閲覧前に必ずご確認ください

※この物語は、少し心が「チクッ」とするような、重め・病み系の描写が含まれます。
※キャラクターが精神的に落ち込んでいくシーンがありますが、最終的にはハッピーエンドに向かいますので、最後まで見守っていただけると嬉しいです。
※「愛」を求める過程で、少し大人びた表現や、ピュアなだけではない描写が入る可能性があります。苦手な方はご注意ください。

「最後には、必ず幸せな光を見せます。」

文字サイズ変更

壊れたドールは、愛の温度を知りたい

#16

第16話:溶けゆくアイス、解ける心

ショップを出ると、夕暮れ時の街角に、見覚えのある背中が立っていた。
スマホをいじりながら誰かを待っているような、その独特の真っ直ぐな空気感。

「……、……、……あ。……なんで、ここに」

私の声に、颯太くんが顔を上げる。
彼は私と、私の隣で楽しそうに笑う陽菜ちゃんを見て、少しだけ目尻を下げた。

「あ、ルナさん。……陽菜さんも。……買い物、終わった?」
「颯太くん! 見てください、ルナさんが選んだリボン、すっごく可愛いんですよ!」

陽菜ちゃんが自分のことみたいに自慢げに言う。
私は居心地が悪くなって、新しくつけた黒いリボンの端を指先でいじった。
……変だって言われたら、その瞬間に毟り取って捨ててやる。そう思っていたのに。

「……うん、本当だ。……やっぱり、ルナさんは黒が似合うね。すごく綺麗だ」

……また、そうやって真っ直ぐに言う。
バカじゃないの。
でも、その言葉が私の胸の奥にスッと染み込んで、トゲトゲしていた気持ちを丸く削っていく。

「……、……うるさい。……、……、……喉乾いた。……なんか、冷たいの食べたい」

照れ隠しに吐いた言葉に、二人が顔を見合わせて笑った。
近くの公園のベンチで、3人並んで座って食べるアイス。
陽菜ちゃんは期間限定の派手なパフェ風、颯太くんはシンプルなバニラ、そして私は、少し苦いチョコミント。

「……、……甘い。……、……でも、……悪くない」

アイスが舌の上で溶けていくみたいに、私を縛っていた冷たい何かが、少しずつ解けていく。
家の中のあの静寂も、お母さんの空っぽな言葉も、今は遠い世界の出来事のように思えた。

隣で笑う陽菜ちゃんと、穏やかに相槌を打つ颯太くん。
この時間がずっと続けばいいのに。
……なんて、ドールが願うことじゃないのにね。

作者メッセージ

皆様、こんにちは。酸素ちゃんです🫧

第16話は、3人の穏やかな放課後のひとときでした。
お母さんの人形としてではなく、一人の女の子として笑い、アイスを食べる。
そんな当たり前の幸せが、今のルナちゃんにとっては、何よりも大切な「盾」になります。

3人の間に流れるこの優しい空気。
これからの物語にどう影響していくのか、温かく見守ってください。

2026/05/10 18:55

蜜薬 @文字化け気味
ID:≫ .1qWrS8rlgVRw
コメント

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権は蜜薬 @文字化け気味さんに帰属します

TOP