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本作は全年齢対象の創作BLです。

攻めから受けへの一方的な(?)溺愛を含みますが、ヤンデレ、監禁、執着、共依存などの暗い要素は一切ありません。

終始ハッピーで平和な、光の属性の物語です。

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しっぽを振るのは、君の前だけ

#38

第38話:熱が引かない放課後

「……っ、……、……」

図書室の机に突っ伏したまま、律は動こうとしない。
さっきまで千尋の指が触れていた耳の付け根が、いまだに脈打つように熱い。心臓の音がうるさすぎて、自分の呼吸さえ上手く整えられない。

「律くん、そろそろ閉館の時間だよ? 一緒に帰ろう」

頭の上から、これ以上ないくらい優しくて——そして少しだけ楽しそうな声が降ってくる。
律は顔を上げないまま、震える声で精一杯の毒を吐いた。

「……、……うっせー。……先に、……行け……不潔……」
「そう言われても、律くん足ガクガクだよ? ほら、僕につかまって」

千尋が横にしゃがみこみ、律の腕をそっと自分の肩に回そうとする。
律は反射的に拒もうとしたけれど、指先にすら力が入らない。結局、されるがままに千尋の肩を借りて、なんとか立ち上がった。

「……っ、……、……」
「律くん、顔赤いよ。まだ耳、熱い?」
「……、……黙れ、大バカ……。……誰の……せいだと……思って……」

千尋の首筋から漂う、清潔な石鹸のような香りが鼻をくすぐる。
距離が近すぎて、肩から伝わる千尋の体温が、律の理性をじわじわと削っていく。

「……あのさ、律くん。僕、気づいちゃったんだけど」
「……なんだよ……」
「耳を触ってる時より、こうしてくっついてる時の方が、律くんの心臓の音、大きく聞こえる気がする」
「……っ!? ……、……、……ッ!!」

律は顔を真っ赤にして、千尋の肩から飛び退こうとした。
けれど、もつれた足は言うことを聞かず、そのまま千尋の胸の中に倒れ込む形になってしまう。

「……不潔……、……マジで……呪ってやる……」

千尋の胸に顔を埋めたまま、律は消えそうな声で呟いた。
その耳は、夕暮れ時の空よりも赤く染まっていた。
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作者メッセージ

皆様、こんにちは!酸素ちゃんです🫧

第38話は、完全に千尋くんに骨抜きにされた律くんのお話でした🐾
「消えろ」とか「不潔」とか言いながらも、結局千尋くんに頼らざるを得ない律くんの不器用さが大好きです……!

耳が弱い律くんと、それを楽しんでいる千尋くん。二人の距離が少しずつ、でも確実に縮まっていく様子をこれからも見守っていただけると嬉しいです✨

感想など、いつも励みになっています。本当にありがとうございます!🤍

2026/04/11 10:19

蜜薬
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