[明朝体]〈第一章〉
キーンコーンカーンコーン・・
この私立虹橋中学校では、今日もたくさんの子供達の表情が飛び交っていた。そんな中でも、最近の話題は・・・。
「いやあ、菜月めっちゃかわいーと思うんだけどさ。女子の中ではどんな感じなの?」
「は?どんな感じかって、見ての通り。美人で、スタイルよくて、高貴で、人並み外れた女子だけど。まだ諦めてないん?朔也は」
「うーん・・。諦めたくはない、けど。無理ゲーだと思ってる。1レベルのキャラが、100レベと戦うイメージ」
「いや、絶望的じゃん。てか、戦うの?」
「いや、たとえだけど。」
ざわざわとした、学校の中休み。教室の後ろで女子と話している一人の男子は、中学2年生の、御門朔也(みかど さくや)だ。少し肌寒い秋、食べたくなるのは焼き芋。そんな話をする暇もなく、恋の季節、”春”がやってきた。そう、最近の話題というのは恋だ。
「おはようございます、先生。」
「ああ、おはよう。如月。昨日、熱で休んでたが体調は大丈夫か?」
「あっ、はい、大丈夫です。お気遣いありがとうございます。それよりも、周りに感染してないか心配でして・・。ゴホッゴホッ・・。」
そんなざわついた教室に、前から一人の華麗な女子が入ってきた。その瞬間、わっとなっていた教室がいきなり静かになり、誰ひとり声を出さずに華麗な女子を見つめた。
「・・・。みんな、どうしたの・・?」
「だって!・・羽奏ちゃん!大丈夫だったの?!高熱で立って心配したんだよ〜・・」
「ほら、来たよ、羽奏。朔也、早く話しかけたら?」
「無理だって!」
その華麗な女の子は、如月羽奏(きさらぎ わかな)、同学年だ。そして、羽奏は御門の初恋相手なのだ。でも、御門はぶっちゃけ、チャラい男の子だ。お金持ちで、華麗な女子とチャラ男。考えたこともないコンビ。みんな無理だと思ってるし、本人だって無理だと言っている。けれど、諦めたくないらしい。
「ほーら!朔也!行ってきなさいよ。」
隣りにいる莉子は、羽奏の幼馴染。付き合いは長い。そして莉子は、御門の恋の手助け役でもある。いわゆる中間役。本人いわく、自分は恋のキューピッド。好きな人はいないらしい。そんな莉子は、御門と羽奏を近づけようと、無理やり御門を押していた。
「ちょっと、まってって・・、って、うわっ!!」
莉子に押されたせいで、御門は勢いよく、羽奏に衝突してしまった。
「きゃっ!」
ドカッ
「・・・痛っ!ってそれよりも、如月、ごめん!」
「あっ、御門くん・・、大丈夫?私がこんなところで立ちつくしてたから・・。怪我はない?」
「怪我って・・。俺がぶつかったんだから・・。如月こそ、怪我ないのかよ・・。」
「えっ?私ならなんてことないよ。私は御門くんが怪我してないか心配・・。」
そんな2人を遠くから見ていた莉子は、腕を組んでうんうんと頷き、独り言を言っていた。
「ほーん・・。御門いい感じじゃん!もっと話せ話せ!」
そこに、もう一人男子が入ってきた。
「そーだね。」
「おっ、陽向じゃん。あんたにもわかるの?あの2人!」
「別に、御門を応援するつもりはない。ただ、見てて面白いだけ。」
「ふーん、つまんないのー!でも、分かるんだね。それと、御門が羽奏のこと好きなの、知ってるんだぁ。陽向は恋のことなんて、わかんないと思ってた!」
「失礼だね。」
その男子は、一ノ瀬陽向。同じクラスだ。普段は一人で本を読んだり、ずっと勉強をしている。ぼっちってやつだ。でも、こうやってたまに誰かに話しかけたりする。
「いやあ、私は!朔也と羽奏が結ばれたらいいなって思って。応援してる!」
「へぇ。でも、なんで?」
「え?なんでっていうのはよくわかんないけど、羽奏は私の幼馴染だもん。幼稚園の頃は、あんな華麗じゃなかったんだけどなぁ。無邪気って感じだった。」
莉子は、少しだけ寂しそうにつぶやいた。そんなつぶやきを、陽向は聞き逃さずに話した。
「まじか。」
「えっ、あー。うん!でも、歳が上がっていくうちに、みんなから尊敬されるようになって・・。前の羽奏のほうが好きだった。でさ、御門はチャラ男さんだから!つきあったら、今の羽奏のイメージを変えてほしい。そしたら、前みたいに戻るかもって!」
「それ、自分でやったほうが早いと思うけどな。」
「でも、御門の恋も叶って、私の願いも叶う!一石二鳥ってやつ!」
そんな会話を二人でしている間に、御門が2人のところに帰ってきた。
「おっ!朔也。結構喋れたじゃん?」
「うーん!楽しかった。でも、ぶつかったのは申し訳ない。莉子のせいだからねー。」
「えーごめんって・・。でも、叶うといいねー」
「はー?莉子も。好きな人できると言いですねー!」
「私はいらないし!」
[下線]そう、これは。中学2年生のチャラ男、そして同級生の仲間たちの、恋と青春物語なのだ。[/下線][/明朝体]
キーンコーンカーンコーン・・
この私立虹橋中学校では、今日もたくさんの子供達の表情が飛び交っていた。そんな中でも、最近の話題は・・・。
「いやあ、菜月めっちゃかわいーと思うんだけどさ。女子の中ではどんな感じなの?」
「は?どんな感じかって、見ての通り。美人で、スタイルよくて、高貴で、人並み外れた女子だけど。まだ諦めてないん?朔也は」
「うーん・・。諦めたくはない、けど。無理ゲーだと思ってる。1レベルのキャラが、100レベと戦うイメージ」
「いや、絶望的じゃん。てか、戦うの?」
「いや、たとえだけど。」
ざわざわとした、学校の中休み。教室の後ろで女子と話している一人の男子は、中学2年生の、御門朔也(みかど さくや)だ。少し肌寒い秋、食べたくなるのは焼き芋。そんな話をする暇もなく、恋の季節、”春”がやってきた。そう、最近の話題というのは恋だ。
「おはようございます、先生。」
「ああ、おはよう。如月。昨日、熱で休んでたが体調は大丈夫か?」
「あっ、はい、大丈夫です。お気遣いありがとうございます。それよりも、周りに感染してないか心配でして・・。ゴホッゴホッ・・。」
そんなざわついた教室に、前から一人の華麗な女子が入ってきた。その瞬間、わっとなっていた教室がいきなり静かになり、誰ひとり声を出さずに華麗な女子を見つめた。
「・・・。みんな、どうしたの・・?」
「だって!・・羽奏ちゃん!大丈夫だったの?!高熱で立って心配したんだよ〜・・」
「ほら、来たよ、羽奏。朔也、早く話しかけたら?」
「無理だって!」
その華麗な女の子は、如月羽奏(きさらぎ わかな)、同学年だ。そして、羽奏は御門の初恋相手なのだ。でも、御門はぶっちゃけ、チャラい男の子だ。お金持ちで、華麗な女子とチャラ男。考えたこともないコンビ。みんな無理だと思ってるし、本人だって無理だと言っている。けれど、諦めたくないらしい。
「ほーら!朔也!行ってきなさいよ。」
隣りにいる莉子は、羽奏の幼馴染。付き合いは長い。そして莉子は、御門の恋の手助け役でもある。いわゆる中間役。本人いわく、自分は恋のキューピッド。好きな人はいないらしい。そんな莉子は、御門と羽奏を近づけようと、無理やり御門を押していた。
「ちょっと、まってって・・、って、うわっ!!」
莉子に押されたせいで、御門は勢いよく、羽奏に衝突してしまった。
「きゃっ!」
ドカッ
「・・・痛っ!ってそれよりも、如月、ごめん!」
「あっ、御門くん・・、大丈夫?私がこんなところで立ちつくしてたから・・。怪我はない?」
「怪我って・・。俺がぶつかったんだから・・。如月こそ、怪我ないのかよ・・。」
「えっ?私ならなんてことないよ。私は御門くんが怪我してないか心配・・。」
そんな2人を遠くから見ていた莉子は、腕を組んでうんうんと頷き、独り言を言っていた。
「ほーん・・。御門いい感じじゃん!もっと話せ話せ!」
そこに、もう一人男子が入ってきた。
「そーだね。」
「おっ、陽向じゃん。あんたにもわかるの?あの2人!」
「別に、御門を応援するつもりはない。ただ、見てて面白いだけ。」
「ふーん、つまんないのー!でも、分かるんだね。それと、御門が羽奏のこと好きなの、知ってるんだぁ。陽向は恋のことなんて、わかんないと思ってた!」
「失礼だね。」
その男子は、一ノ瀬陽向。同じクラスだ。普段は一人で本を読んだり、ずっと勉強をしている。ぼっちってやつだ。でも、こうやってたまに誰かに話しかけたりする。
「いやあ、私は!朔也と羽奏が結ばれたらいいなって思って。応援してる!」
「へぇ。でも、なんで?」
「え?なんでっていうのはよくわかんないけど、羽奏は私の幼馴染だもん。幼稚園の頃は、あんな華麗じゃなかったんだけどなぁ。無邪気って感じだった。」
莉子は、少しだけ寂しそうにつぶやいた。そんなつぶやきを、陽向は聞き逃さずに話した。
「まじか。」
「えっ、あー。うん!でも、歳が上がっていくうちに、みんなから尊敬されるようになって・・。前の羽奏のほうが好きだった。でさ、御門はチャラ男さんだから!つきあったら、今の羽奏のイメージを変えてほしい。そしたら、前みたいに戻るかもって!」
「それ、自分でやったほうが早いと思うけどな。」
「でも、御門の恋も叶って、私の願いも叶う!一石二鳥ってやつ!」
そんな会話を二人でしている間に、御門が2人のところに帰ってきた。
「おっ!朔也。結構喋れたじゃん?」
「うーん!楽しかった。でも、ぶつかったのは申し訳ない。莉子のせいだからねー。」
「えーごめんって・・。でも、叶うといいねー」
「はー?莉子も。好きな人できると言いですねー!」
「私はいらないし!」
[下線]そう、これは。中学2年生のチャラ男、そして同級生の仲間たちの、恋と青春物語なのだ。[/下線][/明朝体]