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本作は全年齢対象の創作BLです。
攻めから受けへの一方的な(?)溺愛を含みますが、ヤンデレ、監禁、執着、共依存などの暗い要素は一切ありません。
終始ハッピーで平和な、光の属性の物語です。
「ちーくん!! やっと見つけた!!」
一限目が始まる前、教室のドアが勢いよく開いたかと思ったら、聞き覚えのある声が響いた。
そこにいたのは、中学の時に遠くに引っ越したはずの、僕の幼馴染の凛だった。
「凛!? なんでここに!?」
「へへ、親の仕事で戻ってきたんだよ! またちーくんと一緒だね!」
凛は昔から太陽みたいに明るくて、僕に遠慮なくひっついてくる。
でも、今の僕には、凛の笑顔よりも気になる視線があった。
(……律くん、めちゃくちゃこっち見てる……!)
教室の隅で、律くんが般若(はんにゃ)みたいな顔をして教科書を睨んでいた。
あ、今、ペンの芯が折れた。絶対怒ってる……!
「あ、あのね凛、紹介するよ。僕の親友の律くん」
「親友? へー、律くん、っていうんだ! 私は凛。ちーくんとはね、家族みたいなもんなの。小さい頃は毎日一緒に遊んでたし、お風呂だって一緒に入ってたんだから!」
「……っ!!???」
教室の空気が、一瞬で凍りついた。
律くんの肩が、見たこともないくらい大きく跳ねる。
ゆっくりと顔を上げた律くんの瞳には、怒りと、それから……何か言いようのない動揺が混ざっていた。
「……おふ、ろ……? ……一緒、だと……?」
「うん! 旅行もよく行ったよねー、ちーくん!」
「あ、あはは。まあ、幼稚園くらいの時の話だけどね……」
僕が慌ててフォローを入れるけど、もう遅い。
律くんはガタガタと音を立てて立ち上がると、僕を、刺すような鋭い視線で睨みつけた。
「……最低だ。……不潔。……お前、本当にバカ犬どころか、ただの……っ!」
「律くん!? 待って、不潔って言わないで!」
「……触んな。……一生、その『お風呂仲間』とじゃれてろ、大バカ!!」
律くんはカバンをひったくるように持つと、そのまま教室を飛び出して行ってしまった。
「死ね」とは言わないけれど、今の「大バカ」は、今までで一番トゲがあって、それでいて、今にも泣き出しそうなほど震えていて。
(律くん……! 違うんだ、それは本当に、まだ何も分かってない子供の頃の話で……!)
でも、律くんがそれだけ怒ってくれたことに、僕の胸の奥は、不謹慎にも少しだけ熱くなってしまったんだ。
一限目が始まる前、教室のドアが勢いよく開いたかと思ったら、聞き覚えのある声が響いた。
そこにいたのは、中学の時に遠くに引っ越したはずの、僕の幼馴染の凛だった。
「凛!? なんでここに!?」
「へへ、親の仕事で戻ってきたんだよ! またちーくんと一緒だね!」
凛は昔から太陽みたいに明るくて、僕に遠慮なくひっついてくる。
でも、今の僕には、凛の笑顔よりも気になる視線があった。
(……律くん、めちゃくちゃこっち見てる……!)
教室の隅で、律くんが般若(はんにゃ)みたいな顔をして教科書を睨んでいた。
あ、今、ペンの芯が折れた。絶対怒ってる……!
「あ、あのね凛、紹介するよ。僕の親友の律くん」
「親友? へー、律くん、っていうんだ! 私は凛。ちーくんとはね、家族みたいなもんなの。小さい頃は毎日一緒に遊んでたし、お風呂だって一緒に入ってたんだから!」
「……っ!!???」
教室の空気が、一瞬で凍りついた。
律くんの肩が、見たこともないくらい大きく跳ねる。
ゆっくりと顔を上げた律くんの瞳には、怒りと、それから……何か言いようのない動揺が混ざっていた。
「……おふ、ろ……? ……一緒、だと……?」
「うん! 旅行もよく行ったよねー、ちーくん!」
「あ、あはは。まあ、幼稚園くらいの時の話だけどね……」
僕が慌ててフォローを入れるけど、もう遅い。
律くんはガタガタと音を立てて立ち上がると、僕を、刺すような鋭い視線で睨みつけた。
「……最低だ。……不潔。……お前、本当にバカ犬どころか、ただの……っ!」
「律くん!? 待って、不潔って言わないで!」
「……触んな。……一生、その『お風呂仲間』とじゃれてろ、大バカ!!」
律くんはカバンをひったくるように持つと、そのまま教室を飛び出して行ってしまった。
「死ね」とは言わないけれど、今の「大バカ」は、今までで一番トゲがあって、それでいて、今にも泣き出しそうなほど震えていて。
(律くん……! 違うんだ、それは本当に、まだ何も分かってない子供の頃の話で……!)
でも、律くんがそれだけ怒ってくれたことに、僕の胸の奥は、不謹慎にも少しだけ熱くなってしまったんだ。
- 1.第1話:雨上がりに、君を見つけた
- 2.第2話:昨日のお礼は、ぶっきらぼうに。
- 3.第3話:没収された「大好き」の行方
- 4.第4話:メロンパンと、大型犬の忠誠心。
- 5.第5話:赤点回避の、スパルタ教育。
- 6.第6話:合格点と、ご褒美の甘い罠。
- 7.第7話:封印された二文字
- 8.第8話:嵐を呼ぶ、ひまわりのようなあいつ
- 9.第9話:バカにしないで、ちゃんと聞いて。
- 10.第10話:一週間、……お試しだぞ。
- 11.第11話:お試し1日目、心臓がもたない。
- 12.第12話:失くしてなかった、宝物。
- 13.第13話:眼鏡の奥の、本当の熱。
- 14.第14話:雨の音と、重なる鼓動。
- 15.第15話:朝の光と、お花の抱っこ。
- 16.第16話:朝食後の、0センチメートル。
- 17.第17話:泣き出しそうな君を、包み込む。
- 18.第18話:最強の姉、現る。
- 19.第19話:五本の指、重なる温度。
- 20.第20話:一週間なんて、待てない。
- 21.第21話:本当の恋人、1日目。
- 22.第22話:瞳に映る、一番好きな人。
- 23.第23話:0.5秒の、誓い。
- 24.第24話:姉の勘は、世界一。
- 25.第25話:不器用な、お返し。
- 26.第26話:フードの中の、秘密。
- 27.第27話:レンズ越しより、近い距離。
- 28.第28話:最強の刺客、現る。
- 29.第29話:ちいさな情報屋。
- 30.第30話:無防備な、もぐもぐタイム。
- 31.第31話:不器用な逆襲。
- 32.第32話:敗者の特権。