閲覧前に必ずご確認ください

※この物語は、少し心が「チクッ」とするような、重め・病み系の描写が含まれます。
※キャラクターが精神的に落ち込んでいくシーンがありますが、最終的にはハッピーエンドに向かいますので、最後まで見守っていただけると嬉しいです。
※「愛」を求める過程で、少し大人びた表現や、ピュアなだけではない描写が入る可能性があります。苦手な方はご注意ください。

「最後には、必ず幸せな光を見せます。」

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壊れたドールは、愛の温度を知りたい

#13

第13話:五千円の免罪符、歪んだ贈り物

夜の冷たい空気の中、私は握りしめた五千円札を見つめていた。
「これで遊んでこい」って言われたお金。体よく追い出された証拠。
……普通なら、やけ食いしたり、欲しかったコスメを買ったりするんだろうな。

でも、私の足が向かったのは、駅ビルの中にある上品な雑貨屋だった。

「……、……、……バカみたい。本当、バカだ」

口ではそう言いながら、棚に並ぶ綺麗なスカーフや、落ち着いたデザインのハンカチを眺める。
お母さんが好きそうな、派手じゃない、清楚で「まとも」なもの。
これを渡したら、少しは私の顔を見てくれるかな?
「ありがとう」って、一言だけでも言ってくれるかな?

「……、……これ、……ラッピング、お願いします」

店員さんに五千円札を差し出す。
お釣りの小銭と一緒に受け取った小さな箱は、驚くほど軽かった。
私の全存在をかけて絞り出した「嫌いにならないで」という叫びが、この箱の中に詰まっている。

「……、……似合わないこと、して……」

帰り道、丁寧に包まれた箱をバッグの奥に隠す。
颯太くんや陽菜ちゃんが見たら、なんて言うだろう。
「そんな親、放っておきなよ」って言うのかな。
でも、私にはまだ、この鎖を断ち切る勇気なんてなかった。

五千円で買った、お母さんへの免罪符。
それが、私をさらに深い孤独へ引きずり込むことになるとも知らずに、私はただ、一筋の希望を抱いて家路を急いだ。

作者メッセージ

皆様、こんにちは。酸素ちゃんです。

第13話は、ルナちゃんの痛々しいほどの「健気さ」を描きました。
自分を否定した母親から渡されたお金で、その母親へのプレゼントを買う……。
歪んでいるけれど、それがルナちゃんにとっての精一杯の愛の形なんです。

この贈り物が、二人の関係をどう変えるのか。
それとも、さらに残酷な結末が待っているのか。
ルナちゃんの震える手を見守っていただければと思います。

2026/04/29 19:02

蜜薬 @文字化け気味
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