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いろんな小説の下書き

#1

秋の友情、対立と共に (完)

「今から合唱コンの練習始めまーす。ではAからいきまーす。」
指揮を送るためにピアノの方を見る。ピアノ奏者もこちらを向いている。

「一二、三」
入りは成功した。明日、文化祭の合唱コンクールになるため、5限目の音楽の授業で練習をしていた。
ソプラノアルト男声のハモリが気持ちよく進む。
次は男声のソロだ。
「おーおーゲホゲホ」
ミスった。あれはみなとだ。
みなとは顔を赤くしている。
くすくすと笑い声が漏れる。
それでも指揮と伴奏は続ける。少しのミスは当たり前だ。
ん?っと思った。少しづつ不協和音になっていっている。

「はいOK。大体合わせれたと思います。でもソロミスったところの後から不協和音になってたので、そこ直した方がいいなと思います。」

くすくすという笑い声がザワザワに変わる。伴奏のゆきもソプラノのしずくと険しい顔をしてさなを見ている。

『キーンコーンカーンコーン』

「これで終わります」
皆が教科書を持って足早に教室を出て行く。
気づいたらピアノを片付けているゆきと2人きりだ。嫌な予感がする。当たらないといいが。

突然ゆきが口を開く
「ねえ、さなちゃん。もっとまともに指揮して。」

「え?」
まさかそんな事を言われるとは思ってもいない。

「だから、まともに指揮して。」
そう言い残し、足早に教室を出て行く。

誰もいなくなった教室で座り込み、ため息をついた。
「まともに…かぁ。2年前みたいだな。」

「さなちゃん?」
声の方を向くと、みきだった。

「ん?行こっか。次の授業って何だっけ?」

「理科だよ。さなちゃん忘れん坊じゃん。さっきの授業の前も聞いてたよ」

「あれ?そうだったっけ?覚えてないな」

みきは笑いながら
「忘れん坊。てかさ、さっきゆきちゃんが部屋から出てってたけどなんかあった?」

さなは少し顔がこわばるが、すぐに笑顔に変えて
「うんん、大丈夫」

「ほんとぉ?」
疑問に思っているようで、首を傾げている。

「うん!」
ここは安心させるために元気に答えた。
ってかなんで安心させようとしているのだろうか?自分でも不思議だ。


『キーンコーンカーンコーン』

理科の授業が始まったが、さっきの授業のが気がかりで全く集中できない。
「はあ、またああなっちゃうかな。」と小声で呟く。

『キーンコーンカーンコーン』

「うわやべ、授業丸っと聞いてへんかったわー。まあもう6限目だから帰か」

「みき、行こう」
いつも通り誘う。
「あっそうそう、あと今日合唱の放課後練だね。」

みきは思い出したように
「ああ、そういえばそうだったね。でも、みんな来てくれるかな?」

2人の表情は暗くなる。

「どうだろう?特にみなととかあおいとかゆきとかあとしずく。あの人たちわたしのこときらってるじゃんか。だから来ないかも。2年前のこともあるし」

「2年前………」

2年前私たちは同じクラスだった。この時はあおい、みなと、ゆき、しずくと私たちは仲が良かった。
だが、2年前の今頃、合唱コンの前ぐらいになった時に仲間割れが勃発、それが消えぬまま、合唱コンを迎え、結果はドベ。最下位だったのだ。そして、その責任を私に押し付けてきた所から関係が悪くなった。今覚えば私にも少しは直したら良かったところはあったと思うが、全てを私の責任にされてしまった。そのことがあるので、この後が不安だ。

「今から帰りの会を始めます。今日はこの後合唱コンの練習をしますので、用事のない人は参加してください。」

帰りの会の終わり頃、みなととあおいが手を上げた
「せんせー、俺たち用事あるんで休みまーす」

すると、ゆきとしずくも手を上げた
「せんせー私たちも用事あるんで休みまーす」
え?っとクラスメイトが次々に呟く。

「何で?」

4人は驚きながらも答えた。
「だってどうせまた2年前みたいになるんだし、それだったらいいやってさ」

さなは驚きつつも反論した。
「2年前の件については私も悪かったなとは思ってる。でも今年は違う、中学校では最後だから本気でやってると思う。もちろん2年前みたいにならないように気をつけながらやってきてるつもり。なのに2日前になって辞めるの?それだったらこれまでの練習何だったん?」
ちょっと言い過ぎちゃったかな?言い切った後にそう思った。

言い切ったら4人は返す言葉を考えているのか、誰も口を開かない。教室に重い雰囲気が流れる。

『キーンコーンカーンコーン』

「もう帰りだ。準備をして向かうように」
ざわざわといつもの雰囲気に戻った。

みなと、あおい、ゆき、しずくが鞄を持って教室を出て行くのが見えた。急いで荷物をまとめて、追いかける。

「待って!」

4人は一斉に振り返り
「何で?」と言い立ち去ろうとする

「今更捨てるの?」

みなとが驚いたように
「は?」

「2年前のことはあるけれど、今はそれは関係なくない?だったらこの3ヶ月なんだったん?何のための練習なん?」

みなとは考えながら
「それは…」

「せっかく3ヶ月練習したんだよ。本番明日じゃんか。今更捨てるとか卑怯」

「せっかくなんだからみんなで金賞取ろうよ。今年こそ」

みなと、他3人もようやく心変わりをしたのか表情が明るくなった。
「分かった。参加する。今年こそは絶対金賞するからな」

「うん!さ、早く練習行くよ。」

そう言い、さな他4人で走って音楽室に向かった。

音楽室の扉を開けると皆はもう準備して待っていた。誰1人として欠けていない。
「もぅ、おそーい」
そう言うとみきは笑った
それに釣られて他のクラスメイトも笑う。自然と全員が笑顔になる。ようやくこのクラスはまとまった。そう感じた。

そうして、指揮を始める。
今回はこれまでより1番いい

歌い切った。
「じゃあ今日はこれでおしまいです。今日は体調崩さないようにはよう寝ましょう!終わります」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー当日ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「おはよう!」
今日は気分がいい。もしかしたら金賞を取れるかもしれない。

「キンチョーするー」

「まあ、本気出せばいけるよ!」

『キーンコーンカーンコーン』

「今日で本番です。頑張って120%出しましょう!」

キンチョーするなあ

「次は3年4組、曲、秋の空、指揮さな、伴奏はゆきです」

指揮台に上がり皆を見渡す、みんなこちらを向き、笑顔だ。
指揮を振る。入りはめっちゃ良い、サビに向かって高まる高揚感、そしてソロ、完璧
指揮を振り終わり、満足の笑みでみんなを見る。
「ただいまの演奏は3年4組でした。」
その合図で我に返り、急いで席へ戻る。10分の休憩を挟んでから結果発表だ。
「ただいまより10分間の休憩をとります。休憩の後は合唱コンクールの結果発表をいたします」
そのアナウンスが流れた途端に皆が騒ぎ始めた。
「今回めっちゃよかったくない?」

「それな!120%なんなら200%出せてたよ。」

「後は結果だね」

もうすでに緊張している。
今年こそはという思いが強いからだ。

「ただいまより、結果発表を行いますので、席にお戻りください」
アナウンスが流れた。いよいよだ。

こーちょーが壇上に上がる。

「三年生、金賞、3年4組」

そうこーちょーが告げた瞬間周りからぎゃーっという声がものすごい勢いで出た。

その後も発表が続いたが、皆、興奮しながら声を潜めているが、顔はニコニコし過ぎている。

「それでは金賞、銀賞の各クラスの指揮者と伴奏者は壇上へ移動してください。」

そのアナウンスで我に返り、急いで行く

「3年4組、金賞、おめでとうございます㊗️🎉」

賞状とトロフィーを受け取る。チラッとクラスの方を見るとみんな手を上げて嬉しがってる。このクラスでよかった。そう思えた。これで満足

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー完ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

作者メッセージ

「学生」「秋」と言うテーマで小説を書いてみようと友達となり、書きました。
合唱コンクール当日とその前日を描きました。
主人公はさな。
こちらの小説は、エブリスタの方でも投稿します。

2026/05/20 17:34

宙月 暁
ID:≫ 1a76j.Oaxtd0I
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