなら平気ですよ。ご心配ありがとうございます」
運転士は、桑畑という40代くらいの男だ。
ドアを閉めて発車する。運転士はやはり元気がなさそうだ。
[大文字]呉▶︎▶︎▶︎吉浦[/大文字]
上郡しづみは、貨物列車の運転士も務める19歳だ。水色の長い髪がトレードマークで、今日はこれから広島機関区へ行くのだ。
放送「まもなく、吉浦、吉浦です。」
[大文字]吉浦▶︎▶︎▶︎かるが浜[/大文字]
順調に列車は進んでいた。この時は誰も、運転士の様子は気にしていない。しかし次の坂まではかなりの駅間がある。
運転士「…………うっ…あっ…」
突然、胸が苦しくなった。耐えられず、マスコンハンドルから手を離してしまった。列車は急ブレーキがかかり、停車した。
乗客「何?何が起こったの?」
しづみ「やっぱり…‼︎」
しづみ「開けて!ここを開けて!」
運転士「は…はい…」
鍵を渡した。
しづみ「広島駅に連絡してください!」
乗客「はい…‼︎」
運転士は乗客に連れられ、座席に座り込んだ。しづみは1人残された。
指令「431G列車、急停車しましたが、何かありましたか?」
しづみ「乗客です!運転士の桑畑さんが倒れました。至急対応を!」
指令「お客様?お客様ですか⁉︎ 」
しづみ「はい、現役の鉄道職員をしている運転士ですが、何かできることは?」
指令「えっと…広島まで走らせてください。係員と救急隊を配置しますので、よろしくお願いできますでしょうか?」
しづみ「わかりました!」
227系を、貨物列車の運転士が運転することになった。異例の対応である。10分ほど待たされた。
しづみ「発車オーライ、ATS解除よし。ブレーキ圧力よし。ドアランプよし。信号よし。発車!」
指令「聞こえますか?」
しづみ「はい、聞こえます」
指令「そのまま同時進行でお願いしますね」
しづみ「了解。ご案内いたします。ご利用の列車は広島まで止まりません。急遽、乗客が運転しております。」
しづみは抜かりのない対応をした。
[水平線]
《広島駅》
ホームには、ものすごい数の鉄道関係者が集まっていた。桑畑は救急隊によって病院に搬送された。
しづみ「(これは怒られるのかな…)」
駅長「あっ、お客様!」
しづみ「申し訳ございません…勝手に…」
駅長「いやいやいや。ありがとうございました…」
駅員「ありがとうございました」
しづみは困惑した。
駅長「お客様、運転と聞きましたが?」
しづみ「はい。JR貨物総合代表兼運転士の、上郡です。」
駅長「この人…」
駅員「すごい人に当たりましたね…」
駅長「お話、聞かせてもらってよろしいでしょうか?」
しづみ「はい」
しづみは、事務室に連れて行かれた。
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