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出てくる名前、出来事は全て架空のものです。
最後のひと時にはコーヒーを
これは、1950年に沈没した大型客船、ネリネ号からかろうじて見つかった大事な記録の手記の話である。
[水平線]
1950年某日
この日の朝の空は、晴れ、太陽が燦々と私たちを照らしていた。今日は、いい船旅になる。この時、俺、ジュールはそう思っていた。
午前8時頃、お客様方がこのネリネ号に乗り込んできた。この国では初の大型客船のため、お客様は子供に戻ったような、好奇心をもった目をして、船のあちこちを見ていた。
俺は、お客様をご案内した後、とりあえず裏に戻った。
そして、ひとまず船長の所へ行くことにした。
大体落ち着いた船長は、キセルを咥えながら舵を握っていた。それは、俺のあこがれだった。それが、海に沈もうとも…。
しばらくして、俺らはお客様のご食事の用意を始めた。正直、食べたことがないような品々だったので、手が震えてしまうほどだった……。
そして、リーダーから運ぶように指示があったころ、誰かが遠くで騒いでいた。言った内容はこうだ。
「大きな雨雲が近づいてきている!強い風の音もしているぞ!」
俺らは、その時そんなはずないと思っていたが、様子を見てきたリーダーは顔を真っ青にさせて戻ってきていた。
お客様も、デッキから中に誘導されていた。
しばらくして、雨が降り始めた。ぼつぼつと雨とは思えないような音をしている。ここまで、雨が恐ろしいと思ったことはない。
さらにたつと、強い風も吹き始め、船が揺れ始めた。最初は、まだ大丈夫と思っていたが、次第にさらに大きく揺れ始め、ごつごつとした岩にぶつかった。
他の船員たちは、こう言っていた。
「船に穴が開いた!水が入ってきたぞ!まずい、沈没する!」
しばらくすると、緊急用ボートで、お客様が救助されていった。
だが、俺らは後回し。ただ、心の中で不安がたゆっているだけ。
しばらく、不安に駆られていると、恐怖でおかしなことをする奴が現れ始めた。
酒を何杯も浴びるように飲み、ぶっ倒れたやつら。必死に海に飛び込んでいった奴ら。しばらくすると、船内は、シーンと静まり返っていた。
すると、船長が現れて言った。
「残ったのは、私と君だけか…。どうだい。話をしないか?」
以下は、会話文。
「もうこうなってしまった以上、死からは逃れられないのだろうな」
「えぇ。心苦しいです」
船長は、ため息交じりに言った。
「お客様は、無事に逃げられているだろうか……」
そう言った後、船長は船内でコーヒーを淹れ始めた。
「うまいな……。これは、お客様のための一級品だ。お前も、どうせ沈んでしまうのだから、せめて飲んでやれ」
「はい」
そして、俺も促され、コーヒーを淹れた。
匂いは、今までに嗅いだことがないほど香ばしく、鼻腔をくすぐられた。
「いいものだろう……。これが、最後のひと時だったとしても、コーヒーを飲みながら、海を眺められるのだからな……」
俺は、船長の言葉を残すため、持っていたペンとメモ帳で、手記を書き始めた。
[水平線]
最後のコーヒーは、どれだけ苦く、うまかっただろうか。
だが、その記憶はもう海の底にしかないのだ。
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1950年某日
この日の朝の空は、晴れ、太陽が燦々と私たちを照らしていた。今日は、いい船旅になる。この時、俺、ジュールはそう思っていた。
午前8時頃、お客様方がこのネリネ号に乗り込んできた。この国では初の大型客船のため、お客様は子供に戻ったような、好奇心をもった目をして、船のあちこちを見ていた。
俺は、お客様をご案内した後、とりあえず裏に戻った。
そして、ひとまず船長の所へ行くことにした。
大体落ち着いた船長は、キセルを咥えながら舵を握っていた。それは、俺のあこがれだった。それが、海に沈もうとも…。
しばらくして、俺らはお客様のご食事の用意を始めた。正直、食べたことがないような品々だったので、手が震えてしまうほどだった……。
そして、リーダーから運ぶように指示があったころ、誰かが遠くで騒いでいた。言った内容はこうだ。
「大きな雨雲が近づいてきている!強い風の音もしているぞ!」
俺らは、その時そんなはずないと思っていたが、様子を見てきたリーダーは顔を真っ青にさせて戻ってきていた。
お客様も、デッキから中に誘導されていた。
しばらくして、雨が降り始めた。ぼつぼつと雨とは思えないような音をしている。ここまで、雨が恐ろしいと思ったことはない。
さらにたつと、強い風も吹き始め、船が揺れ始めた。最初は、まだ大丈夫と思っていたが、次第にさらに大きく揺れ始め、ごつごつとした岩にぶつかった。
他の船員たちは、こう言っていた。
「船に穴が開いた!水が入ってきたぞ!まずい、沈没する!」
しばらくすると、緊急用ボートで、お客様が救助されていった。
だが、俺らは後回し。ただ、心の中で不安がたゆっているだけ。
しばらく、不安に駆られていると、恐怖でおかしなことをする奴が現れ始めた。
酒を何杯も浴びるように飲み、ぶっ倒れたやつら。必死に海に飛び込んでいった奴ら。しばらくすると、船内は、シーンと静まり返っていた。
すると、船長が現れて言った。
「残ったのは、私と君だけか…。どうだい。話をしないか?」
以下は、会話文。
「もうこうなってしまった以上、死からは逃れられないのだろうな」
「えぇ。心苦しいです」
船長は、ため息交じりに言った。
「お客様は、無事に逃げられているだろうか……」
そう言った後、船長は船内でコーヒーを淹れ始めた。
「うまいな……。これは、お客様のための一級品だ。お前も、どうせ沈んでしまうのだから、せめて飲んでやれ」
「はい」
そして、俺も促され、コーヒーを淹れた。
匂いは、今までに嗅いだことがないほど香ばしく、鼻腔をくすぐられた。
「いいものだろう……。これが、最後のひと時だったとしても、コーヒーを飲みながら、海を眺められるのだからな……」
俺は、船長の言葉を残すため、持っていたペンとメモ帳で、手記を書き始めた。
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最後のコーヒーは、どれだけ苦く、うまかっただろうか。
だが、その記憶はもう海の底にしかないのだ。
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