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本作は全年齢対象の創作BLです。
攻めから受けへの一方的な(?)溺愛を含みますが、ヤンデレ、監禁、執着、共依存などの暗い要素は一切ありません。
終始ハッピーで平和な、光の属性の物語です。
放課後の図書室。
窓際の席で勉強していた僕たちは、静まり返った空気の中で並んで座っていた。
ふと横を見ると、律くんの丸眼鏡が少し指紋で汚れているのが見えた。
「ねえ、律くん。眼鏡、拭いてあげようか?」
「……、……あ? ……別に、……見えてるからいい。バカ」
「でも、せっかくの綺麗な瞳が曇っちゃうよ。ほら、貸して?」
僕がしつこく手を伸ばすと、律くんは「……、……しつけーな、不潔」と毒づきながらも、眼鏡を外して僕に差し出した。
眼鏡を外した律くんの顔を、こんなに近くで見るのは初めてかもしれない。
いつもはレンズ越しに少し小さく見えていた瞳が、驚くほど大きくて、潤んでいて。
「……、……おい。……早くしろよ。……何も見えねーだろ、バカ」
視力が弱い律くんは、焦点が合わないのか、少し不安そうに目を細めて僕の方をじっと見つめている。
本人は「見えていない」と思っているんだろうけど、その無防備な視線が僕の心臓を直撃する。
「……律くん。今、僕のこと見えてる?」
「……。……、……ぼやけてて、……お前のデカい図体しか分かんねーよ。……バカ千尋……」
律くんはそう言って、僕の顔を確認しようとするみたいに、ぐいっと顔を近づけてきた。
鼻先が触れそうなくらいの、ゼロ距離。
(わ、わわっ、近い……!!)
「……あ。……、……千尋」
「え……?」
不意に、名前を呼ばれた。
いつもみたいに「バカ」って言葉がついていない、真っ直ぐな、優しい声。
「……、……いつも、……俺のこと、……こんなに近くで見てんのか。……お前……」
律くんは、僕の輪郭をなぞるようにそっと手を伸ばしてきた。
視界がぼやけているからこそ、手のひらから伝わる感覚で僕を確かめようとしているみたいだ。
「……、……死……、……死ぬほど恥ずかしい。……返せ、眼鏡!!」
我に返った律くんが、真っ赤になって僕の手から眼鏡をひったくった。
慌てて眼鏡をかけ直した彼のレンズは、案の定、一瞬で真っ白に曇ってしまって。
「あはは! 律くん、また曇ってるよ!」
「……っ、……うるせー!! ……お前が、……変な空気にするからだろ、大バカ!!」
眼鏡をかけ直して、いつもの「ツン」に戻った律くん。
でも、さっき僕の頬に触れた指先の熱と、名前を呼んだ優しい声は、僕の胸の中にしゅわしゅわと溶けて残っていた。
窓際の席で勉強していた僕たちは、静まり返った空気の中で並んで座っていた。
ふと横を見ると、律くんの丸眼鏡が少し指紋で汚れているのが見えた。
「ねえ、律くん。眼鏡、拭いてあげようか?」
「……、……あ? ……別に、……見えてるからいい。バカ」
「でも、せっかくの綺麗な瞳が曇っちゃうよ。ほら、貸して?」
僕がしつこく手を伸ばすと、律くんは「……、……しつけーな、不潔」と毒づきながらも、眼鏡を外して僕に差し出した。
眼鏡を外した律くんの顔を、こんなに近くで見るのは初めてかもしれない。
いつもはレンズ越しに少し小さく見えていた瞳が、驚くほど大きくて、潤んでいて。
「……、……おい。……早くしろよ。……何も見えねーだろ、バカ」
視力が弱い律くんは、焦点が合わないのか、少し不安そうに目を細めて僕の方をじっと見つめている。
本人は「見えていない」と思っているんだろうけど、その無防備な視線が僕の心臓を直撃する。
「……律くん。今、僕のこと見えてる?」
「……。……、……ぼやけてて、……お前のデカい図体しか分かんねーよ。……バカ千尋……」
律くんはそう言って、僕の顔を確認しようとするみたいに、ぐいっと顔を近づけてきた。
鼻先が触れそうなくらいの、ゼロ距離。
(わ、わわっ、近い……!!)
「……あ。……、……千尋」
「え……?」
不意に、名前を呼ばれた。
いつもみたいに「バカ」って言葉がついていない、真っ直ぐな、優しい声。
「……、……いつも、……俺のこと、……こんなに近くで見てんのか。……お前……」
律くんは、僕の輪郭をなぞるようにそっと手を伸ばしてきた。
視界がぼやけているからこそ、手のひらから伝わる感覚で僕を確かめようとしているみたいだ。
「……、……死……、……死ぬほど恥ずかしい。……返せ、眼鏡!!」
我に返った律くんが、真っ赤になって僕の手から眼鏡をひったくった。
慌てて眼鏡をかけ直した彼のレンズは、案の定、一瞬で真っ白に曇ってしまって。
「あはは! 律くん、また曇ってるよ!」
「……っ、……うるせー!! ……お前が、……変な空気にするからだろ、大バカ!!」
眼鏡をかけ直して、いつもの「ツン」に戻った律くん。
でも、さっき僕の頬に触れた指先の熱と、名前を呼んだ優しい声は、僕の胸の中にしゅわしゅわと溶けて残っていた。
- 1.第1話:雨上がりに、君を見つけた
- 2.第2話:昨日のお礼は、ぶっきらぼうに。
- 3.第3話:没収された「大好き」の行方
- 4.第4話:メロンパンと、大型犬の忠誠心。
- 5.第5話:赤点回避の、スパルタ教育。
- 6.第6話:合格点と、ご褒美の甘い罠。
- 7.第7話:封印された二文字
- 8.第8話:嵐を呼ぶ、ひまわりのようなあいつ
- 9.第9話:バカにしないで、ちゃんと聞いて。
- 10.第10話:一週間、……お試しだぞ。
- 11.第11話:お試し1日目、心臓がもたない。
- 12.第12話:失くしてなかった、宝物。
- 13.第13話:眼鏡の奥の、本当の熱。
- 14.第14話:雨の音と、重なる鼓動。
- 15.第15話:朝の光と、お花の抱っこ。
- 16.第16話:朝食後の、0センチメートル。
- 17.第17話:泣き出しそうな君を、包み込む。
- 18.第18話:最強の姉、現る。
- 19.第19話:五本の指、重なる温度。
- 20.第20話:一週間なんて、待てない。
- 21.第21話:本当の恋人、1日目。
- 22.第22話:瞳に映る、一番好きな人。
- 23.第23話:0.5秒の、誓い。
- 24.第24話:姉の勘は、世界一。
- 25.第25話:不器用な、お返し。
- 26.第26話:フードの中の、秘密。
- 27.第27話:レンズ越しより、近い距離。
- 28.第28話:最強の刺客、現る。
- 29.第29話:ちいさな情報屋。
- 30.第30話:無防備な、もぐもぐタイム。
- 31.第31話:不器用な逆襲。
- 32.第32話:敗者の特権。