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本作は全年齢対象の創作BLです。
攻めから受けへの一方的な(?)溺愛を含みますが、ヤンデレ、監禁、執着、共依存などの暗い要素は一切ありません。
終始ハッピーで平和な、光の属性の物語です。
「……律くん、今日はずいぶん思い切ったね?」
教室の席に着くなり、千尋が少し驚いたような声を出す。
目の前に座る律は、いつもの黒縁眼鏡を外していた。
「……、……うっせ。今日は、そういう気分なんだよ。不潔」
律は目を細め、ぼんやりとしか見えない千尋の顔を、精一杯の目力で睨みつける。
本当は、昨日の夜にベッドの中で転げ回りながら必死に考えた作戦だった。
(……お前の顔がはっきり見えるから、変に意識しちまうんだ。見えなきゃ、耳だって赤くならないはずだ……!)
しかし、視界を遮断したことで、律の計算は大きく狂い始める。
視覚が頼りない分、他の感覚が嫌なくらい鋭くなってしまったのだ。
「でも、危ないよ? ちゃんと前、見えてる?」
「……、……バカにすんな。その、ヘラヘラした声で、お前だってすぐわかるっつーの……」
そう言い返した、次の瞬間だった。
不意に、千尋の体温がぐっと近づく。
視界が効かないせいで、距離感がつかめない。
「じゃあ、これは?」
千尋の細い指先が、律の耳たぶをひょい、とかすめる。
「ひゃん……っ!?」
情けない声が漏れた。
いつもより指の感触が、耳に残る熱が、心臓に直接響くみたいに鮮明に伝わってくる。
「……、……っ、さ、触んな……っ!!」
「あはは、ごめん。でも律くん、眼鏡してないせいかな。耳まで真っ赤なのが、いつもより丸見えだよ?」
千尋の楽しそうな声が、すぐそばで聞こえる。
律は真っ赤な顔を両手で覆い、「死ね、大バカ……っ!」と消え入りそうな声で吐き捨てるのが精一杯だった。
教室の席に着くなり、千尋が少し驚いたような声を出す。
目の前に座る律は、いつもの黒縁眼鏡を外していた。
「……、……うっせ。今日は、そういう気分なんだよ。不潔」
律は目を細め、ぼんやりとしか見えない千尋の顔を、精一杯の目力で睨みつける。
本当は、昨日の夜にベッドの中で転げ回りながら必死に考えた作戦だった。
(……お前の顔がはっきり見えるから、変に意識しちまうんだ。見えなきゃ、耳だって赤くならないはずだ……!)
しかし、視界を遮断したことで、律の計算は大きく狂い始める。
視覚が頼りない分、他の感覚が嫌なくらい鋭くなってしまったのだ。
「でも、危ないよ? ちゃんと前、見えてる?」
「……、……バカにすんな。その、ヘラヘラした声で、お前だってすぐわかるっつーの……」
そう言い返した、次の瞬間だった。
不意に、千尋の体温がぐっと近づく。
視界が効かないせいで、距離感がつかめない。
「じゃあ、これは?」
千尋の細い指先が、律の耳たぶをひょい、とかすめる。
「ひゃん……っ!?」
情けない声が漏れた。
いつもより指の感触が、耳に残る熱が、心臓に直接響くみたいに鮮明に伝わってくる。
「……、……っ、さ、触んな……っ!!」
「あはは、ごめん。でも律くん、眼鏡してないせいかな。耳まで真っ赤なのが、いつもより丸見えだよ?」
千尋の楽しそうな声が、すぐそばで聞こえる。
律は真っ赤な顔を両手で覆い、「死ね、大バカ……っ!」と消え入りそうな声で吐き捨てるのが精一杯だった。
- 1.第1話:雨上がりに、君を見つけた
- 2.第2話:昨日のお礼は、ぶっきらぼうに。
- 3.第3話:没収された「大好き」の行方
- 4.第4話:メロンパンと、大型犬の忠誠心。
- 5.第5話:赤点回避の、スパルタ教育。
- 6.第6話:合格点と、ご褒美の甘い罠。
- 7.第7話:封印された二文字
- 8.第8話:嵐を呼ぶ、ひまわりのようなあいつ
- 9.第9話:バカにしないで、ちゃんと聞いて。
- 10.第10話:一週間、……お試しだぞ。
- 11.第11話:お試し1日目、心臓がもたない。
- 12.第12話:失くしてなかった、宝物。
- 13.第13話:眼鏡の奥の、本当の熱。
- 14.第14話:雨の音と、重なる鼓動。
- 15.第15話:朝の光と、お花の抱っこ。
- 16.第16話:朝食後の、0センチメートル。
- 17.第17話:泣き出しそうな君を、包み込む。
- 18.第18話:最強の姉、現る。
- 19.第19話:五本の指、重なる温度。
- 20.第20話:一週間なんて、待てない。
- 21.第21話:本当の恋人、1日目。
- 22.第22話:瞳に映る、一番好きな人。
- 23.第23話:0.5秒の、誓い。
- 24.第24話:姉の勘は、世界一。
- 25.第25話:不器用な、お返し。
- 26.第26話:フードの中の、秘密。
- 27.第27話:レンズ越しより、近い距離。
- 28.第28話:最強の刺客、現る。
- 29.第29話:ちいさな情報屋。
- 30.第30話:無防備な、もぐもぐタイム。
- 31.第31話:不器用な逆襲。
- 32.第32話:敗者の特権。
- 33.第33話:二度目の宣戦布告。
- 34.第34話:攻守交代の、お手本。
- 35.第35話:隠せない、本音の場所。
- 36.第36話:ぼやける視界と、熱い耳
- 37.第37話:不意打ちの「よしよし」
- 38.第38話:熱が引かない放課後
- 39.第39話:マフラー越しの温度
- 40.第40話:マフラー越しの本音
- 41.第41話:返したくない、温度
- 42.第42話:不確かな未来と、確かな体温
- 43.第43話:誰にも渡さない
- 44.第44話:指先のシミュレーション
- 45.第45話:左手の約束
- 46.第46話:銀色の重み、僕らの印
- 47.第47話:卒業の足音、消えない光
- 48.第48話:サヨナラは、はじまりの合図
- 49.第49話:左手の証明、朝の温度
- 50.第50話(最終回):しっぽを振るのは、君の前だけ
- 51.番外編:玄関先の大型犬