ズズッ……
地面の奥から、不快な擦れる音がした。
「来る……!」
奏が震える声で言う。指揮棒が小さく揺れるたび、空気がピンと張り詰める。
次の瞬間――
ドゴォンッ!!
私は振り返る間もなく、地面が爆ぜた。
「うわっ!?」
思わず後ろに飛ぶ。瓦礫が吹き飛び、黒い“使い”が地中から這い出てくる。さっきの個体よりも大きい。腕が異様に長く、地面を削りながらこちらへ伸びてくる。
「またかよっ」
「数も多いな」
蒼が低く言う。領域が展開され、動きが鈍る――はずだった。
「……効きが甘い」
私の中で嫌な予感が走る。
「個体差か」
綺羅が炎を灯す。
その時だった。
「はぁ……探したぞ」
場違いなほど呑気な声が、上から降ってきた。
――次の瞬間。
ゴォォォッッ!!!
炎が“落ちてきた”。
いや、違う。人が、炎を纏って降ってきた。
ドンッ!!!
黒い使いのど真ん中に、拳が叩き込まれる。
「なっ――!?」
衝撃で地面がひび割れ、使いの身体が吹き飛ぶ。
炎が弾ける中、その人物がゆっくりと立ち上がった。
金色の髪。紅い瞳。小柄な体に、ボロボロの戦闘服。
全身から、じわじわと炎が滲み出ている。
「……遅かったな、雑魚共」
誰に向けてかも分からない挑発。
そしてこちらをちらりと見て――
「その戦い方」
目が細くなる。
「それは、規定違反です」
いや何の規定!?
ツッコミが頭をよぎる間もなく、
「――燃えろ!!」
ドンッ!!
再び地面を蹴る。
速い。いや、速すぎる。
一瞬で距離を詰め、拳、蹴り、肘――すべてに炎を乗せて叩き込む。
バゴッ!!ドゴッ!!バキィッ!!
黒い使いがまともに反撃できない。
「武器?そんなもん要らねぇ!」
叫びながら回し蹴り。
爆炎が弧を描き、複数の使いをまとめて吹き飛ばす。綺羅が笑みを浮かべながら問う。
「お前、名前はなんだっ!」
「はっ綾城ルクスだ」
「来いよ!全力で受け止めてやる!」
完全に一人で前線を制圧してる。
(なにこの脳筋強者……)
「……面白いな」
綺羅が笑う。炎が共鳴するように揺れる。
地面の奥から、不快な擦れる音がした。
「来る……!」
奏が震える声で言う。指揮棒が小さく揺れるたび、空気がピンと張り詰める。
次の瞬間――
ドゴォンッ!!
私は振り返る間もなく、地面が爆ぜた。
「うわっ!?」
思わず後ろに飛ぶ。瓦礫が吹き飛び、黒い“使い”が地中から這い出てくる。さっきの個体よりも大きい。腕が異様に長く、地面を削りながらこちらへ伸びてくる。
「またかよっ」
「数も多いな」
蒼が低く言う。領域が展開され、動きが鈍る――はずだった。
「……効きが甘い」
私の中で嫌な予感が走る。
「個体差か」
綺羅が炎を灯す。
その時だった。
「はぁ……探したぞ」
場違いなほど呑気な声が、上から降ってきた。
――次の瞬間。
ゴォォォッッ!!!
炎が“落ちてきた”。
いや、違う。人が、炎を纏って降ってきた。
ドンッ!!!
黒い使いのど真ん中に、拳が叩き込まれる。
「なっ――!?」
衝撃で地面がひび割れ、使いの身体が吹き飛ぶ。
炎が弾ける中、その人物がゆっくりと立ち上がった。
金色の髪。紅い瞳。小柄な体に、ボロボロの戦闘服。
全身から、じわじわと炎が滲み出ている。
「……遅かったな、雑魚共」
誰に向けてかも分からない挑発。
そしてこちらをちらりと見て――
「その戦い方」
目が細くなる。
「それは、規定違反です」
いや何の規定!?
ツッコミが頭をよぎる間もなく、
「――燃えろ!!」
ドンッ!!
再び地面を蹴る。
速い。いや、速すぎる。
一瞬で距離を詰め、拳、蹴り、肘――すべてに炎を乗せて叩き込む。
バゴッ!!ドゴッ!!バキィッ!!
黒い使いがまともに反撃できない。
「武器?そんなもん要らねぇ!」
叫びながら回し蹴り。
爆炎が弧を描き、複数の使いをまとめて吹き飛ばす。綺羅が笑みを浮かべながら問う。
「お前、名前はなんだっ!」
「はっ綾城ルクスだ」
「来いよ!全力で受け止めてやる!」
完全に一人で前線を制圧してる。
(なにこの脳筋強者……)
「……面白いな」
綺羅が笑う。炎が共鳴するように揺れる。