閲覧前に必ずご確認ください

※この物語は、少し心が「チクッ」とするような、重め・病み系の描写が含まれます。
※キャラクターが精神的に落ち込んでいくシーンがありますが、最終的にはハッピーエンドに向かいますので、最後まで見守っていただけると嬉しいです。
※「愛」を求める過程で、少し大人びた表現や、ピュアなだけではない描写が入る可能性があります。苦手な方はご注意ください。

「最後には、必ず幸せな光を見せます。」

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壊れたドールは、愛の温度を知りたい

#28

第28話:バニラとピンクの毛布

家を飛び出した後、陽菜ちゃんが泣きながら駅まで迎えに来てくれた。
「よく頑張りましたね、ルナさんっ!」って、私のボロボロのパーカーなんて気にせず、人前で思いっきり抱きしめてくれた。

結局、その日はお母さんと距離を置くために、陽菜ちゃんの家に転がり込むことになった。
陽菜ちゃんの部屋は、私のモノクロな部屋とは正反対の、眩しいくらいのピンク色。

「はい、ルナさん。これ、私が一番気に入ってる、ふわふわのパジャマです!」

貸してくれたのは、ウサギの耳がついた、自分じゃ絶対選ばないような甘い服。
でも、それを着て、陽菜ちゃんが淹れてくれたココアを飲んでいると、体の芯から冷え切っていたのが嘘みたいに溶けていく。

「……、……、……変なの。……私、……こんな格好、似合わないのに」

「そんなことないですよ。ルナさんは、何を着てもルナさんです!」

陽菜ちゃんが隣で笑い、スマホの画面を見せてくる。
そこには、颯太くんからのメッセージ。
『ゆっくり休んで。明日、また3人で会おう。何か必要なものがあったらすぐ届けるから』

「……、……、……過保護。……死ねばいいのに、ほんと」

口では毒を吐きながらも、私はその画面をスクリーンショットして保存した。
お母さんの理想を押し付けられることもなく、誰かの顔色を伺うこともない夜。
陽菜ちゃんが隣でスースーと寝息を立てる中、私は暗闇の中で自分の腕に触れた。

新しく貼り直した絆創膏。でも、不思議と今は、傷を隠すためじゃなく、**「自分を治すため」**の印のように思えた。

「……、……、……おやすみ。……みんな」

生まれて初めて、私は悪夢を見ずに、深い眠りに落ちていった。

作者メッセージ

皆様、こんにちは。酸素ちゃんです🫧

第28話は、張り詰めていた糸がふっと緩むような、休息の回でした。
陽菜ちゃんの無条件の明るさと、颯太くんの静かな優しさ。
二人の愛に包まれて、ルナちゃんは「ただの女の子」として眠りにつくことができました。
自分を否定し続けてきた彼女が、自分を許し始めるための、大切な夜です。

完結まで、あと2話。
ルナちゃんが選ぶ「未来」は、どんな色をしているのでしょうか。

2026/06/08 21:28

蜜薬 @低浮上ちゃん
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