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本作は全年齢対象の創作BLです。
攻めから受けへの一方的な(?)溺愛を含みますが、ヤンデレ、監禁、執着、共依存などの暗い要素は一切ありません。
終始ハッピーで平和な、光の属性の物語です。
月曜日。お試し期間4日目の朝。
校門へと続く並木道で律くんの姿を見つけた瞬間、土曜日の「事故キス」の記憶がフラッシュバックして、心臓が爆音を立て始めた。
「……あ、律くん! おはよう!」
「…………。……、……はよ。バカ」
律くんは、丸眼鏡を指で何度も押し上げながら、僕と目を合わせようとしない。
あの日以来、初めて会う僕たちは、お互いにどう接していいか分からなくて、いつもより少しだけ距離を空けて歩き出した。
(お姉ちゃんに「後悔すんな」って言われたばっかりなのに、このままじゃダメだ……!)
僕はギュッと拳を握りしめて、隣を歩く律くんの手元を見た。
細くて、綺麗な指先。いつもなら袖を掴むだけだけど、今日はもっと、律くんを近くに感じたい。
「……あの、律くん」
「……、……なんだよ。バカ」
「手、繋いでもいい……?」
律くんがビクッと肩を跳ねさせた。
立ち止まった彼は、耳まで真っ赤に染めながら、地面を見つめて震えている。
「……、……お試し期間中だって、……言っただろ。……その、……お前がどうしてもって言うなら、……不潔だけど、……許可してやる、バカ」
「……! ありがとう、律くん」
僕はゆっくりと手を伸ばして、律くんの手を包み込んだ。
最初は指先が触れるだけの心許ない感じだったけど、勇気を出して、五本の指を律くんの指の間に滑り込ませる。「恋人繋ぎ」だ。
「……っ、……あ、……っ」
「律くんの手、あったかいね」
「……。……。……うるせー。……お前の体温が、……移ってるだけだ。……死……、……死ぬほど緊張して、手が汗ばんだらどうすんだ、大バカ!!」
律くんはそう文句を言いながらも、僕の手をぎゅっと握り返してくれた。
真っ赤な顔をして、眼鏡を曇らせながらも、僕の手を振り払おうとはしない。
校門までの短い道のり。
繋いだ手から伝わってくる律くんの鼓動が、僕の鼓動と重なって、しゅわしゅわと弾けるような幸せが全身を駆け巡った。
校門へと続く並木道で律くんの姿を見つけた瞬間、土曜日の「事故キス」の記憶がフラッシュバックして、心臓が爆音を立て始めた。
「……あ、律くん! おはよう!」
「…………。……、……はよ。バカ」
律くんは、丸眼鏡を指で何度も押し上げながら、僕と目を合わせようとしない。
あの日以来、初めて会う僕たちは、お互いにどう接していいか分からなくて、いつもより少しだけ距離を空けて歩き出した。
(お姉ちゃんに「後悔すんな」って言われたばっかりなのに、このままじゃダメだ……!)
僕はギュッと拳を握りしめて、隣を歩く律くんの手元を見た。
細くて、綺麗な指先。いつもなら袖を掴むだけだけど、今日はもっと、律くんを近くに感じたい。
「……あの、律くん」
「……、……なんだよ。バカ」
「手、繋いでもいい……?」
律くんがビクッと肩を跳ねさせた。
立ち止まった彼は、耳まで真っ赤に染めながら、地面を見つめて震えている。
「……、……お試し期間中だって、……言っただろ。……その、……お前がどうしてもって言うなら、……不潔だけど、……許可してやる、バカ」
「……! ありがとう、律くん」
僕はゆっくりと手を伸ばして、律くんの手を包み込んだ。
最初は指先が触れるだけの心許ない感じだったけど、勇気を出して、五本の指を律くんの指の間に滑り込ませる。「恋人繋ぎ」だ。
「……っ、……あ、……っ」
「律くんの手、あったかいね」
「……。……。……うるせー。……お前の体温が、……移ってるだけだ。……死……、……死ぬほど緊張して、手が汗ばんだらどうすんだ、大バカ!!」
律くんはそう文句を言いながらも、僕の手をぎゅっと握り返してくれた。
真っ赤な顔をして、眼鏡を曇らせながらも、僕の手を振り払おうとはしない。
校門までの短い道のり。
繋いだ手から伝わってくる律くんの鼓動が、僕の鼓動と重なって、しゅわしゅわと弾けるような幸せが全身を駆け巡った。
- 1.第1話:雨上がりに、君を見つけた
- 2.第2話:昨日のお礼は、ぶっきらぼうに。
- 3.第3話:没収された「大好き」の行方
- 4.第4話:メロンパンと、大型犬の忠誠心。
- 5.第5話:赤点回避の、スパルタ教育。
- 6.第6話:合格点と、ご褒美の甘い罠。
- 7.第7話:封印された二文字
- 8.第8話:嵐を呼ぶ、ひまわりのようなあいつ
- 9.第9話:バカにしないで、ちゃんと聞いて。
- 10.第10話:一週間、……お試しだぞ。
- 11.第11話:お試し1日目、心臓がもたない。
- 12.第12話:失くしてなかった、宝物。
- 13.第13話:眼鏡の奥の、本当の熱。
- 14.第14話:雨の音と、重なる鼓動。
- 15.第15話:朝の光と、お花の抱っこ。
- 16.第16話:朝食後の、0センチメートル。
- 17.第17話:泣き出しそうな君を、包み込む。
- 18.第18話:最強の姉、現る。
- 19.第19話:五本の指、重なる温度。
- 20.第20話:一週間なんて、待てない。
- 21.第21話:本当の恋人、1日目。
- 22.第22話:瞳に映る、一番好きな人。
- 23.第23話:0.5秒の、誓い。
- 24.第24話:姉の勘は、世界一。
- 25.第25話:不器用な、お返し。
- 26.第26話:フードの中の、秘密。
- 27.第27話:レンズ越しより、近い距離。
- 28.第28話:最強の刺客、現る。
- 29.第29話:ちいさな情報屋。
- 30.第30話:無防備な、もぐもぐタイム。
- 31.第31話:不器用な逆襲。
- 32.第32話:敗者の特権。