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本作は全年齢対象の創作BLです。
攻めから受けへの一方的な(?)溺愛を含みますが、ヤンデレ、監禁、執着、共依存などの暗い要素は一切ありません。
終始ハッピーで平和な、光の属性の物語です。
「……おい、バカ犬。ここ、さっきも間違えてただろうが」
放課後の誰もいない教室に、律くんの低くて冷たい声が響く。
夕日が差し込む窓際で、僕たちは机を並べて座っていた。……正確には、僕が律くんにお願いして、無理やり勉強を教えてもらっているんだけど。
「ううっ、ごめん律くん……。なんか、数字が迷子になっちゃって……」
「迷子になってるのはお前の脳みそだろ。ほら、ペンを動かせ。止まるな」
律くんは手に持ったシャーペンで、僕のノートの余白をトントンと叩く。
その指先が、僕の手に触れそうなほど近い。……それだけで、僕の心臓はテストのカウントダウンみたいにバクバク鳴り響いて、余計に計算どころじゃなくなってしまう。
「ねえ律くん。僕、赤点回避できたら、ご褒美にまたメロンパン買ってきてもいい?」
「死ね。……ご褒美になってねーよ。そんなことより、この問題を解け。あと五分以内に終わらなかったら、明日から口をきかないからな」
「ええっ!? それは困る! やる、僕やるよ!」
慌ててノートに向き直る。
律くんの教え方は、びっくりするくらいスパルタだ。
「なんでできないんだ」「やる気あんのか」って、飛んでくる言葉はトゲだらけ。
だけど。
律くんが僕のために用意してくれた自作のプリントは、すごく字が綺麗で、僕が苦手なところが全部まとまっていて。
彼が時折吐き出すため息の合間に、「……ここは、こう考えればいいんだよ」って、本当はすごく分かりやすいヒントを混ぜてくれることを、僕はちゃんと知っている。
「……できた! 律くん、見て!」
「……。……フン、正解だ。やっと一問かよ。お前の脳みそ、本当に効率悪いな」
律くんはわざとらしく鼻で笑って、ぷいっと窓の外を向いた。
でも、プリントを受け取る時に一瞬だけ見えた彼の横顔は、なんだか少しだけ、満足そうに見えたんだ。
「律くん、大好き! やっぱり律くんは、世界一の先生だね!」
「……うるせーよ。近寄んな。……あと、さっきからしっぽ振るな。風が当たって寒いだろ」
「えへへ、振ってないよぉ」
実際にはしっぽなんて生えてないけど、僕の心の中では、もうちぎれんばかりにぶんぶん振れちゃってる。
律くんのツンは、今日も高くて厚い壁みたいだけど。
その壁の向こう側にある、ほんの少しの体温を、僕は絶対に逃さないんだ。
放課後の誰もいない教室に、律くんの低くて冷たい声が響く。
夕日が差し込む窓際で、僕たちは机を並べて座っていた。……正確には、僕が律くんにお願いして、無理やり勉強を教えてもらっているんだけど。
「ううっ、ごめん律くん……。なんか、数字が迷子になっちゃって……」
「迷子になってるのはお前の脳みそだろ。ほら、ペンを動かせ。止まるな」
律くんは手に持ったシャーペンで、僕のノートの余白をトントンと叩く。
その指先が、僕の手に触れそうなほど近い。……それだけで、僕の心臓はテストのカウントダウンみたいにバクバク鳴り響いて、余計に計算どころじゃなくなってしまう。
「ねえ律くん。僕、赤点回避できたら、ご褒美にまたメロンパン買ってきてもいい?」
「死ね。……ご褒美になってねーよ。そんなことより、この問題を解け。あと五分以内に終わらなかったら、明日から口をきかないからな」
「ええっ!? それは困る! やる、僕やるよ!」
慌ててノートに向き直る。
律くんの教え方は、びっくりするくらいスパルタだ。
「なんでできないんだ」「やる気あんのか」って、飛んでくる言葉はトゲだらけ。
だけど。
律くんが僕のために用意してくれた自作のプリントは、すごく字が綺麗で、僕が苦手なところが全部まとまっていて。
彼が時折吐き出すため息の合間に、「……ここは、こう考えればいいんだよ」って、本当はすごく分かりやすいヒントを混ぜてくれることを、僕はちゃんと知っている。
「……できた! 律くん、見て!」
「……。……フン、正解だ。やっと一問かよ。お前の脳みそ、本当に効率悪いな」
律くんはわざとらしく鼻で笑って、ぷいっと窓の外を向いた。
でも、プリントを受け取る時に一瞬だけ見えた彼の横顔は、なんだか少しだけ、満足そうに見えたんだ。
「律くん、大好き! やっぱり律くんは、世界一の先生だね!」
「……うるせーよ。近寄んな。……あと、さっきからしっぽ振るな。風が当たって寒いだろ」
「えへへ、振ってないよぉ」
実際にはしっぽなんて生えてないけど、僕の心の中では、もうちぎれんばかりにぶんぶん振れちゃってる。
律くんのツンは、今日も高くて厚い壁みたいだけど。
その壁の向こう側にある、ほんの少しの体温を、僕は絶対に逃さないんだ。
- 1.第1話:雨上がりに、君を見つけた
- 2.第2話:昨日のお礼は、ぶっきらぼうに。
- 3.第3話:没収された「大好き」の行方
- 4.第4話:メロンパンと、大型犬の忠誠心。
- 5.第5話:赤点回避の、スパルタ教育。
- 6.第6話:合格点と、ご褒美の甘い罠。
- 7.第7話:封印された二文字
- 8.第8話:嵐を呼ぶ、ひまわりのようなあいつ
- 9.第9話:バカにしないで、ちゃんと聞いて。
- 10.第10話:一週間、……お試しだぞ。
- 11.第11話:お試し1日目、心臓がもたない。
- 12.第12話:失くしてなかった、宝物。
- 13.第13話:眼鏡の奥の、本当の熱。
- 14.第14話:雨の音と、重なる鼓動。
- 15.第15話:朝の光と、お花の抱っこ。
- 16.第16話:朝食後の、0センチメートル。
- 17.第17話:泣き出しそうな君を、包み込む。
- 18.第18話:最強の姉、現る。
- 19.第19話:五本の指、重なる温度。
- 20.第20話:一週間なんて、待てない。
- 21.第21話:本当の恋人、1日目。
- 22.第22話:瞳に映る、一番好きな人。
- 23.第23話:0.5秒の、誓い。
- 24.第24話:姉の勘は、世界一。
- 25.第25話:不器用な、お返し。
- 26.第26話:フードの中の、秘密。
- 27.第27話:レンズ越しより、近い距離。
- 28.第28話:最強の刺客、現る。
- 29.第29話:ちいさな情報屋。
- 30.第30話:無防備な、もぐもぐタイム。
- 31.第31話:不器用な逆襲。
- 32.第32話:敗者の特権。
- 33.第33話:二度目の宣戦布告。