二次創作
#1
旅【ギャグマンガ日和/細道組】
まただ、と思った。
少し前をゆったりとゆく己の師。その若葉色は、入道雲を背景に旅をする。
「曽良くん?」
そういう師の目に、僕は映っていないのだ。
止まることのない蝉の声、うだるような炎天、届くことのない距離で、僕らは旅をする。
「五月雨をっ、あつめて早し最上川ァ!」
さっきから同じ句で、ビシリと微妙なポーズを決める師匠に、平手打ちを加える。ついイラッとしただけで他意はない。
「ああもうイッテ〜まつおスランプなんだから優しくしてよこの鬼弟子がぁ」
「スランプなのが悪いんです」
街道から離れた。しばらく一本道。
「今日は機嫌がいいですね」
「何を急に」
いつも機嫌が悪いみたいな言い方、私はいっつも元気ハッスルだよ、と僕に対して文句を飛ばしてくる。
彼はふいにこちらを振り返った。
「でもまあ」
木漏れ日が彼を照らす。
「今日みたいな夏は好きかな」
微笑む師匠の目は、僕と違うものを捉える。
あなたは、僕と違う世界が見えていて。その目が僕を映すことは未来永劫ない。
だったら、映りにゆけばいい。何度も、何度も。
僕という人間を、このひとにとって特別にさせたかった。
少し前をゆったりとゆく己の師。その若葉色は、入道雲を背景に旅をする。
「曽良くん?」
そういう師の目に、僕は映っていないのだ。
止まることのない蝉の声、うだるような炎天、届くことのない距離で、僕らは旅をする。
「五月雨をっ、あつめて早し最上川ァ!」
さっきから同じ句で、ビシリと微妙なポーズを決める師匠に、平手打ちを加える。ついイラッとしただけで他意はない。
「ああもうイッテ〜まつおスランプなんだから優しくしてよこの鬼弟子がぁ」
「スランプなのが悪いんです」
街道から離れた。しばらく一本道。
「今日は機嫌がいいですね」
「何を急に」
いつも機嫌が悪いみたいな言い方、私はいっつも元気ハッスルだよ、と僕に対して文句を飛ばしてくる。
彼はふいにこちらを振り返った。
「でもまあ」
木漏れ日が彼を照らす。
「今日みたいな夏は好きかな」
微笑む師匠の目は、僕と違うものを捉える。
あなたは、僕と違う世界が見えていて。その目が僕を映すことは未来永劫ない。
だったら、映りにゆけばいい。何度も、何度も。
僕という人間を、このひとにとって特別にさせたかった。