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本作は全年齢対象の創作BLです。

攻めから受けへの一方的な(?)溺愛を含みますが、ヤンデレ、監禁、執着、共依存などの暗い要素は一切ありません。

終始ハッピーで平和な、光の属性の物語です。

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しっぽを振るのは、君の前だけ

#9

第9話:バカにしないで、ちゃんと聞いて。

「律くん、待って!!」

校舎の階段を駆け上がり、踊り場でようやくその背中を捉えた。
律くんは窓の外を見たまま、僕の方を振り返ろうともしない。

「……ついてくんなって言っただろ。……あいつのところへ戻ればいいだろ。お前のお望み通り、大親友(かぞく)ごっこでもしてろよ」

「違うよ! 凛とは本当に、ただの幼馴染なんだ! 律くんが誤解してるようなことは、何ひとつないよ!」

「……誤解なんてしてねーよ。お前が誰と仲良くしようが、誰とお風呂に入ろうが……俺には関係ない」

律くんの声は冷たかった。でも、窓ガラスに映る彼の瞳は、今にも泣き出しそうに揺れていて。
あんなに鋭かった「バカ」という言葉が、今は自分を守るための、脆い盾にしか見えなかった。

「関係なくないよ……!!」

僕は思わず、律くんの肩を強く掴んで、自分の方へ向かせた。
驚いたように眼鏡の奥の瞳が丸くなる。

「律くん、僕のこと『バカ』って言うけど、本当にバカなのは律くんだよ! 僕がこんなに追いかけて、毎日そばにいて……。それなのに、まだ気づいてくれないの?」

「……な、……なんだよ。離せよ……」

「離さない!! ……僕が好きなのは、凛じゃない。……最初からずっと、律くんだけなんだ。世界中で、律くんが一番大好きなんだよ!!」

踊り場に、僕の声が響いた。
律くんの顔が、一瞬で耳の先まで真っ赤に染まっていく。
さっきまでの険しい顔はどこへ行ったのか、彼はパクパクと口を動かして、信じられないものを見るような目で僕を見つめていた。

「……おま、……っ。……な、……何を……」

「大好きだよ、律くん。……だから、ヤキモチ妬いて。僕だけを見て」

「……。…………っ、……。………………バ、……カ」

ようやく絞り出された「バカ」は、今までのどんな言葉よりも弱々しくて、熱を持っていた。
律くんは顔を腕で隠して、蹲(うずくま)るようにしてしゃがみ込んでしまった。

(ああ、律くん。……そんなに真っ赤になって、そんなに震えて……)

僕の心臓は、もう爆発しそうなくらいうるさい。
返事なんて、今はまだなくてもいい。
ただ、僕の「大好き」が、ようやく律くんの鉄壁の心に届いたこと。

それだけで、僕はもう、世界一幸せなワンコになった気分だった。
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作者メッセージ

9話目です!酸素ちゃんです🫧

ついに千尋が、隠しきれない「大好き」を全部ぶつけました!
嫉妬でいっぱいいっぱいだった律くんには、これ以上ない特効薬になったはず……(笑)。

顔を真っ赤にして固まる律くんですが、果たして二人の関係はどう変わっていくのか。
ぜひ見守ってください🐾

2026/02/20 16:47

酸素ちゃん
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