閲覧前に必ずご確認ください

※この物語は、少し心が「チクッ」とするような、重め・病み系の描写が含まれます。
※キャラクターが精神的に落ち込んでいくシーンがありますが、最終的にはハッピーエンドに向かいますので、最後まで見守っていただけると嬉しいです。
※「愛」を求める過程で、少し大人びた表現や、ピュアなだけではない描写が入る可能性があります。苦手な方はご注意ください。

「最後には、必ず幸せな光を見せます。」

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壊れたドールは、愛の温度を知りたい

#27

第27話:壊れたドールの反逆

朝焼けが街をオレンジ色に染める頃、私は颯太くんと一緒に、昨日逃げ出したあの家の前に立っていた。
足が震える。喉の奥がヒリつく。
でも、隣を見れば、彼が力強く私の手を握ってくれている。

「……、……大丈夫。……、……、……一人じゃないから」

自分に言い聞かせるように呟いて、私は鍵を開けた。
リビングには、一晩中眠らずに待っていたらしいお母さんが、鬼のような形相で座っていた。

「……帰ってきたのね。その格好、その顔……本当に恥ずかしくないの? どこで誰と何をしていたか……」

お母さんの言葉が、いつものように私を刺しに来る。
でも、今の私には、その言葉を跳ね返すための「盾」がある。

「……、……お母さん。……、……、……もう、やめて」

私は震える声で、でもハッキリと遮った。
お母さんが驚いたように目を見開く。

「……私は、お母さんの人形じゃない。……、……、……壊れてても、変な服を着てても、これが私。……お母さんが愛してくれなくても、……私は、この私で生きていくって決めたから」

「何を言ってるの! あなたのためを思って……!」

「私のために、私の宝物を引きちぎらないで! 私のために、私の友達を否定しないで!」

私の叫びに、お母さんは一瞬、怯んだように黙り込んだ。
隣で颯太くんが、静かに一歩前に出る。

「……お母さん。ルナさんは、一人で頑張って、自分の居場所を見つけたんです。それを壊す権利は、誰にもありません」

部屋には沈黙が流れる。
お母さんはまだ納得したわけじゃない。でも、私の目はもう、お母さんの機嫌を伺うための「ドールの目」じゃなかった。

私はそのまま自分の部屋に入り、大切に隠していた予備の服と、ボロボロになったプリクラのシールを掴んだ。
お母さんとの戦いは、まだ終わらないかもしれない。
でも、私は初めて、自分の人生のハンドルを握った気がした。

作者メッセージ

皆様、こんにちは。酸素ちゃんです🫧

第27話、ルナちゃんがついに「自分の言葉」でお母さんに立ち向かいました。
愛されたいという願いを捨てたわけではないけれど、それ以上に「自分でありたい」と願う強さ。
颯太くんの支えを糧にして、彼女は「お母さんの娘」から「一人のルナ」へと生まれ変わろうとしています。

完結まであと3話。
ルナちゃんが選ぶ、本当の「ハッピーエンド」とは何なのか。
最後まで目が離せません!

2026/06/08 21:28

蜜薬 @低浮上ちゃん
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