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表現上、PG-12にさせていただきました。過度な表現が苦手な方は、お控えください。

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季節違いの小さな桜

今日も、吉原遊郭の朝はとても静かなものだった。
そんな朝は、冬ということもあり、とても寒く、外套がなければ耐えられないほどだった。

そんな朝、1人の少女が[漢字]霧崎屋[/漢字][ふりがな]きりさきや[/ふりがな]にやってきた。
連れてきた男は、ドンドンと戸を荒く叩き、むすっと壁にもたれかかった。
しばらくすると、小さく若い娘、[漢字]禿[/漢字][ふりがな]かむろ[/ふりがな]が戸を開けて出てきた。

「〇〇さまですね、やり手婆がお待ちしているので、ご案内いたします」

そうして、やり手婆がやってくると、男は銭がたんまりと入った袋を受け取って帰っていった。
残された少女は虚ろで潤んだ目で婆を見つめた。そんな表情を見て、婆は顔をにぃっとさせた。
そんな婆の表情を見て、少女は眉をひそめた。

少女は、これからの自分の運命を今、知る由はないだろうに。
[水平線]

しばらく、霧崎屋を案内していると、もう空は化粧したように赤く染めあがっていた。

すると婆は、少女を一つの部屋に案内した。
「今日はここで寝なさいな。蝋燭がもったいないから、すぐに着替えて寝なさい」

そう必要なことを言うと、婆はドンと戸を閉めて、パタパタと慌ただしく去っていった。

少女は、不安な気持ちを胸に潜めて、布団をかぶって目を瞑った。
だが、慣れぬ環境と、床のきしむ音ですぐには眠れなかった。

[水平線]

翌朝、少女が目を開けると、婆が戸を開け、手招きをした。

「あんたも今日から禿としてうちの遊女の世話をしてもらう。これから行く部屋はその遊女の部屋だ。ちゃんとやるように」
そういわれてついた部屋は、豪華絢爛、まさにこの言葉が似合うものだった。

かけられた着物は鮮やかな赤で、細やかな金の刺繍までほどこされ、美しく咲く牡丹の模様が特徴的だった。
一品一品飾られた品々は、高級なものと一目でわかった。
そして、中心に立つ儚い女性が目に留まった。

「婆、この子が新しぃ禿かい?」
「ああそうだよ。名前はわからないらしいから、適当に呼んでやっておくれ」

そう言うと、婆は去ってしまった。
少女は不安を覚えつつも、遊女の方を向いた。

「かわいそうな子でありんすねぇ。わっちは[漢字]魅玉[/漢字][ふりがな]みたま[/ふりがな]。魅玉姐さんとでもお呼び。そして、アンタだけど…」

魅玉は少女の方をじっと見て、考えてから言った。

「あんた可愛らしいから、桜と呼ぶよ」
こうして、少女は桜として生まれ変わり、新たな生活を迎えた。

[水平線]

新たな生活は、とても大変なものだった。
魅玉花魁のお世話をしたり、必死で勉強をしたりなど。

特に、勉強は大変だった。
十歳の桜は、文字の読み書きがほとんどできなかった。そのため、字を覚えるのには苦労した。
他にも、詩や楽器、舞など、必死で芸を身に着けた。

そして、桜は十五歳になり、遊女となった。

[水平線]

遊女[漢字]桜代[/漢字][ふりがな]はるよ[/ふりがな]。
桜代は、可愛らしく、儚げな声で詩を詠むことで、人気になり、とうとう花魁にまで上り詰めた。


今日は、桜代花魁の花魁道中。

暗い闇も、ぼんぼりと明るい化粧と簪で、たちまち美しく変わる。
それぞれの胸の内は置いておいて。


(桜代…。最初に母がつけてくれた名前なんてとっくに忘れてしまった。
恋も、やり手婆に手折られてしまった。私は、ずっと、儚く愛らしい桜代花魁でいるべきなのね…。
どれだけ想いを込めても、どれだけ適当に書いても、恋文なんて殿方が満足すればそれでいいの)


季節は冬。
ここに季節違いの桜が花開いた。
最後にどんな運命が待っていようとも、今、儚く美しく。懸命に咲いている。


作者メッセージ

最後までお読みいただきありがとうございます。
今回は自分の大好きな花魁系を書かせていただきました!
やっぱり好きなジャンルが筆が乗る!

てことでそれではまた。

2025/12/30 14:22

彩ノ宮
ID:≫ 04kYm4qUdkyPQ
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PG-12短編恋愛遊女花魁花街

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