閲覧前に必ずご確認ください

※この物語は、少し心が「チクッ」とするような、重め・病み系の描写が含まれます。
※キャラクターが精神的に落ち込んでいくシーンがありますが、最終的にはハッピーエンドに向かいますので、最後まで見守っていただけると嬉しいです。
※「愛」を求める過程で、少し大人びた表現や、ピュアなだけではない描写が入る可能性があります。苦手な方はご注意ください。

「最後には、必ず幸せな光を見せます。」

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壊れたドールは、愛の温度を知りたい

#11

第11話:壊れたドールの作り方

昔の私は、今の私を見たらなんて言うだろう。
フリルも、黒いレースも、厚い化粧も知らなかった頃。私はただ、お母さんの「自慢の娘」でいたかった。

「ルナはいい子ね。お母さんの言うこと、全部聞いてくれるもの」

それが呪いの始まりだった。
テストの点数、習い事、着る服、友達。すべてをお母さんの「正解」に合わせるのが私の役割だった。私はお母さんを飾るための、一番お気に入りの人形だったんだ。

でも、中学に上がった頃、少しずつ人形の糸が解け始めた。
自我が芽生え、お母さんの「正解」から外れた瞬間、溢れるほどの愛情は一転して、鋭い刃物になった。

「どうして裏切るの? あなたのために、これだけ尽くしてあげたのに」

否定される毎日。私の居場所は家の中から消えた。
学校でも、お母さんの顔色を伺って生きてきたせいで、周りとの溝は埋められないほど深くなっていた。

「……、……、……なら、もういいよ」

全部、壊してしまおうと思った。
お母さんが嫌がる格好をして、お母さんが嫌う言葉を吐いて。そうやって自分を「汚す」ことでしか、私は私を守れなかった。
絆創膏が増えていったのは、心の痛みを体の痛みに置き換えて、なんとか正気を保つため。

ドールは、壊れているからこそ美しい。
中身なんて空っぽでいい。傷だらけの自分を、黒い衣装という名の包帯でぐるぐる巻きにして、私は今日まで生き延びてきたんだ。

「……、……、……、……バカみたい」

冷たい部屋で、私は鏡の中の自分を嘲笑う。
こんな歪んだ過去に縛られている私に、陽菜ちゃんの明るさや、颯太くんの温かさは、あまりにも眩しすぎて毒になる。

壊れたドールに、触れないで。
これ以上優しくされたら、本当の私が、泣き叫んで壊れてしまうから。

作者メッセージ

皆様、こんにちは。酸素ちゃんです。

第11話は、ルナちゃんの過去回でした。
「毒親」という言葉では片付けられないほど、支配と否定の中で育ってきた彼女。
今の地雷系のファッションは、彼女にとっての「反抗」であり、唯一の「自分を守る鎧」でもあります。

誰かに愛されたいという本音を押し殺し、わざと嫌われるように振る舞うルナちゃん。
そんな彼女の過去を知らない颯太くんや陽菜ちゃんが、今後どう関わっていくのか……。

物語は、ここからさらに深く動いていきます。

2026/04/24 17:52

蜜薬 @文字化け気味
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