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この物語はフィクションです。
今のあの子は、私を超えた。
私は小学生低学年の頃、仲が良い友達ができた。
その子は極度の人見知りで、人と積極的に会話できなくて、けれど仲の良い私には楽しくおしゃべりしてくれた。
奇跡なのかはわからないが、その子と私は同じ誕生日だった。仲が良いせいで、いつもくっついて行動しているからか、名前が特段と似ているわけではないのにも関わらず、名前をよく間違えられることがあった。
私も極度ほどではないが人見知りで、みんなを引っ張る役にいる人ではなかった。
けれどその子が小学2年生から小学6年生までずっと同じクラスだったおかげで、私は楽しい学校生活を送ることができた。
小6になった時、私は委員会の長、委員長になりたいと思い、委員長に立候補してみた。普段はリーダーになる性格じゃないのだが、同じ委員会を何度も続けてきたおかげで自信がついていた。
だが、同じ委員会の委員長になりたい人がもう一人いて、私はその人に負けた。
悔しかった。あの時何で私は負けたのだろう。経験は明らかに私の方が上回っていた。
いや、信頼が足りなかったのかもしれない。
私が今までリーダーという役に就かなかったせいだ。
私はもう一回同じ委員会につき、次の委員長の立候補の時にもう一度立候補したいという気持ちを先生に伝えた。
しかし、今の委員長が同じ委員会にまた立候補していた。
私は絶望感に襲われた。また負けたらどうしようという不安の気持ちでいっぱいで、辛いと感じた。
私はそうして立候補をやめた。
でもここで挫けて、また普通の委員会活動をするのも嫌だったので、私はやったことがない別の学校のリーダーに挑戦してみることにした。
ここまでは普通だった。私が成長する話だった。
しかし、あの子も成長していた。
私たちは小6のときにダンスを発表する行事があった。
そんな行事のリーダーに私と誕生日が一緒だった子がリーダーになっていたのだ。
信じられなかった。私は一緒に喜んだ。そして応援した。その子は少し照れ、恥ずかしがっていた。
その子たちのおかげで、ダンスの行事は大成功だった。たくさんの人が休み時間にダンスを練習していたこともあり、とてもクオリティーが高かった。
そんなこともあり、私たちは同じ中学校に通った。
残念ながら、あの子とはクラスが離れてしまった。
だが今のあの子と、昔のあの子は全く違った。
私は知らぬ間に、あの子はクラスのリーダーの役になっていたり、なんと委員長に立候補したのだ。
私は唖然とした。いつの間にか私と同じところにいた。いや、もう私を超えていた。あの子は私を負けた姿を見てもなお、委員長に立候補したのだ。先生のおかげでもあるかもしれないが、立候補するのはあの子の意思だ。
だが、あの子は別の人に負けてしまった。
その時、私はその場でハッとした。あの子はたった何年間という短期間で大きく成長していたことに気がついた。
昔はあんなに人見知りで、人前に立つのも死ぬほど嫌だったはず。なのに、あの子は全校生徒の前で立候補の公約を話した。
ああ、あの子はもう私がいなくても大丈夫。
今のあの子は、私を超えた。
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