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本作は全年齢対象の創作BLです。

攻めから受けへの一方的な(?)溺愛を含みますが、ヤンデレ、監禁、執着、共依存などの暗い要素は一切ありません。

終始ハッピーで平和な、光の属性の物語です。

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しっぽを振るのは、君の前だけ

#5

第5話:赤点回避の、スパルタ教育。

「……おい、バカ犬。ここ、さっきも間違えてただろうが」

放課後の誰もいない教室に、律くんの低くて冷たい声が響く。
夕日が差し込む窓際で、僕たちは机を並べて座っていた。……正確には、僕が律くんにお願いして、無理やり勉強を教えてもらっているんだけど。

「ううっ、ごめん律くん……。なんか、数字が迷子になっちゃって……」

「迷子になってるのはお前の脳みそだろ。ほら、ペンを動かせ。止まるな」

律くんは手に持ったシャーペンで、僕のノートの余白をトントンと叩く。
その指先が、僕の手に触れそうなほど近い。……それだけで、僕の心臓はテストのカウントダウンみたいにバクバク鳴り響いて、余計に計算どころじゃなくなってしまう。

「ねえ律くん。僕、赤点回避できたら、ご褒美にまたメロンパン買ってきてもいい?」

「死ね。……ご褒美になってねーよ。そんなことより、この問題を解け。あと五分以内に終わらなかったら、明日から口をきかないからな」

「ええっ!? それは困る! やる、僕やるよ!」

慌ててノートに向き直る。
律くんの教え方は、びっくりするくらいスパルタだ。
「なんでできないんだ」「やる気あんのか」って、飛んでくる言葉はトゲだらけ。

だけど。
律くんが僕のために用意してくれた自作のプリントは、すごく字が綺麗で、僕が苦手なところが全部まとまっていて。
彼が時折吐き出すため息の合間に、「……ここは、こう考えればいいんだよ」って、本当はすごく分かりやすいヒントを混ぜてくれることを、僕はちゃんと知っている。

「……できた! 律くん、見て!」

「……。……フン、正解だ。やっと一問かよ。お前の脳みそ、本当に効率悪いな」

律くんはわざとらしく鼻で笑って、ぷいっと窓の外を向いた。
でも、プリントを受け取る時に一瞬だけ見えた彼の横顔は、なんだか少しだけ、満足そうに見えたんだ。

「律くん、大好き! やっぱり律くんは、世界一の先生だね!」

「……うるせーよ。近寄んな。……あと、さっきからしっぽ振るな。風が当たって寒いだろ」

「えへへ、振ってないよぉ」

実際にはしっぽなんて生えてないけど、僕の心の中では、もうちぎれんばかりにぶんぶん振れちゃってる。

律くんのツンは、今日も高くて厚い壁みたいだけど。
その壁の向こう側にある、ほんの少しの体温を、僕は絶対に逃さないんだ。
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作者メッセージ

5話目です!酸素ちゃんです🐾

律くんの言葉はトゲトゲですが、実は千尋のためにわざわざプリントまで作ってきてくれる、不器用な優しさが詰まった回になりました。

律くんの鉄壁のツンが崩れる日は来るのか……?
千尋と一緒に、ゆっくり追いかけていきたいと思います!

2026/02/18 15:50

酸素ちゃん
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