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ややBL、暴力表現ありです‼︎
「じゃあね...音悠くん...好きだよ」そんな言葉を言い残して君は死んだ。それが、君がいなくなって3週間たった今も現実味がない。いや、頭では理解してるんだ。でも。今も叫び続ける俺の心はどうしたらいい...?
一番最初にあった君への俺の感想は、しょーじき本当に馬鹿なことに「誰にでもニコニコしてるきめぇ奴」だった。俺の所属している特異体質犯罪専属特別軍に、もとは交番の「おまわりさん」だった奴がくるなんて、らしくないと思っていた。だって、ここは何もかもを捨て、笑顔さえも見失った奴がほとんどだったから。でも、君はずっと、最初から最後まで、笑っていた。
初の共同任務の日。俺はできるだけ君と関わりたくなかった。というより関わりたくなかった。どうせ弱くて足を引っ張るだけのやつだと思ってたから。できるだけ一人でさっさと済ませたくて、俺は道を急いだ。でも、君は俺の服の袖を掴んでこういった。「よろしくお願いします!」...正直、驚いた。こんな馬鹿なのかと。明らかに関わりたくないですよオーラ出してる人間にそれ言うか普通...と俺はまるで普通の奴らのように少し引いた。まぁでも、任務は任務だ。早くやることに越したことはない。そう思うことにして、俺は君とアジトにたどり着き、一人ずつ的確に、素速く仕留めていった。幻覚に魅了、洗脳...今回は精神攻撃系の体質が多そうだ。まぁ、感情を捨てたような俺には別になんの問題もない。最初は普通に首の裏を蹴っていって気絶させていたが、人数が多くて埒が明かない。あとはざっと100人か...ならもう使える。そう判断した俺は腰のポケットから薄暗い蛍光灯に当たってキラリと光る真新しいナイフを取り出した。そして、自分の腕を少し切る。すっと切れて血がポタポタと流れてくる。まぁ慣れてるので驚くことはない。怖がることもない。深く息を吐く。季節は冬で、白い息が現れる。「血液、硬化。形状、針。」そう言うと、俺の腕を伝っていた血は針のように細く鋭く変化し、俺の周りに円を描くかのように浮いた。そのまま指を相手の方に振る。致命傷は与えないレベルに、でも動けないように傷を与えていく。...もういいか。あとは事後処理の班に任せて帰ればいい。そう思って戻ろうとしたとき。「あぶないっっ!!」そう大声がして、咄嗟に後ろを振り返る。そこには銃弾が迫っていた。あぁ、確実に骨一本は折るな...そう覚悟して受け身を取る。しかし、その弾は俺のもとには来ず、突如曲がってとんでもない速さで銃を持っていたやつの耳に当たった。「ゔぅ...」そいつは呻きながらもぞもぞと動いて、やがて気を失ったように倒れた。「よかったぁ...あ、安心して。ちゃんと倒したよ。」そういって君は俺のもとに駆け寄ってきた。これは、こいつがやったのか。確かこいつの体質...「夢」は、視覚にうつっている奴に夢を見させ、それを現実と思って行動させることができるというものだった。今回はおそらく銃弾に「俺の方向から撃ったやつに向かって飛んでいる」というような夢でも見させたのだろう。なにはともあれ、助かった。それと同時に、この俺が助かったことにすら喜んで、倒したとはっきりいう顔が綺麗だと初めて思った君に興味が湧いた。「お前、名前はなんだ。」なにげに人に初めて聞く質問をしてみる。...一度も人の名前を気にする必要はなかったから。でも、君は花が開くように笑って、「僕は、杉成一早。よろしくね、えっと...」なんて満面の笑みで言ってきた。その笑顔と言葉につられて、俺もあまり口にすることのなかった自分の名前を伝える。「藤来音悠。」...誰がどこでつけたのかもわからない名前だがな。すると俺の暗い気持ちを取っ払うかのように君はにっこりして、音悠くん...!!と俺の名前を呼んだ。今までしっくり来なかった名前が、俺の存在とぴったりくっついた気がした。
それ以降、俺達は任務を一緒にこなしたり、休みには出かけたりと、よく関わるようになった。初めて見る景色と君の顔が俺の記憶の中に増えていって、いつの間にか俺も素直に笑えるようになっていった。まぁ、同じ特別軍の奴らには気味が悪いと言われていたようだが、気にしていない。なぜって?...君に会えたから。
でも、それは突然にして崩れる。日常なんて、すぐ壊れる。
君は、俺を庇って、死んだ。倒しそこねた相手を見逃した、俺のせいで死んだ。もう君にあってからちょうど一年が経っていた。俺は君に、任務が終わったら告白しようと準備していた。男の俺が君を好きなんて言ったら嫌われるかもしれない。そう思うと怖かったけれど、何故か君は受け止めてくれるはずだ、という確信もあって夜なかなか寝付けなかった。それのせいかもしれない。今回はパワー系の特殊体質が多かった。やや苦労したが、倒しきったと思ったその時。帰ろう。聞いてほしいことがあるんだ、と君に言おうとして、君の方を向いたその時。俺に向かって銃弾は放たれていた。君は特殊体質を使おうとしたが、疲労で使えなくなっていた。だから、必死に飛び込んだ。そして、君は死んだ。俺が死んでおけばよかったのに。俺のせいなのに。追い詰められた気持ちで今まででたことのなかった涙が伝う俺の頬を君は撫でて、[明朝体][小文字] よかったぁ...じゃあね...音悠くん...好きだよ…」[/小文字][/明朝体]震える声でそういったあと、君はまた花が開くような笑顔を見せて、急に力が抜けたかのようにガクン、と体を倒した。俺のせいだ。俺の注意不足だ。俺が死んでおけばよかったのに。俺が、俺が...
でも、もう君はいない。帰ってこない。現実を受け入れられないまま、俺は今、君のお墓の前に立っている。なんの花かもわからないまま買った花を供える。なんであそこで死ぬんだよ。俺は、俺は、まだ、好きって言えてねえだろうが...!!気付くと、この3週間でもう使い果たしたはずの涙がまた津波のように押し寄せていた。俺がしっかりしていないから、俺が君に近づいたから、俺が感情を持ってしまったから...
全部、俺のせいだ。
[大文字][明朝体] 「ゔっ、ゔぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっゔっ、ゔっぁぁ...」[/明朝体][/大文字]
一番最初にあった君への俺の感想は、しょーじき本当に馬鹿なことに「誰にでもニコニコしてるきめぇ奴」だった。俺の所属している特異体質犯罪専属特別軍に、もとは交番の「おまわりさん」だった奴がくるなんて、らしくないと思っていた。だって、ここは何もかもを捨て、笑顔さえも見失った奴がほとんどだったから。でも、君はずっと、最初から最後まで、笑っていた。
初の共同任務の日。俺はできるだけ君と関わりたくなかった。というより関わりたくなかった。どうせ弱くて足を引っ張るだけのやつだと思ってたから。できるだけ一人でさっさと済ませたくて、俺は道を急いだ。でも、君は俺の服の袖を掴んでこういった。「よろしくお願いします!」...正直、驚いた。こんな馬鹿なのかと。明らかに関わりたくないですよオーラ出してる人間にそれ言うか普通...と俺はまるで普通の奴らのように少し引いた。まぁでも、任務は任務だ。早くやることに越したことはない。そう思うことにして、俺は君とアジトにたどり着き、一人ずつ的確に、素速く仕留めていった。幻覚に魅了、洗脳...今回は精神攻撃系の体質が多そうだ。まぁ、感情を捨てたような俺には別になんの問題もない。最初は普通に首の裏を蹴っていって気絶させていたが、人数が多くて埒が明かない。あとはざっと100人か...ならもう使える。そう判断した俺は腰のポケットから薄暗い蛍光灯に当たってキラリと光る真新しいナイフを取り出した。そして、自分の腕を少し切る。すっと切れて血がポタポタと流れてくる。まぁ慣れてるので驚くことはない。怖がることもない。深く息を吐く。季節は冬で、白い息が現れる。「血液、硬化。形状、針。」そう言うと、俺の腕を伝っていた血は針のように細く鋭く変化し、俺の周りに円を描くかのように浮いた。そのまま指を相手の方に振る。致命傷は与えないレベルに、でも動けないように傷を与えていく。...もういいか。あとは事後処理の班に任せて帰ればいい。そう思って戻ろうとしたとき。「あぶないっっ!!」そう大声がして、咄嗟に後ろを振り返る。そこには銃弾が迫っていた。あぁ、確実に骨一本は折るな...そう覚悟して受け身を取る。しかし、その弾は俺のもとには来ず、突如曲がってとんでもない速さで銃を持っていたやつの耳に当たった。「ゔぅ...」そいつは呻きながらもぞもぞと動いて、やがて気を失ったように倒れた。「よかったぁ...あ、安心して。ちゃんと倒したよ。」そういって君は俺のもとに駆け寄ってきた。これは、こいつがやったのか。確かこいつの体質...「夢」は、視覚にうつっている奴に夢を見させ、それを現実と思って行動させることができるというものだった。今回はおそらく銃弾に「俺の方向から撃ったやつに向かって飛んでいる」というような夢でも見させたのだろう。なにはともあれ、助かった。それと同時に、この俺が助かったことにすら喜んで、倒したとはっきりいう顔が綺麗だと初めて思った君に興味が湧いた。「お前、名前はなんだ。」なにげに人に初めて聞く質問をしてみる。...一度も人の名前を気にする必要はなかったから。でも、君は花が開くように笑って、「僕は、杉成一早。よろしくね、えっと...」なんて満面の笑みで言ってきた。その笑顔と言葉につられて、俺もあまり口にすることのなかった自分の名前を伝える。「藤来音悠。」...誰がどこでつけたのかもわからない名前だがな。すると俺の暗い気持ちを取っ払うかのように君はにっこりして、音悠くん...!!と俺の名前を呼んだ。今までしっくり来なかった名前が、俺の存在とぴったりくっついた気がした。
それ以降、俺達は任務を一緒にこなしたり、休みには出かけたりと、よく関わるようになった。初めて見る景色と君の顔が俺の記憶の中に増えていって、いつの間にか俺も素直に笑えるようになっていった。まぁ、同じ特別軍の奴らには気味が悪いと言われていたようだが、気にしていない。なぜって?...君に会えたから。
でも、それは突然にして崩れる。日常なんて、すぐ壊れる。
君は、俺を庇って、死んだ。倒しそこねた相手を見逃した、俺のせいで死んだ。もう君にあってからちょうど一年が経っていた。俺は君に、任務が終わったら告白しようと準備していた。男の俺が君を好きなんて言ったら嫌われるかもしれない。そう思うと怖かったけれど、何故か君は受け止めてくれるはずだ、という確信もあって夜なかなか寝付けなかった。それのせいかもしれない。今回はパワー系の特殊体質が多かった。やや苦労したが、倒しきったと思ったその時。帰ろう。聞いてほしいことがあるんだ、と君に言おうとして、君の方を向いたその時。俺に向かって銃弾は放たれていた。君は特殊体質を使おうとしたが、疲労で使えなくなっていた。だから、必死に飛び込んだ。そして、君は死んだ。俺が死んでおけばよかったのに。俺のせいなのに。追い詰められた気持ちで今まででたことのなかった涙が伝う俺の頬を君は撫でて、[明朝体][小文字] よかったぁ...じゃあね...音悠くん...好きだよ…」[/小文字][/明朝体]震える声でそういったあと、君はまた花が開くような笑顔を見せて、急に力が抜けたかのようにガクン、と体を倒した。俺のせいだ。俺の注意不足だ。俺が死んでおけばよかったのに。俺が、俺が...
でも、もう君はいない。帰ってこない。現実を受け入れられないまま、俺は今、君のお墓の前に立っている。なんの花かもわからないまま買った花を供える。なんであそこで死ぬんだよ。俺は、俺は、まだ、好きって言えてねえだろうが...!!気付くと、この3週間でもう使い果たしたはずの涙がまた津波のように押し寄せていた。俺がしっかりしていないから、俺が君に近づいたから、俺が感情を持ってしまったから...
全部、俺のせいだ。
[大文字][明朝体] 「ゔっ、ゔぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっゔっ、ゔっぁぁ...」[/明朝体][/大文字]