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自己満足です。中二病じみています。ものすごく拙い文章です。

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それゆけ袴部隊

#1

一 入隊

 中学の卒業式が終わってすぐ、その黒い車は[漢字]肇[/漢字][ふりがな]はじめ[/ふりがな]を校門まで迎えに来た。まわりから、なんだなんだという好奇の視線が刺さる。 
「急いでください、入隊式は今日の昼からです」
「わかってますから。あと、校門まで迎えに来てもらうのはちょっと」
「時間がないんですよ」
部隊の運転手は、落ち着きなく腕時計を確認していた。車の後部席に乗り、ドアを閉める。直後、勢いよく車は発進した。

 今日肇は、政府のある特殊部隊に入隊することになっていた。昨年新設された部隊で、その内容どころか存在さえも極秘だという。肇は、入隊が決定した時に、関係者から部隊については聞くことができた。
しかし、そんなところになんの変哲もない人間である肇がなぜスカウトされたのだろう。そう訊いても、深くは答えてもらえなかった。

 流れていく東京の景色を眺めて数分、車はビル地下の駐車場に入る。運転手に急かされて、落ち着く間もなく追い出された。入り口には警備員やいろんな関係者が並んでいて、そのうちひとりの男性が肇を誘導した。
「どうも。隊員の養成担当の[漢字]日下部[/漢字][ふりがな]くさかべ[/ふりがな]です」
「あ、[漢字]佐久間[/漢字][ふりがな]さくま[/ふりがな]肇と申します」
口頭で自己紹介をして、日下部と廊下を進んだ。更衣室で袴の隊服に着替えて、大きな部屋に出る。体育館くらいの部屋には、十名ほどが椅子に掛けて待機していた。
「そちらの椅子に座ってください。まもなく、式がはじまります」
肇を椅子に座らせると、日下部は端へはけていった。
改めて周りを見る。肇の横に座っているのは、女子と男子の二人。後ろにも、三人が確認できた。全員、同じ隊服を身に纏っているので、彼らも隊員で間違いないだろう。
しばらく待つと、予定通り式が始まった。式といっても隊員の印みたいなものが授与される程度だったようで、すんなりと終わった。そのあっけなさに拍子抜けする。
「各自、命令に従って戻るよう」
隊長らしき人がそう言うと、日下部が指示を出してくれた。肇と横に座っていた二人は、彼についていく。とりあえず自己紹介、と通された部屋で、三人は向き合った。
「じゃあ、[漢字]玲二郎[/漢字][ふりがな]れいじろう[/ふりがな]さんから」
「あ、はい」
最初に呼ばれたのは、男子の方。
「鈴木玲二郎といいます。よろしくお願いします。えーと、高二で、名古屋から来ました」
ニコニコとした裏表のなさそうな笑顔をこちらに向けながら、彼は自己紹介をした。ぺこりと頭を下げると、色素の薄い髪が揺れる。
「では次、肇さん」
「佐久間肇です。十五歳で中三、だけどさっき卒業しました。東京出身です。よろしくお願いします」
「今日卒業式だったんや」
たいへんやろ、と笑みを崩さぬまま、玲二郎が話しかけた。一応そうでした、とこちらも笑って返しておく。
「次は」
「[漢字]椎名[/漢字][ふりがな]しいな[/ふりがな]りら。十五歳。中三。静岡出身」
日下部の言葉を遮って口を開いたのは、黒髪の女子。目つきが悪い。
誰も何もいわず、変な雰囲気が流れる。
そこを日下部が、空気を打ち切るように、一通りすんだところで、と話を進めた。
「さて。各自事前に説明はしたと思うけど、復習がてら部隊の説明をします」

対異能力特化部隊。
日本列島付近にある、昨年発見された謎の島「[漢字]黒鶴島[/漢字][ふりがな]くろつるしま[/ふりがな]」。そこに住む人々は、「異能力」をもつという。その実態を調べるために新設されたのが、この部隊。

「にわかには信じられない話ですねえ」
玲二郎が口を開く。
「ええ。しかし、我々はそれを見ておりますので。みなさんも見れば分かりましょう」
日下部は静かに答えた。
そのとき。部屋中に、けたたましい[漢字]警報[/漢字][ふりがな]サイレン[/ふりがな]が鳴り響いた。
「何や」 
「島の結界のセンサー反応です! みなさん、屋上で一期生のかたと合流して、指示に従って下さい」
すぐさま日下部が動く。彼が部屋を去っても、警報は鳴り続けていた。

 三人で階段を駆け上がり、屋上。H型の着陸台に停まったヘリコプターの前には、一期生と思われる三人が集まっていた。
「来たか二期生!」
袴の隊服を着た男が、威勢よくこちらを指さす。
「ほらもー[漢字]要[/漢字][ふりがな]かなめ[/ふりがな]、先輩風吹かせたいのはわかるけどさ」
「指さしはよくない」
あとの二人がそれぞれ、それに応えた。
あの、と肇の隣で玲二郎が声を上げると、三人同時に振り向く。
「あ、ごめん。とりあえずさ、乗ろ。ヘリ」
優しそうな顔をした青年が言った。

 ヘリコプターは、六人が乗っても余裕の広さで、各自は両側に取り付けられた長椅子に適当に座る。
「じゃあ、名前」 
ヘリコプターが動き出してすぐ、そう切り出したのは先ほどの優しげな青年。彼から名乗っていく。
名前は、[漢字]長瀬大介[/漢字][ふりがな]ながせだいすけ[/ふりがな]といった。隣にいる威勢のいい青年を嗜めているのをよく見る。
隣の青年は、[漢字]鳥居[/漢字][ふりがな]とりい[/ふりがな]要。先輩らしくしようとしているらしいが空回りしている。
その隣の女子は、[漢字]鷲見櫻子[/漢字][ふりがな]すみさくらこ[/ふりがな]。高いツインテールが印象だ。今は、前髪にずっと気を遣っている。
「もうひとり一期生はいんだけどな。今日は多分、先に島にいるんじゃねえか」
要はそういった。
肇たち二期生もひととおり名前をいって、何言か言葉を交わしているうちに、どうやら目的地に到着したようだった。
「日下部さんから説明は受けたと思うけど、ここが黒鶴島だ。僕たちは結界センサーに反応しないようになってるから、入れるよ」
大介からの説明を聞き、六人は島に上陸した。たしかに、島を覆い尽くすように、半透明のなにかが存在している。
「俺が先に行く」
と、ひと足先に要が結界内に足を踏み入れた。
それに続き、大介、櫻子、玲二郎、肇、りらの順で進んでいく。目の前には森が広がっていて、どうやらそこを抜けるようだった。
「今回ここでの任務は、結界内への侵入者の捜索だ。多分、そう難しいものではないよ」
振り向きつつ、大介はいう。
やがて森を出る。
そこに広がる街は。
「え」
肇は、驚きのあまり声を漏らした。
「江戸時代?」

2024/01/30 23:42

関ヶ原いずき
ID:≫ 81rEXThJUFz9k
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#異能力#バトル#和風

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