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本作は全年齢対象の創作BLです。

攻めから受けへの一方的な(?)溺愛を含みますが、ヤンデレ、監禁、執着、共依存などの暗い要素は一切ありません。

終始ハッピーで平和な、光の属性の物語です。

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しっぽを振るのは、君の前だけ

#27

第27話:レンズ越しより、近い距離。

放課後の図書室。
窓際の席で勉強していた僕たちは、静まり返った空気の中で並んで座っていた。
ふと横を見ると、律くんの丸眼鏡が少し指紋で汚れているのが見えた。

「ねえ、律くん。眼鏡、拭いてあげようか?」

「……、……あ? ……別に、……見えてるからいい。バカ」

「でも、せっかくの綺麗な瞳が曇っちゃうよ。ほら、貸して?」

僕がしつこく手を伸ばすと、律くんは「……、……しつけーな、不潔」と毒づきながらも、眼鏡を外して僕に差し出した。

眼鏡を外した律くんの顔を、こんなに近くで見るのは初めてかもしれない。
いつもはレンズ越しに少し小さく見えていた瞳が、驚くほど大きくて、潤んでいて。

「……、……おい。……早くしろよ。……何も見えねーだろ、バカ」

視力が弱い律くんは、焦点が合わないのか、少し不安そうに目を細めて僕の方をじっと見つめている。
本人は「見えていない」と思っているんだろうけど、その無防備な視線が僕の心臓を直撃する。

「……律くん。今、僕のこと見えてる?」

「……。……、……ぼやけてて、……お前のデカい図体しか分かんねーよ。……バカ千尋……」

律くんはそう言って、僕の顔を確認しようとするみたいに、ぐいっと顔を近づけてきた。
鼻先が触れそうなくらいの、ゼロ距離。

(わ、わわっ、近い……!!)

「……あ。……、……千尋」

「え……?」

不意に、名前を呼ばれた。
いつもみたいに「バカ」って言葉がついていない、真っ直ぐな、優しい声。

「……、……いつも、……俺のこと、……こんなに近くで見てんのか。……お前……」

律くんは、僕の輪郭をなぞるようにそっと手を伸ばしてきた。
視界がぼやけているからこそ、手のひらから伝わる感覚で僕を確かめようとしているみたいだ。

「……、……死……、……死ぬほど恥ずかしい。……返せ、眼鏡!!」

我に返った律くんが、真っ赤になって僕の手から眼鏡をひったくった。
慌てて眼鏡をかけ直した彼のレンズは、案の定、一瞬で真っ白に曇ってしまって。

「あはは! 律くん、また曇ってるよ!」

「……っ、……うるせー!! ……お前が、……変な空気にするからだろ、大バカ!!」

眼鏡をかけ直して、いつもの「ツン」に戻った律くん。
でも、さっき僕の頬に触れた指先の熱と、名前を呼んだ優しい声は、僕の胸の中にしゅわしゅわと溶けて残っていた。
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作者メッセージ

27話目です!酸素ちゃんです🫧🤍

図書室で眼鏡のお手入れ……のつもりが、とんでもない至近距離に!
眼鏡を外した律くんの無防備な「千尋」呼び、破壊力抜群でした🐾

視界がぼやけてる時だけ素直になっちゃう律くん、可愛すぎませんか?(笑)
溜め書きパワーでこれからも更新頑張ります!

2026/03/28 17:35

酸素ちゃん
ID:≫ .1qWrS8rlgVRw
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