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本作は全年齢対象の創作BLです。
攻めから受けへの一方的な(?)溺愛を含みますが、ヤンデレ、監禁、執着、共依存などの暗い要素は一切ありません。
終始ハッピーで平和な、光の属性の物語です。
「あ、雨……」
放課後。急に降り出した雨のせいで、僕と律くんは校門の前で立ち往生していた。
湿気と温度差のせいか、律くんがふと立ち止まる。
「……前が見えねー。バカ」
見ると、律くんのトレードマークである丸眼鏡が、真っ白に曇ってしまっていた。
これじゃ、せっかくの綺麗な瞳が全然見えない。
「律くん、貸して。僕が拭いてあげる!」
「……っ。……触んな、不潔。自分でできる……」
律くんはそう言いながら、眼鏡を外して制服の裾で拭こうとした。
だけど、眼鏡がないと距離感が掴めないのか、律くんの手元は少し危なっかしい。
「ほら、やっぱり僕がやるよ。律くん、ちょっとじっとしてて?」
僕は律くんの手からそっと眼鏡を受け取った。
眼鏡を外した律くんの顔が、露(あらわ)になる。
いつもはレンズの奥に隠れている、長くて繊細な睫毛と、少し潤んだような真っ直ぐな瞳。
「…………。……、……じろじろ見んな、バカ」
「……ごめん。でも、律くん……眼鏡取ると、すっごく可愛いんだね」
「……!!???」
至近距離でそう伝えると、律くんの白い頬が、見る間に鮮やかな赤に染まった。
視界がぼやけているせいか、いつもならすぐに逃げるはずの律くんが、僕の胸ぐらを掴むようにして顔を近づけてくる。
「……可愛くねーよ、バカ……。……お前、……いつも、こんな顔して俺のこと見てんのかよ」
「どんな顔?」
「……。……。……死……、……死ぬほど甘い顔だよ、大バカ!!」
律くんは、僕の手にあった眼鏡をひったくるように奪い返すと、まだ少し曇ったままのそれを無理やりかけ直した。
そして、顔を隠すようにマフラーに埋める。
「律くん、もしかして照れてる?」
「……。……うるせー。……雨、止みそうにねーから。……一秒だけ、俺の傘に入れてやる。……離れんなよ、バカ」
そう言って差し出された律くんの傘は、二人で入るには少し小さくて。
でも、そのおかげで肩が触れ合うくらい近くなれたのは、きっとこの「丸眼鏡のハプニング」のおかげだ。
(……眼鏡をかけてても、外してても。律くんの全部が、僕の特別なんだ)
雨の音に混じって、律くんの速い鼓動が聞こえた気がして、僕は幸せな気持ちで彼の隣に並んだ。
放課後。急に降り出した雨のせいで、僕と律くんは校門の前で立ち往生していた。
湿気と温度差のせいか、律くんがふと立ち止まる。
「……前が見えねー。バカ」
見ると、律くんのトレードマークである丸眼鏡が、真っ白に曇ってしまっていた。
これじゃ、せっかくの綺麗な瞳が全然見えない。
「律くん、貸して。僕が拭いてあげる!」
「……っ。……触んな、不潔。自分でできる……」
律くんはそう言いながら、眼鏡を外して制服の裾で拭こうとした。
だけど、眼鏡がないと距離感が掴めないのか、律くんの手元は少し危なっかしい。
「ほら、やっぱり僕がやるよ。律くん、ちょっとじっとしてて?」
僕は律くんの手からそっと眼鏡を受け取った。
眼鏡を外した律くんの顔が、露(あらわ)になる。
いつもはレンズの奥に隠れている、長くて繊細な睫毛と、少し潤んだような真っ直ぐな瞳。
「…………。……、……じろじろ見んな、バカ」
「……ごめん。でも、律くん……眼鏡取ると、すっごく可愛いんだね」
「……!!???」
至近距離でそう伝えると、律くんの白い頬が、見る間に鮮やかな赤に染まった。
視界がぼやけているせいか、いつもならすぐに逃げるはずの律くんが、僕の胸ぐらを掴むようにして顔を近づけてくる。
「……可愛くねーよ、バカ……。……お前、……いつも、こんな顔して俺のこと見てんのかよ」
「どんな顔?」
「……。……。……死……、……死ぬほど甘い顔だよ、大バカ!!」
律くんは、僕の手にあった眼鏡をひったくるように奪い返すと、まだ少し曇ったままのそれを無理やりかけ直した。
そして、顔を隠すようにマフラーに埋める。
「律くん、もしかして照れてる?」
「……。……うるせー。……雨、止みそうにねーから。……一秒だけ、俺の傘に入れてやる。……離れんなよ、バカ」
そう言って差し出された律くんの傘は、二人で入るには少し小さくて。
でも、そのおかげで肩が触れ合うくらい近くなれたのは、きっとこの「丸眼鏡のハプニング」のおかげだ。
(……眼鏡をかけてても、外してても。律くんの全部が、僕の特別なんだ)
雨の音に混じって、律くんの速い鼓動が聞こえた気がして、僕は幸せな気持ちで彼の隣に並んだ。
- 1.第1話:雨上がりに、君を見つけた
- 2.第2話:昨日のお礼は、ぶっきらぼうに。
- 3.第3話:没収された「大好き」の行方
- 4.第4話:メロンパンと、大型犬の忠誠心。
- 5.第5話:赤点回避の、スパルタ教育。
- 6.第6話:合格点と、ご褒美の甘い罠。
- 7.第7話:封印された二文字
- 8.第8話:嵐を呼ぶ、ひまわりのようなあいつ
- 9.第9話:バカにしないで、ちゃんと聞いて。
- 10.第10話:一週間、……お試しだぞ。
- 11.第11話:お試し1日目、心臓がもたない。
- 12.第12話:失くしてなかった、宝物。
- 13.第13話:眼鏡の奥の、本当の熱。
- 14.第14話:雨の音と、重なる鼓動。
- 15.第15話:朝の光と、お花の抱っこ。
- 16.第16話:朝食後の、0センチメートル。
- 17.第17話:泣き出しそうな君を、包み込む。
- 18.第18話:最強の姉、現る。
- 19.第19話:五本の指、重なる温度。
- 20.第20話:一週間なんて、待てない。
- 21.第21話:本当の恋人、1日目。
- 22.第22話:瞳に映る、一番好きな人。
- 23.第23話:0.5秒の、誓い。
- 24.第24話:姉の勘は、世界一。
- 25.第25話:不器用な、お返し。
- 26.第26話:フードの中の、秘密。
- 27.第27話:レンズ越しより、近い距離。
- 28.第28話:最強の刺客、現る。
- 29.第29話:ちいさな情報屋。
- 30.第30話:無防備な、もぐもぐタイム。
- 31.第31話:不器用な逆襲。
- 32.第32話:敗者の特権。