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本作は全年齢対象の創作BLです。
攻めから受けへの一方的な(?)溺愛を含みますが、ヤンデレ、監禁、執着、共依存などの暗い要素は一切ありません。
終始ハッピーで平和な、光の属性の物語です。
「律くん、待って!!」
校舎の階段を駆け上がり、踊り場でようやくその背中を捉えた。
律くんは窓の外を見たまま、僕の方を振り返ろうともしない。
「……ついてくんなって言っただろ。……あいつのところへ戻ればいいだろ。お前のお望み通り、大親友(かぞく)ごっこでもしてろよ」
「違うよ! 凛とは本当に、ただの幼馴染なんだ! 律くんが誤解してるようなことは、何ひとつないよ!」
「……誤解なんてしてねーよ。お前が誰と仲良くしようが、誰とお風呂に入ろうが……俺には関係ない」
律くんの声は冷たかった。でも、窓ガラスに映る彼の瞳は、今にも泣き出しそうに揺れていて。
あんなに鋭かった「バカ」という言葉が、今は自分を守るための、脆い盾にしか見えなかった。
「関係なくないよ……!!」
僕は思わず、律くんの肩を強く掴んで、自分の方へ向かせた。
驚いたように眼鏡の奥の瞳が丸くなる。
「律くん、僕のこと『バカ』って言うけど、本当にバカなのは律くんだよ! 僕がこんなに追いかけて、毎日そばにいて……。それなのに、まだ気づいてくれないの?」
「……な、……なんだよ。離せよ……」
「離さない!! ……僕が好きなのは、凛じゃない。……最初からずっと、律くんだけなんだ。世界中で、律くんが一番大好きなんだよ!!」
踊り場に、僕の声が響いた。
律くんの顔が、一瞬で耳の先まで真っ赤に染まっていく。
さっきまでの険しい顔はどこへ行ったのか、彼はパクパクと口を動かして、信じられないものを見るような目で僕を見つめていた。
「……おま、……っ。……な、……何を……」
「大好きだよ、律くん。……だから、ヤキモチ妬いて。僕だけを見て」
「……。…………っ、……。………………バ、……カ」
ようやく絞り出された「バカ」は、今までのどんな言葉よりも弱々しくて、熱を持っていた。
律くんは顔を腕で隠して、蹲(うずくま)るようにしてしゃがみ込んでしまった。
(ああ、律くん。……そんなに真っ赤になって、そんなに震えて……)
僕の心臓は、もう爆発しそうなくらいうるさい。
返事なんて、今はまだなくてもいい。
ただ、僕の「大好き」が、ようやく律くんの鉄壁の心に届いたこと。
それだけで、僕はもう、世界一幸せなワンコになった気分だった。
校舎の階段を駆け上がり、踊り場でようやくその背中を捉えた。
律くんは窓の外を見たまま、僕の方を振り返ろうともしない。
「……ついてくんなって言っただろ。……あいつのところへ戻ればいいだろ。お前のお望み通り、大親友(かぞく)ごっこでもしてろよ」
「違うよ! 凛とは本当に、ただの幼馴染なんだ! 律くんが誤解してるようなことは、何ひとつないよ!」
「……誤解なんてしてねーよ。お前が誰と仲良くしようが、誰とお風呂に入ろうが……俺には関係ない」
律くんの声は冷たかった。でも、窓ガラスに映る彼の瞳は、今にも泣き出しそうに揺れていて。
あんなに鋭かった「バカ」という言葉が、今は自分を守るための、脆い盾にしか見えなかった。
「関係なくないよ……!!」
僕は思わず、律くんの肩を強く掴んで、自分の方へ向かせた。
驚いたように眼鏡の奥の瞳が丸くなる。
「律くん、僕のこと『バカ』って言うけど、本当にバカなのは律くんだよ! 僕がこんなに追いかけて、毎日そばにいて……。それなのに、まだ気づいてくれないの?」
「……な、……なんだよ。離せよ……」
「離さない!! ……僕が好きなのは、凛じゃない。……最初からずっと、律くんだけなんだ。世界中で、律くんが一番大好きなんだよ!!」
踊り場に、僕の声が響いた。
律くんの顔が、一瞬で耳の先まで真っ赤に染まっていく。
さっきまでの険しい顔はどこへ行ったのか、彼はパクパクと口を動かして、信じられないものを見るような目で僕を見つめていた。
「……おま、……っ。……な、……何を……」
「大好きだよ、律くん。……だから、ヤキモチ妬いて。僕だけを見て」
「……。…………っ、……。………………バ、……カ」
ようやく絞り出された「バカ」は、今までのどんな言葉よりも弱々しくて、熱を持っていた。
律くんは顔を腕で隠して、蹲(うずくま)るようにしてしゃがみ込んでしまった。
(ああ、律くん。……そんなに真っ赤になって、そんなに震えて……)
僕の心臓は、もう爆発しそうなくらいうるさい。
返事なんて、今はまだなくてもいい。
ただ、僕の「大好き」が、ようやく律くんの鉄壁の心に届いたこと。
それだけで、僕はもう、世界一幸せなワンコになった気分だった。
- 1.第1話:雨上がりに、君を見つけた
- 2.第2話:昨日のお礼は、ぶっきらぼうに。
- 3.第3話:没収された「大好き」の行方
- 4.第4話:メロンパンと、大型犬の忠誠心。
- 5.第5話:赤点回避の、スパルタ教育。
- 6.第6話:合格点と、ご褒美の甘い罠。
- 7.第7話:封印された二文字
- 8.第8話:嵐を呼ぶ、ひまわりのようなあいつ
- 9.第9話:バカにしないで、ちゃんと聞いて。
- 10.第10話:一週間、……お試しだぞ。
- 11.第11話:お試し1日目、心臓がもたない。
- 12.第12話:失くしてなかった、宝物。
- 13.第13話:眼鏡の奥の、本当の熱。
- 14.第14話:雨の音と、重なる鼓動。
- 15.第15話:朝の光と、お花の抱っこ。
- 16.第16話:朝食後の、0センチメートル。
- 17.第17話:泣き出しそうな君を、包み込む。
- 18.第18話:最強の姉、現る。
- 19.第19話:五本の指、重なる温度。
- 20.第20話:一週間なんて、待てない。
- 21.第21話:本当の恋人、1日目。
- 22.第22話:瞳に映る、一番好きな人。
- 23.第23話:0.5秒の、誓い。
- 24.第24話:姉の勘は、世界一。
- 25.第25話:不器用な、お返し。
- 26.第26話:フードの中の、秘密。
- 27.第27話:レンズ越しより、近い距離。
- 28.第28話:最強の刺客、現る。
- 29.第29話:ちいさな情報屋。
- 30.第30話:無防備な、もぐもぐタイム。
- 31.第31話:不器用な逆襲。
- 32.第32話:敗者の特権。