閲覧前に必ずご確認ください

※この物語は、少し心が「チクッ」とするような、重め・病み系の描写が含まれます。
※キャラクターが精神的に落ち込んでいくシーンがありますが、最終的にはハッピーエンドに向かいますので、最後まで見守っていただけると嬉しいです。
※「愛」を求める過程で、少し大人びた表現や、ピュアなだけではない描写が入る可能性があります。苦手な方はご注意ください。

「最後には、必ず幸せな光を見せます。」

文字サイズ変更

壊れたドールは、愛の温度を知りたい

#23

第23話:夕闇のバイブレーション

「今日は本当にありがとうございました! ルナさん、颯太くん、また絶対遊びましょうね!」

夕闇に染まり始めた原宿の駅前で、陽菜ちゃんが名残惜しそうに大きく手を振って改札へ消えていく。
残されたのは、私と颯太くんの二人。
さっきまでの賑やかさが嘘みたいに、急に静かになった空気が、少しだけくすぐったい。

「……、……、……楽しかったね、ルナさん」
「……、……、……まあ。……、……、……死ぬほど疲れたけど」

本当は、心臓がまだドキドキしている。
バッグの底に隠したプリクラのシールが、私の宝物になった。
このまま、この穏やかな時間がずっと続けばいいのに。

そう思った瞬間、ポケットの中でスマホが震えた。
グループトークの通知じゃない。重くて、執拗な、長く続くバイブレーション。

画面を見ると、そこには『お母さん』の文字。
そして、追いかけるように届く数件のメッセージ。

『どこにいるの?』
『夕食の時間よ。早く帰りなさい』
『そんな格好で出歩いて、誰に見られたか分かってるの? 恥ずかしくて外も歩けないわ』

魔法が、解けていく。
指先が急激に冷たくなり、さっきまであんなに誇らしかった黒いレースのワンピースが、急に「惨めなコスプレ」に見えてくる。

「……、……あ。……、……帰らなきゃ」

私の顔色が変わったのに気づいたのか、颯太くんが心配そうに顔を覗き込んできた。

「ルナさん……? 大丈夫? 何かあったの?」
「……、……、……何でもない。……、……、……あんたには、関係ないから」

突き放すような言葉を吐いて、私は逃げるように背を向けた。
せっかくのハッピーな思い出が、お母さんの言葉一つで塗りつぶされていく。

「待って、ルナさん!」

後ろから呼ぶ颯太くんの声を振り切って、私は暗い夜の底へ、私の「檻」へと走り出した。
心の中で、何度も自分に言い聞かせる。
……ドールが幸せを願うなんて、やっぱり間違いだったんだって。

作者メッセージ

皆様、こんにちは。酸素ちゃんです🫧

第23話、最高な時間の終わりは、あまりにも残酷な現実の再来でした。
お母さんからの連絡一つで、ルナちゃんの自己肯定感は一気に崩れ去ってしまいます。
「あんたには関係ない」という言葉は、颯太くんを傷つけたいわけではなく、これ以上彼に醜い自分を見せたくないという、彼女なりの防衛本能なのかもしれません。

ここから、物語は最終決戦へと向かっていきます。

2026/06/02 07:30

蜜薬 @文字化け気味
ID:≫ .1qWrS8rlgVRw
コメント

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権は蜜薬 @文字化け気味さんに帰属します

TOP