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本作は全年齢対象の創作BLです。

攻めから受けへの一方的な(?)溺愛を含みますが、ヤンデレ、監禁、執着、共依存などの暗い要素は一切ありません。

終始ハッピーで平和な、光の属性の物語です。

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しっぽを振るのは、君の前だけ

#36

第36話:ぼやける視界と、熱い耳

「……律くん、今日はずいぶん思い切ったね?」

教室の席に着くなり、千尋が少し驚いたような声を出す。
目の前に座る律は、いつもの黒縁眼鏡を外していた。

「……、……うっせ。今日は、そういう気分なんだよ。不潔」

律は目を細め、ぼんやりとしか見えない千尋の顔を、精一杯の目力で睨みつける。
本当は、昨日の夜にベッドの中で転げ回りながら必死に考えた作戦だった。

(……お前の顔がはっきり見えるから、変に意識しちまうんだ。見えなきゃ、耳だって赤くならないはずだ……!)

しかし、視界を遮断したことで、律の計算は大きく狂い始める。
視覚が頼りない分、他の感覚が嫌なくらい鋭くなってしまったのだ。

「でも、危ないよ? ちゃんと前、見えてる?」
「……、……バカにすんな。その、ヘラヘラした声で、お前だってすぐわかるっつーの……」

そう言い返した、次の瞬間だった。

不意に、千尋の体温がぐっと近づく。
視界が効かないせいで、距離感がつかめない。

「じゃあ、これは?」

千尋の細い指先が、律の耳たぶをひょい、とかすめる。

「ひゃん……っ!?」

情けない声が漏れた。
いつもより指の感触が、耳に残る熱が、心臓に直接響くみたいに鮮明に伝わってくる。

「……、……っ、さ、触んな……っ!!」
「あはは、ごめん。でも律くん、眼鏡してないせいかな。耳まで真っ赤なのが、いつもより丸見えだよ?」

千尋の楽しそうな声が、すぐそばで聞こえる。
律は真っ赤な顔を両手で覆い、「死ね、大バカ……っ!」と消え入りそうな声で吐き捨てるのが精一杯だった。
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作者メッセージ

皆様、こんにちは!酸素ちゃんです🫧

第36話は、耳の弱点を克服しようとして自爆する律くんでした🐾
眼鏡を外せば余裕ができると思ったのに、逆に感度が上がっちゃう……そんな律くんの不器用さが伝わっていたら嬉しいです。

いつも温かい応援、本当にありがとうございます!🤍

2026/04/08 07:00

蜜薬
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