閲覧前に必ずご確認ください
本作は全年齢対象の創作BLです。
攻めから受けへの一方的な(?)溺愛を含みますが、ヤンデレ、監禁、執着、共依存などの暗い要素は一切ありません。
終始ハッピーで平和な、光の属性の物語です。
律くんが作ってくれた朝ごはんは、驚くほど美味しかった。
「……お前の分、作りすぎただけだ。バカ」なんて言いながら、律くんは僕が完食するのを少し嬉しそうに眺めていた。
今日は土曜日。休日の朝は、いつもよりゆっくりと流れていく。
食後の片付けを手伝おうとして、僕はキッチンに立つ律くんの隣に並んだ。
「律くん、お皿洗うよ」
「……いい。お前がやると割りそうで怖い。バカ」
「そんなことないよ! ほら……わっ!?」
床にこぼれていた水滴に足を滑らせて、僕は前のめりにバランスを崩した。
目の前には、驚いて振り返った律くんの顔。
「……あ、……っ」
ガシャッ、と小さな音がして、僕の視界が律くんの丸眼鏡でいっぱいになった。
次の瞬間、柔らかい感触が、ほんの一瞬だけ唇に触れた。
「…………え?」
「…………。………………あ」
時間が止まったみたいだった。
律くんの丸眼鏡が少しズレて、その奥にある瞳が、今まで見たことがないくらい大きく見開かれている。
僕たちの唇が、ほんの数秒、重なっていた。
「……、……っ!! な、……な、な……っ!!」
先に動いたのは律くんだった。
弾かれたように数歩後ろに下がると、顔を真っ赤にして、持っていたふきんで自分の顔を隠すように覆ってしまった。
「ご、ごめん律くん! 滑っちゃって……!」
「……不潔!! 大バカ!! 何してんだよ、お前……っ!!」
「あ、あの、わざとじゃなくて……!」
「……、……っ。……死……、……死ぬほどびっくりしただろ、バカ!! 帰れ! 今すぐ帰れ!!」
律くんの声は裏返っていて、ふきんから漏れている耳の先は、熟れたリンゴみたいに真っ赤だ。
でも、「帰れ」と言いながらも、律くんは僕を玄関まで追い出すわけでもなく、そのままキッチンでしゃがみ込んでしまった。
(……僕も、心臓が止まるかと思った。……ふわふわして、なんだか夢みたいだ)
お試し期間2日目。
ただの「事故」だったけれど、僕たちの距離は、これ以上ないくらいまで近づいてしまったんだ。
「……お前の分、作りすぎただけだ。バカ」なんて言いながら、律くんは僕が完食するのを少し嬉しそうに眺めていた。
今日は土曜日。休日の朝は、いつもよりゆっくりと流れていく。
食後の片付けを手伝おうとして、僕はキッチンに立つ律くんの隣に並んだ。
「律くん、お皿洗うよ」
「……いい。お前がやると割りそうで怖い。バカ」
「そんなことないよ! ほら……わっ!?」
床にこぼれていた水滴に足を滑らせて、僕は前のめりにバランスを崩した。
目の前には、驚いて振り返った律くんの顔。
「……あ、……っ」
ガシャッ、と小さな音がして、僕の視界が律くんの丸眼鏡でいっぱいになった。
次の瞬間、柔らかい感触が、ほんの一瞬だけ唇に触れた。
「…………え?」
「…………。………………あ」
時間が止まったみたいだった。
律くんの丸眼鏡が少しズレて、その奥にある瞳が、今まで見たことがないくらい大きく見開かれている。
僕たちの唇が、ほんの数秒、重なっていた。
「……、……っ!! な、……な、な……っ!!」
先に動いたのは律くんだった。
弾かれたように数歩後ろに下がると、顔を真っ赤にして、持っていたふきんで自分の顔を隠すように覆ってしまった。
「ご、ごめん律くん! 滑っちゃって……!」
「……不潔!! 大バカ!! 何してんだよ、お前……っ!!」
「あ、あの、わざとじゃなくて……!」
「……、……っ。……死……、……死ぬほどびっくりしただろ、バカ!! 帰れ! 今すぐ帰れ!!」
律くんの声は裏返っていて、ふきんから漏れている耳の先は、熟れたリンゴみたいに真っ赤だ。
でも、「帰れ」と言いながらも、律くんは僕を玄関まで追い出すわけでもなく、そのままキッチンでしゃがみ込んでしまった。
(……僕も、心臓が止まるかと思った。……ふわふわして、なんだか夢みたいだ)
お試し期間2日目。
ただの「事故」だったけれど、僕たちの距離は、これ以上ないくらいまで近づいてしまったんだ。
- 1.第1話:雨上がりに、君を見つけた
- 2.第2話:昨日のお礼は、ぶっきらぼうに。
- 3.第3話:没収された「大好き」の行方
- 4.第4話:メロンパンと、大型犬の忠誠心。
- 5.第5話:赤点回避の、スパルタ教育。
- 6.第6話:合格点と、ご褒美の甘い罠。
- 7.第7話:封印された二文字
- 8.第8話:嵐を呼ぶ、ひまわりのようなあいつ
- 9.第9話:バカにしないで、ちゃんと聞いて。
- 10.第10話:一週間、……お試しだぞ。
- 11.第11話:お試し1日目、心臓がもたない。
- 12.第12話:失くしてなかった、宝物。
- 13.第13話:眼鏡の奥の、本当の熱。
- 14.第14話:雨の音と、重なる鼓動。
- 15.第15話:朝の光と、お花の抱っこ。
- 16.第16話:朝食後の、0センチメートル。
- 17.第17話:泣き出しそうな君を、包み込む。
- 18.第18話:最強の姉、現る。
- 19.第19話:五本の指、重なる温度。
- 20.第20話:一週間なんて、待てない。
- 21.第21話:本当の恋人、1日目。
- 22.第22話:瞳に映る、一番好きな人。
- 23.第23話:0.5秒の、誓い。
- 24.第24話:姉の勘は、世界一。
- 25.第25話:不器用な、お返し。
- 26.第26話:フードの中の、秘密。
- 27.第27話:レンズ越しより、近い距離。
- 28.第28話:最強の刺客、現る。
- 29.第29話:ちいさな情報屋。
- 30.第30話:無防備な、もぐもぐタイム。
- 31.第31話:不器用な逆襲。
- 32.第32話:敗者の特権。
- 33.第33話:二度目の宣戦布告。