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本作は全年齢対象の創作BLです。

攻めから受けへの一方的な(?)溺愛を含みますが、ヤンデレ、監禁、執着、共依存などの暗い要素は一切ありません。

終始ハッピーで平和な、光の属性の物語です。

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しっぽを振るのは、君の前だけ

#10

第10話:一週間、……お試しだぞ。

「……律くん。昨日の、返事。聞いても、いいかな……?」

放課後の誰もいない教室。
夕日が差し込む窓際で、僕は心臓が口から飛び出しそうなのを必死に抑えて、律くんの背中に問いかけた。
律くんは窓の外を眺めたまま、固まったように動かない。

「…………」

沈黙が、永遠みたいに長く感じる。
やっぱり、昨日の告白は僕の独り入りだったのかな。
律くんにとって、僕はただの『うるさいバカ犬』でしかなかったのかな。

不安で視界が潤みそうになった、その時。

「……一週間だ」

「……えっ?」

律くんが、掠れた声でポツリと呟いた。
ゆっくりと振り返った彼の顔は、夕日のせいだけじゃない、見たこともないくらい真っ赤に染まっていて。

「……一週間だけだぞ。……お試し期間だ。一週間付き合ってみて、やっぱりお前がうるさすぎたり、バカすぎたりしたら……即刻クビだ」

「律くん……! それって……!」

「……勘違いすんな。……お前があんまりにもしつこいから、一回付き合って現実を見せてやろうってだけだ。バカ」

そう言って律くんは、ぷいっと顔を背けた。
でも、机の下で、律くんの手が僕の制服の袖をぎゅっと握りしめている。
その指先が、微かに震えている。

「律くん、ありがとう! 僕、世界一の彼氏になれるように、一生分……ううん、一生かけて頑張るからね!!」

嬉しくて、僕は思わず律くんに飛びつこうとした。
いつもならここで「死ね、寄るな!」って言うはずの律くんが。

「……っ!! ……死……、……っ。……死なない程度にしろ、バカ! 暑苦しいんだよ!!」

ぐっと言葉を飲み込んで、顔を真っ赤にしながら言い換える律くん。
「死ね」とは言えない代わりに、彼は自由な方の手で、僕の頭を「……この、大バカ」と、乱暴に、でもどこか愛おしそうに撫でてくれた。

(ああ、やっぱり……律くんの『バカ』は、世界一甘い言葉だ)

「律くん、大好き!」

「……うるせーよ。前見て歩け。……袖、離すなよ」

僕たちの恋は、まだ「お試し」っていう名前の、不器用な第一歩。
でも、握りしめられた僕の袖から伝わる律くんの体温は、何よりも確かな「答え」に聞こえたんだ。
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作者メッセージ

10話目です!酸素ちゃんです🐾

ついに二人が「お試しカップル」に!
律くんの鉄壁のツンが、照れと嫉妬の末にようやく少しだけ甘くなりました。

でも物語はまだまだ終わりません!
これから「お試し期間」の二人のドタバタな日常を書いていくので、これからも応援よろしくお願いします🫧

2026/02/21 08:47

酸素ちゃん
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