閲覧前に必ずご確認ください

※この物語は、少し心が「チクッ」とするような、重め・病み系の描写が含まれます。
※キャラクターが精神的に落ち込んでいくシーンがありますが、最終的にはハッピーエンドに向かいますので、最後まで見守っていただけると嬉しいです。
※「愛」を求める過程で、少し大人びた表現や、ピュアなだけではない描写が入る可能性があります。苦手な方はご注意ください。

「最後には、必ず幸せな光を見せます。」

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壊れたドールは、愛の温度を知りたい

#15

第15話:放課後、モノクロが色づく

「ルナさん、今日この後、空いてますか……?」

昼休み、陽菜ちゃんが少し遠慮がちに、でも瞳をキラキラさせて話しかけてきた。
お母さんからもらったあの五千円の残りは、まだバッグの底で眠っている。お母さんの顔色を伺って買ったプレゼントの、苦いお釣りの残骸。

「……、……空いてるけど。……何」
「駅前に新しいコンセプトショップができたんです! 地雷系も量産型も両方置いてあって、すごく可愛いんですよ。一緒に行きませんか?」

いつもなら「興味ない」って断るところ。
でも、昨日のあの空っぽな『ありがとう』を思い出すと、この家に真っ直ぐ帰りたくない自分がいた。

「……、……いいよ。……、……案内して」

陽菜ちゃんが「やったぁ!」と小さく跳ねる。
その時、教室の入り口で目が合った颯太くんが、こちらを見て優しく微笑んだ。
彼は何も言わなかったけれど、私が誰かと楽しそうに(私としては不本意だけど)話しているのを見て、安心したような顔をしていた。

放課後。陽菜ちゃんと並んで歩く駅までの道は、一人で歩く時よりもずっと短く感じられた。
ショップに入ると、フリルとレース、そして甘い香水の匂いに包まれる。

「見てくださいルナさん、このヘッドドレス! ルナさんに絶対似合います!」
「……、……派手すぎ。……、……でも、……悪くないかも」

鏡の前で、陽菜ちゃんが私の頭に黒いレースをあてる。
お母さんが見たら顔をしかめるような、私だけの「正解」。
それを一緒に「可愛い」と言ってくれる誰かが隣にいる。

五千円の残りで買ったのは、誰かのための免罪符じゃない。
私が私でいるための、小さな黒いリボンだった。

作者メッセージ

皆様、こんにちは。酸素ちゃんです🫧

第15話は、ルナちゃんが初めて「自分のため」に放課後を楽しむ回でした。
陽菜ちゃんという光に導かれて、少しずつ外の世界に自分の居場所を広げていくルナちゃん。
颯太くんの温かい眼差しに見守られながら、彼女の心にかかった霧が、ほんの少しだけ晴れたような気がします。

自分を縛る鎖はまだ重いけれど、新しいリボンを味方につけて、彼女はまた一歩踏み出します。

2026/05/04 16:08

蜜薬 @文字化け気味
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