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本作は全年齢対象の創作BLです。

攻めから受けへの一方的な(?)溺愛を含みますが、ヤンデレ、監禁、執着、共依存などの暗い要素は一切ありません。

終始ハッピーで平和な、光の属性の物語です。

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しっぽを振るのは、君の前だけ

#16

第16話:朝食後の、0センチメートル。

律くんが作ってくれた朝ごはんは、驚くほど美味しかった。
「……お前の分、作りすぎただけだ。バカ」なんて言いながら、律くんは僕が完食するのを少し嬉しそうに眺めていた。

今日は土曜日。休日の朝は、いつもよりゆっくりと流れていく。
食後の片付けを手伝おうとして、僕はキッチンに立つ律くんの隣に並んだ。

「律くん、お皿洗うよ」

「……いい。お前がやると割りそうで怖い。バカ」

「そんなことないよ! ほら……わっ!?」

床にこぼれていた水滴に足を滑らせて、僕は前のめりにバランスを崩した。
目の前には、驚いて振り返った律くんの顔。

「……あ、……っ」

ガシャッ、と小さな音がして、僕の視界が律くんの丸眼鏡でいっぱいになった。
次の瞬間、柔らかい感触が、ほんの一瞬だけ唇に触れた。

「…………え?」

「…………。………………あ」

時間が止まったみたいだった。
律くんの丸眼鏡が少しズレて、その奥にある瞳が、今まで見たことがないくらい大きく見開かれている。
僕たちの唇が、ほんの数秒、重なっていた。

「……、……っ!! な、……な、な……っ!!」

先に動いたのは律くんだった。
弾かれたように数歩後ろに下がると、顔を真っ赤にして、持っていたふきんで自分の顔を隠すように覆ってしまった。

「ご、ごめん律くん! 滑っちゃって……!」

「……不潔!! 大バカ!! 何してんだよ、お前……っ!!」

「あ、あの、わざとじゃなくて……!」

「……、……っ。……死……、……死ぬほどびっくりしただろ、バカ!! 帰れ! 今すぐ帰れ!!」

律くんの声は裏返っていて、ふきんから漏れている耳の先は、熟れたリンゴみたいに真っ赤だ。
でも、「帰れ」と言いながらも、律くんは僕を玄関まで追い出すわけでもなく、そのままキッチンでしゃがみ込んでしまった。

(……僕も、心臓が止まるかと思った。……ふわふわして、なんだか夢みたいだ)

お試し期間2日目。
ただの「事故」だったけれど、僕たちの距離は、これ以上ないくらいまで近づいてしまったんだ。
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作者メッセージ

16話目です!酸素ちゃんです🫧

なんと……事故キス発生!?
朝ごはんを食べて幸せいっぱいだった二人に、とんでもないハプニングが起きてしまいました。

律くんの驚き方も、千尋のふわふわした感じも、全部ひっくるめて「初恋」って感じですよね🐾
これでお試し期間、まだ2日目……!? 先が思いやられます(笑)。

2026/03/09 17:44

酸素ちゃん
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