閲覧前に必ずご確認ください

※この物語は、少し心が「チクッ」とするような、重め・病み系の描写が含まれます。
※キャラクターが精神的に落ち込んでいくシーンがありますが、最終的にはハッピーエンドに向かいますので、最後まで見守っていただけると嬉しいです。
※「愛」を求める過程で、少し大人びた表現や、ピュアなだけではない描写が入る可能性があります。苦手な方はご注意ください。

「最後には、必ず幸せな光を見せます。」

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壊れたドールは、愛の温度を知りたい

#10

第10話:日向の誘い、影の枷

「私、陽菜っていいます!太陽の陽に、菜の花の菜。もしよかったら、これ……」

差し出されたスマホの画面。陽菜ちゃんというその子は、その名前の通り、ポカポカとした日向のような笑顔を浮かべていた。
私みたいな地雷系とは正反対の明るい名前。でも、彼女が大切にしている「好き」の熱量は本物だ。

私は少し迷ってから、自分のスマホを取り出した。颯太くん以外の連絡先が増えるのは、いつ以来だろう。

「……交換くらいなら、いいよ。でも、私、返信遅いから」
「全然大丈夫です!繋がれるだけで嬉しいから。ルナさん、これからよろしくお願いしますね!」

陽菜ちゃんと別れた後、スマホの画面に新しく追加された名前を見つめる。
少しだけ、胸の奥が軽くなったような気がした。

けれど、そんな小さな幸せは、玄関のドアを開けた瞬間に音を立てて崩れ去った。

「遅かったわね。……それと、さっき近所の人から聞いたわよ。あんな派手な子と駅前でヘラヘラ話してたんですって?」

リビングにいた母親が、氷のような声で私を射抜いた。
「ヘラヘラ」なんてしていない。ただ、少しだけ、普通に話をしていただけなのに。

「まともな友達も選べないの? あなたのせいで、私の顔まで泥を塗られる身にもなってちょうだい。あんな格好してる子と付き合うのは、もうやめなさい」

心臓の奥が、ぎゅっと冷たくなる。
……お母さんには関係ない。そう言い返したかったけれど、声は喉に張り付いて出てこない。

部屋に逃げ込み、ドアに背を預けてずるずると座り込んだ。
陽菜ちゃんから届いた「今日はありがとう!」という通知が、今の私にはあまりにも眩しすぎて、直視できなかった。

せっかく見つけた日向が、また影に飲み込まれていく。
私は震える手で、また腕の絆創膏を強く押さえつけた。

作者メッセージ

皆様、こんにちは。酸素ちゃんです🐾

第10話は、新しい友達「陽菜ちゃん」との出会いと、それすらも否定してくる母親との葛藤でした。
ルナちゃんが外で少しずつ「自分」を取り戻そうとするたびに、家という檻が彼女を締め付けてきます。

陽菜ちゃんという「日向」のような存在が、これからのルナちゃんにとってどんな意味を持っていくのか。
苦しい状況が続きますが、彼女の小さな変化を見守ってください。

2026/04/23 18:51

蜜薬 @文字化け気味
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