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本作は全年齢対象の創作BLです。
攻めから受けへの一方的な(?)溺愛を含みますが、ヤンデレ、監禁、執着、共依存などの暗い要素は一切ありません。
終始ハッピーで平和な、光の属性の物語です。
昨日の夜は、遠足の前の日みたいに全然眠れなかった。
律君。律君。
頭の中でその名前を繰り返すたびに、胸の奥がくすぐったくなる。
「あ、律君……!」
教室の入り口。
朝の光を背負って現れた彼を見つけた瞬間、僕の視界がパッと明るくなった。
彼は手に、見覚えのある青い折りたたみ傘を持っている。
僕は席を蹴って、彼の元へと駆け寄った。
「律君、おはよう! 傘、持ってきてくれたんだ!」
「……おい、声がデカい。注目浴びるだろ」
律君は顔をしかめて、僕を少しだけ遠ざけるように一歩下がった。
相変わらずのツンの塊。でも、差し出された傘は、昨日僕が渡した時よりもずっと綺麗に、丁寧に畳まれている。
「ほら。これ、借りたやつ」
「わあ、ありがとう! 律君、わざわざ僕の教室まで来てくれたの?」
「……お前の教室が、俺の教室の隣だっただけだ。勘違いすんな」
律君はぷいっと横を向いた。
だけど、よく見ると白い耳の先端が、昨日の夕焼けみたいにほんのり赤くなっている。
……可愛い。
その不器用な優しさが、僕にはたまらなく愛おしく感じられた。
「あ、そうだ。律君!」
「……なんだよ」
「昨日、勝手に名札見て名前呼んじゃったけど……これからも『律君』って呼んでもいい?」
律君は一瞬、何かを言いかけようとして口をつぐんだ。
それから、深いため息をついて、僕の頭にポン、と――いや、どちらかと言えば「ボフッ」と乱暴に手を置いた。
「……好きにしろ。その代わり、廊下で大声で叫ぶのは禁止だ。わかったか、千尋」
「うん、わかった! ありがとう、律君!」
初めて、彼が僕の名前を呼んでくれた。
『千尋』。
突き放すような言い方だったけど、僕にはそれがどんな甘い言葉よりも素敵に響いたんだ。
律君。律君。
頭の中でその名前を繰り返すたびに、胸の奥がくすぐったくなる。
「あ、律君……!」
教室の入り口。
朝の光を背負って現れた彼を見つけた瞬間、僕の視界がパッと明るくなった。
彼は手に、見覚えのある青い折りたたみ傘を持っている。
僕は席を蹴って、彼の元へと駆け寄った。
「律君、おはよう! 傘、持ってきてくれたんだ!」
「……おい、声がデカい。注目浴びるだろ」
律君は顔をしかめて、僕を少しだけ遠ざけるように一歩下がった。
相変わらずのツンの塊。でも、差し出された傘は、昨日僕が渡した時よりもずっと綺麗に、丁寧に畳まれている。
「ほら。これ、借りたやつ」
「わあ、ありがとう! 律君、わざわざ僕の教室まで来てくれたの?」
「……お前の教室が、俺の教室の隣だっただけだ。勘違いすんな」
律君はぷいっと横を向いた。
だけど、よく見ると白い耳の先端が、昨日の夕焼けみたいにほんのり赤くなっている。
……可愛い。
その不器用な優しさが、僕にはたまらなく愛おしく感じられた。
「あ、そうだ。律君!」
「……なんだよ」
「昨日、勝手に名札見て名前呼んじゃったけど……これからも『律君』って呼んでもいい?」
律君は一瞬、何かを言いかけようとして口をつぐんだ。
それから、深いため息をついて、僕の頭にポン、と――いや、どちらかと言えば「ボフッ」と乱暴に手を置いた。
「……好きにしろ。その代わり、廊下で大声で叫ぶのは禁止だ。わかったか、千尋」
「うん、わかった! ありがとう、律君!」
初めて、彼が僕の名前を呼んでくれた。
『千尋』。
突き放すような言い方だったけど、僕にはそれがどんな甘い言葉よりも素敵に響いたんだ。