酒、愛、狂
#1
「五億年ボタン」
「 貴方は5億年ボタンを押す? 」
急にそんな声がして振り返る。道路の真ん中には半透明な石の祭壇が綺麗にこちらを向くよう置かれていた。その石の上には赤いボタンがあり、中心に白い文字で五億年ボタンと書いてある。
周りの人は気にせずスルーしていく。私にだけしか見えていない様子だった。
五億年ボタン、なんとなく聞いたことがある。
五億年間ずっと生きる代わりに、想像もできないような大金が手に入るという物___。
……といっても、いざ現実に出されると流石に実感が湧かないし警戒もする。どんな大金が手に入ろうとも、五億年後にはもう意味がない気がして。
でもお金というのは息を吸うように欲しいものだ。欲望に賭けるか、手堅く行くか。どちらに進んでもきっと後悔するのだ。
そっと石の祭壇を撫でる。黒く洗練されたその石はどこか現実から離れた場所にいるような、そんな雰囲気が漂う。
私は1つ息を吐き顔を上げると、後ろに振り向いてそのまま人混みに紛れて歩く。
決してお金が欲しくなかった訳ではない。
でも、お金よりも大切なものがあると知っているから私はそこから離れた。
[中央寄せ]そういう物を探すのが、きっと人生という物でしょう?[/中央寄せ]
急にそんな声がして振り返る。道路の真ん中には半透明な石の祭壇が綺麗にこちらを向くよう置かれていた。その石の上には赤いボタンがあり、中心に白い文字で五億年ボタンと書いてある。
周りの人は気にせずスルーしていく。私にだけしか見えていない様子だった。
五億年ボタン、なんとなく聞いたことがある。
五億年間ずっと生きる代わりに、想像もできないような大金が手に入るという物___。
……といっても、いざ現実に出されると流石に実感が湧かないし警戒もする。どんな大金が手に入ろうとも、五億年後にはもう意味がない気がして。
でもお金というのは息を吸うように欲しいものだ。欲望に賭けるか、手堅く行くか。どちらに進んでもきっと後悔するのだ。
そっと石の祭壇を撫でる。黒く洗練されたその石はどこか現実から離れた場所にいるような、そんな雰囲気が漂う。
私は1つ息を吐き顔を上げると、後ろに振り向いてそのまま人混みに紛れて歩く。
決してお金が欲しくなかった訳ではない。
でも、お金よりも大切なものがあると知っているから私はそこから離れた。
[中央寄せ]そういう物を探すのが、きっと人生という物でしょう?[/中央寄せ]