閲覧前に必ずご確認ください

本作は全年齢対象の創作BLです。

攻めから受けへの一方的な(?)溺愛を含みますが、ヤンデレ、監禁、執着、共依存などの暗い要素は一切ありません。

終始ハッピーで平和な、光の属性の物語です。

文字サイズ変更

しっぽを振るのは、君の前だけ

#42

第42話:不確かな未来と、確かな体温

千尋に「律くんの匂いがする」なんて言われてから、授業の内容なんて一つも頭に入ってこなかった。
ノートの端っこに意味のない線を引いては消して、また引いて。

「……、……、……バカ千尋。……変態」

小声で毒を吐いてみるけれど、自分の顔が熱いのは誤魔化せない。
放課後、誰もいない教室。窓の外では、少しずつ春の気配を孕んだ風が吹いている。
僕たちは、進路希望調査の紙を前にして、並んで座っていた。

「律くん、進路……どうするの?」
「……、……別に。……適当。……、……、……お前は」
「僕はね、律くんと同じところがいいな」

千尋はさらりと、とんでもないことを言う。
椅子を少しだけ僕の方に寄せて、覗き込むように笑う。

「……ッ、……お前、……バカだろ。……成績、……全然違うのに」
「だって、離れたくないんだもん。……卒業しても、ずっと一緒にいたいって言ったら、律くんは怒る?」

千尋の瞳が、いつもより真剣で、真っ直ぐに僕を射抜く。
「ずっと」なんて、子供みたいな約束だ。
でも、その言葉が今の僕には、どんな宝石よりも綺麗に見えてしまった。

「……、……怒る。……不潔だし。……、……、……しつこいし」

僕はそう言って、わざとそっぽを向いた。
けれど、机の下で、千尋の指先が僕の手にそっと触れる。
振り払うこともできたはずなのに、僕はその熱を拒めなかった。

「……、……でも、……離れるなんて、……言ってねーだろ」

蚊の鳴くような声。
それでも千尋には届いたみたいで、「あはは、そうだね」と嬉しそうな声が返ってきた。
50話で待っている「最高の結末」まで、あと少し。
僕たちはまだ、その未来の大きさを知らないまま、ただ繋がれた体温だけを信じていた。
ページ選択

作者メッセージ

皆様、こんにちは!酸素ちゃんです🫧

第42話は、少し真面目な進路のお話でした🐾
「ずっと一緒にいたい」という千尋くんのストレートな言葉に、律くんなりの精一杯の返事……。
不器用な二人の距離が、少しずつ「今」から「未来」へと動き出しています。

完結の50話まで、あと8話。
二人の幸せなゴールを、どうか最後まで見届けてくださいね💍✨

2026/04/17 06:03

蜜薬
ID:≫ .1qWrS8rlgVRw
コメント

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権は蜜薬さんに帰属します

TOP