閲覧前に必ずご確認ください

※この物語は、少し心が「チクッ」とするような、重め・病み系の描写が含まれます。
※キャラクターが精神的に落ち込んでいくシーンがありますが、最終的にはハッピーエンドに向かいますので、最後まで見守っていただけると嬉しいです。
※「愛」を求める過程で、少し大人びた表現や、ピュアなだけではない描写が入る可能性があります。苦手な方はご注意ください。

「最後には、必ず幸せな光を見せます。」

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壊れたドールは、愛の温度を知りたい

#6

第6話:鍵をかけた檻の中で

「……ただいま」

返事なんて期待していない。
玄関を開けると、鼻を突くアルコールの匂いと、冷え切った空気。
リビングからは苛立ったような足音が聞こえてくる。

「またそんな格好して。……恥ずかしくないの? 近所の目もあるんだから、まともな服を着なさいって言ってるでしょ」

顔も見ずに放たれる、母親の無機質な言葉。
「まとも」って何。
みんなと同じように笑って、みんなと同じように自分を殺して、そうすれば満足なの?

「……、……うるさい。……触らないで」

伸ばされかけた手を振り払い、私は逃げるように自分の部屋に飛び込んだ。
カチャリ、と鍵をかける。ここだけが、私の唯一の聖域。

ベッドに倒れ込み、厚いメイクを落とす気力もないまま、バッグの奥からスマホを取り出した。
通知センターには、さっきの颯太くんからのメッセージが残ったままだ。

【今日は風邪引かないようにね】

「……、……、……バカみたい」

家の中にいるのに、外の雨よりもずっと寒い。
家族なのに、他人よりも遠い。
画面から漏れる青白い光が、私の暗い部屋を薄く照らしている。

返信なんてしない。関われば、きっとこの人も私を「まともじゃない」と切り捨てる日が来る。
そう分かっているのに、私はその短い一文を、何度も何度もなぞっていた。

夜は、まだ始まったばかりだった。

作者メッセージ

皆様、こんにちは。酸素ちゃんです。

第6話は、ルナちゃんの家庭環境を少しだけ覗く回でした。
学校での孤立だけでなく、家でも「自分」を否定されてしまうルナちゃん。
彼女がなぜ「ドール」として武装し、心を閉ざしてしまったのか……。
そんな彼女のスマホに届いた颯太くんの言葉は、呪いのように彼女を縛るのか、それとも救いになるのか。

重い夜を越えていく彼女を、どうか静かに見守ってください。

2026/04/20 18:03

酸素ちゃん
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