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本作は全年齢対象の創作BLです。
攻めから受けへの一方的な(?)溺愛を含みますが、ヤンデレ、監禁、執着、共依存などの暗い要素は一切ありません。
終始ハッピーで平和な、光の属性の物語です。
「あ、律くん! そのキーホルダー……!」
お昼休み、屋上へ向かう階段の途中で、僕は律くんのスクールバッグに目が釘付けになった。
揺れているのは、僕が以前「お揃いにしたい!」って渡して、その場で「いらねーよ、没収だ」って冷たく取り上げられた、ワンコのキーホルダー。
ずっと、律くんのことだからどこかにしまい込んじゃったか、捨てちゃったんだと思ってたのに。
「……あ? ああ、これか」
僕の視線に気づいた律くんが、丸眼鏡をクイッと押し上げて、わざとらしく顔をそらした。
「……お前が勝手に俺のカバンに入れたんだろ。外すのも面倒だったから、そのままにしてるだけだ。バカ」
「えへへ、嘘だぁ。律くん、自分ですごく丁寧に付け直してくれたでしょ? 紐の結び目、僕がやった時よりずっと綺麗だもん」
「……っ!! う、うるせーよ! 観察してんじゃねーよ、不潔!」
律くんの顔が、一瞬で耳まで真っ赤になる。
「捨てればよかったのに」なんて口では言うけれど、キーホルダーには傷ひとつなくて、大切に扱ってくれていたのが一目でわかった。
「律くん、嬉しいな。僕とお揃い、嫌じゃなかったんだね」
「……。……。……お試し期間中、だけだぞ。……一週間経って、お前をクビにしたら、これはその辺の溝にでも投げ捨ててやる」
「そっか。じゃあ、一生捨てられないように頑張らなきゃ!」
「……、……っ。……死……、……死ぬまで持ってろって意味じゃねーよ、大バカ!!」
律くんはそう怒鳴りながらも、カバンを抱え直すフリをして、そっと指先でそのキーホルダーに触れた。
愛おしそうに、壊れ物を扱うみたいに優しい手つきで。
「律くん、大好き!」
「……。……ふん。……さっさと歩け、バカ。……弁当、腐るぞ」
不器用な律くんの、精一杯の「お返し」。
カバンの横で揺れる小さなワンコが、まるで律くんに代わって「僕もだよ」って言ってくれているみたいで、僕はもう、お腹がいっぱいになっちゃいそうだった。
お昼休み、屋上へ向かう階段の途中で、僕は律くんのスクールバッグに目が釘付けになった。
揺れているのは、僕が以前「お揃いにしたい!」って渡して、その場で「いらねーよ、没収だ」って冷たく取り上げられた、ワンコのキーホルダー。
ずっと、律くんのことだからどこかにしまい込んじゃったか、捨てちゃったんだと思ってたのに。
「……あ? ああ、これか」
僕の視線に気づいた律くんが、丸眼鏡をクイッと押し上げて、わざとらしく顔をそらした。
「……お前が勝手に俺のカバンに入れたんだろ。外すのも面倒だったから、そのままにしてるだけだ。バカ」
「えへへ、嘘だぁ。律くん、自分ですごく丁寧に付け直してくれたでしょ? 紐の結び目、僕がやった時よりずっと綺麗だもん」
「……っ!! う、うるせーよ! 観察してんじゃねーよ、不潔!」
律くんの顔が、一瞬で耳まで真っ赤になる。
「捨てればよかったのに」なんて口では言うけれど、キーホルダーには傷ひとつなくて、大切に扱ってくれていたのが一目でわかった。
「律くん、嬉しいな。僕とお揃い、嫌じゃなかったんだね」
「……。……。……お試し期間中、だけだぞ。……一週間経って、お前をクビにしたら、これはその辺の溝にでも投げ捨ててやる」
「そっか。じゃあ、一生捨てられないように頑張らなきゃ!」
「……、……っ。……死……、……死ぬまで持ってろって意味じゃねーよ、大バカ!!」
律くんはそう怒鳴りながらも、カバンを抱え直すフリをして、そっと指先でそのキーホルダーに触れた。
愛おしそうに、壊れ物を扱うみたいに優しい手つきで。
「律くん、大好き!」
「……。……ふん。……さっさと歩け、バカ。……弁当、腐るぞ」
不器用な律くんの、精一杯の「お返し」。
カバンの横で揺れる小さなワンコが、まるで律くんに代わって「僕もだよ」って言ってくれているみたいで、僕はもう、お腹がいっぱいになっちゃいそうだった。
- 1.第1話:雨上がりに、君を見つけた
- 2.第2話:昨日のお礼は、ぶっきらぼうに。
- 3.第3話:没収された「大好き」の行方
- 4.第4話:メロンパンと、大型犬の忠誠心。
- 5.第5話:赤点回避の、スパルタ教育。
- 6.第6話:合格点と、ご褒美の甘い罠。
- 7.第7話:封印された二文字
- 8.第8話:嵐を呼ぶ、ひまわりのようなあいつ
- 9.第9話:バカにしないで、ちゃんと聞いて。
- 10.第10話:一週間、……お試しだぞ。
- 11.第11話:お試し1日目、心臓がもたない。
- 12.第12話:失くしてなかった、宝物。
- 13.第13話:眼鏡の奥の、本当の熱。
- 14.第14話:雨の音と、重なる鼓動。
- 15.第15話:朝の光と、お花の抱っこ。
- 16.第16話:朝食後の、0センチメートル。
- 17.第17話:泣き出しそうな君を、包み込む。
- 18.第18話:最強の姉、現る。
- 19.第19話:五本の指、重なる温度。
- 20.第20話:一週間なんて、待てない。
- 21.第21話:本当の恋人、1日目。
- 22.第22話:瞳に映る、一番好きな人。
- 23.第23話:0.5秒の、誓い。
- 24.第24話:姉の勘は、世界一。
- 25.第25話:不器用な、お返し。
- 26.第26話:フードの中の、秘密。
- 27.第27話:レンズ越しより、近い距離。
- 28.第28話:最強の刺客、現る。
- 29.第29話:ちいさな情報屋。
- 30.第30話:無防備な、もぐもぐタイム。
- 31.第31話:不器用な逆襲。
- 32.第32話:敗者の特権。
- 33.第33話:二度目の宣戦布告。