閲覧前に必ずご確認ください

※この物語は、少し心が「チクッ」とするような、重め・病み系の描写が含まれます。
※キャラクターが精神的に落ち込んでいくシーンがありますが、最終的にはハッピーエンドに向かいますので、最後まで見守っていただけると嬉しいです。
※「愛」を求める過程で、少し大人びた表現や、ピュアなだけではない描写が入る可能性があります。苦手な方はご注意ください。

「最後には、必ず幸せな光を見せます。」

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壊れたドールは、愛の温度を知りたい

#9

第9話:同じ色の、誰か

昼休み。私はいつものように、校舎の隅にあるベンチで一人、イヤホンを深く押し込んでいた。
けれど、視界の端にフリルが揺れた気がして、私は警戒するように顔を上げた。

「あの、……そのリボン、どこのブランドですか?」

そこにいたのは、同じ学年の女子だった。
彼女もまた、淡いピンクと白で統一された「量産型」の格好をしている。私のような黒一色の「地雷系」とは対照的だけど、根底にあるこだわりは同じだと、一目でわかった。

「……、……、……別に。……通販。……、……、……私に話しかけて、楽しいことなんてないよ」

冷たく突き放したつもりだったけれど、彼女は怯むことなく、私の隣にちょこんと座った。

「可愛いものに、地雷も量産もないですよ。……私、ルナさんのこと、ずっとかっこいいなって思ってたんです。自分を貫いてて」

貫いてる、なんて。
私はただ、これがないと怖くて外に出られないだけなのに。
でも、彼女の真っ直ぐな、少しだけ私と似た熱量を含んだ瞳を見ていたら、喉の奥に詰まっていた棘が、少しだけ丸くなった。

「……、……これ、……限定のやつ。……、……、……アンクルージュ」
「やっぱり! 羨ましいな。それ、即完売だったやつですよね」

彼女がパッと顔を輝かせる。
クラスの「普通」の人たちとは違う、ブランド名や好みの共有。
颯太くんに容姿を褒められた時とはまた別の、自分の「武装」を理解された安心感が、冷え切った胸の中に小さな火を灯した。

「……、……、……まあ、……見る目だけはあるんじゃない」

私はわざとそっぽを向いて、少しだけ、本当に少しだけ口角を上げた。
絆創膏だらけの腕はまだ痛むけれど、世界には、私の「好き」を笑わない人間が、他にもいるのかもしれない。

ほんの少しだけ緩んだ心。
それは、真っ暗な檻の中で、小さな窓を見つけたような感覚だった。

作者メッセージ

皆様、こんにちは。酸素ちゃんです🐾

第9話は、ルナちゃんが初めて「友達」の入り口に立つお話でした。
異性である颯太くんからの肯定だけでなく、同性からの「好き」への共感。
少しずつ、彼女の世界に色が戻り始めています。

もちろん、ルナちゃんですから素直に「友達になって」なんて言えませんが……。笑
少しずつ解けていく彼女の心に、これからも寄り添ってください。

2026/04/23 07:11

酸素ちゃん
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