閲覧前に必ずご確認ください

※この物語は、少し心が「チクッ」とするような、重め・病み系の描写が含まれます。
※キャラクターが精神的に落ち込んでいくシーンがありますが、最終的にはハッピーエンドに向かいますので、最後まで見守っていただけると嬉しいです。
※「愛」を求める過程で、少し大人びた表現や、ピュアなだけではない描写が入る可能性があります。苦手な方はご注意ください。

「最後には、必ず幸せな光を見せます。」

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壊れたドールは、愛の温度を知りたい

#24

第24話:鏡の中の、知らない誰か

玄関のドアを開けた瞬間、冷たい空気が肌を撫でた。
リビングに座るお母さんの背中が見える。振り返ったその目は、蔑みと失望に満ちていた。

「……その格好、何。近所の人に見られたらどうするの? 私がどれだけあなたを立派に育てようとしているか、少しは考えなさい」

「……、……、……私の、……勝手でしょ」

震える声で反論したけれど、お母さんは立ち上がり、私の腕を強く掴んだ。絆創膏が貼られたその腕を。

「勝手なのは、あなたの方よ! こんな汚い服、今すぐ脱ぎなさい。顔のその不気味な色も全部落として! 私の娘が、こんな化け物みたいな姿でいるなんて許さない!」

お母さんはクローゼットから、私が大切に貯金して買った黒いワンピースを引っ張り出した。
「やめて!」という叫びも虚しく、そのレースは無慈悲な音を立てて引きちぎられる。

「……、……あ……」

床に散らばる、黒い布切れ。
それは私の一部だった。私が私でいるための、たった一つの武装だった。

洗面所に突き飛ばされ、冷たい水で無理やり顔を洗われる。
真っ赤なアイシャドウが、どろどろと黒い涙のように流れ落ちていく。
鏡の中にいたのは、武装を解かれ、血の気のない顔をした、ただの「空っぽな人形」だった。

部屋に逃げ込み、鍵をかける。
暗闇の中、枕の下からスマホを取り出した。
画面には、颯太くんからの着信履歴と、陽菜ちゃんからの『今日は最高だったね!』という能天気なメッセージ。

「……、……、……助けて……」

声にならない声が、唇から漏れる。
お母さんの言う通り、私は化け物なの?
それとも、この暗闇の中にいる私こそが、本当の私なの?

散らばったワンピースの死骸のように、私の心は粉々に砕け散っていた。

作者メッセージ

皆様、こんにちは。酸素ちゃんです🫧

第24話、あまりにも辛い展開になってしまいました。
ルナちゃんの大切な居場所と「自分らしさ」が、お母さんの手によって無残に壊されてしまいます。
物理的な服だけでなく、彼女の心の拠り所までもが否定された瞬間。

どん底まで突き落とされた彼女に、光は届くのでしょうか。
残り6話。ルナちゃんが本当の自分を取り戻すための、最後の戦いが始まります。

2026/06/05 18:54

蜜薬 @文字化け気味
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