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愛は利き手に左右されない

「人体の[漢字]構造的[/漢字][ふりがな]こうぞうてき[/ふりがな][漢字]欠陥[/漢字][ふりがな]けっかん[/ふりがな]について話そう」
と教授は言った。

「[漢字]利[/漢字][ふりがな]き[/ふりがな]き手を空けて恋人と手をつなぐと、相手の利き手の自由を奪うことになる」
「片方が左利きなら問題ないすよ」
「なるほど、一理ある」

 教授は短く鼻息を吹いた。

「しかしこの世界では右利きが多数派なのだよ。愛し合う二人が自由に利き手を使える確率より、どちらかが不自由を[漢字]強[/漢字][ふりがな]し[/ふりがな]いられる確率のほうが高い」

 教授はため息とともにイスにもたれた。

「それに耐えるのが愛だと、多数派どもは言うのだ」

 ほつれた前髪が額に落ちる。
 この人の話はいつも[漢字]小難[/漢字][ふりがな]こむずか[/ふりがな]しくて哲学的だ。
 そのくせ議題は妙に[漢字]可愛[/漢字][ふりがな]かわい[/ふりがな]らしいから、オレはホコリと本まみれのこの部屋に来るのをやめられない。

 だってつまり、『恋人とは手をつなぎたいけど、相手の邪魔をするのもされるのも嫌』って話だろ?
 オレはクスッと笑った。
 目線だけを上げた教授に片手を差し出す。

「オレ、左利きっすよ」

 教授はクマの濃い目元をわずかに細めて[漢字]微笑[/漢字][ふりがな]ほほえ[/ふりがな]んだ。
 [漢字]肘置[/漢字][ふりがな]ひじお[/ふりがな]きに落ちていた手がゆるやかに持ち上がる。

「私もだ」
「だめじゃん」

2024/09/15 15:50

鈴乃
ID:≫ 04KXihH8rDcyo
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