灰が舞う静寂の中、わずかに“音”が混じった。
最初は誰も気づかなかった。
風の音でもない、崩れた建物の軋みでもない。
もっと繊細で、けれど確かに“意志”を持った音。
「……待て」
蒼が小さく呟く。耳を澄ませるように目を細めた。
綺羅も炎を消し、周囲を見渡す。
「今の……聞こえたか」
私は頷いた。
「うん、なんか……音っていうか...?」
その瞬間だった。
――ポロン
透明な一音が、空気を震わせた。
次の瞬間、張り詰めていた空気が“柔らかく”変わる。
「……何だこれ」
綺羅が眉をひそめる。さっきまでの重苦しさが、わずかに軽くなっていた。蒼はすぐに理解したように呟く。
「干渉系……しかも範囲型か」
音のする方へ視線を向ける。
瓦礫の向こう、崩れた柱の影から一人の少女が、そっと姿を現した。長い水色の髪が、灰色の世界の中で異様なほど目立つ。
手には、小さな楽器と指揮棒。
彼女は少し怯えたように、でも逃げずにこちらを見ていた。
「えっと……」
小さく息を吸ってから、ぎこちなく口を開く。
「私は……音色 奏……です」
声は震えていた。美人な子だなと思いながらでもそれよりもその周囲だけ、音が“整っている”
「……能力者だな」
蒼が即座に判断する。
奏はびくっと肩を揺らした。
「あの、さっきの戦いを見ていて...私め神に恨みがあるのでお力になりたいです!」
私はこんなに可愛い子の近くにいていいのか?この子の近くにいると母性が働く。
「例えば何が出来る」
綺羅が聞く。
「は、はい……その……音で、少しだけ……サポートが……できます」
綺羅がじっと見つめる。
「さっきのもお前か」
こくり、と頷く。
「さっきから……すごく嫌な音がしてて……」
奏は耳を押さえながら続ける。
「半径……15メートルくらい……右手方向……」
その言葉に、蒼の目が鋭くなる。
「索敵までできるのか、便利だな」
言い方を考えてくれ、奏は、いや奏様はサポートもできて謙虚でいい子なんだよ。
「べ、便利って……」
困ったように俯き、笑う奏。
その時――
最初は誰も気づかなかった。
風の音でもない、崩れた建物の軋みでもない。
もっと繊細で、けれど確かに“意志”を持った音。
「……待て」
蒼が小さく呟く。耳を澄ませるように目を細めた。
綺羅も炎を消し、周囲を見渡す。
「今の……聞こえたか」
私は頷いた。
「うん、なんか……音っていうか...?」
その瞬間だった。
――ポロン
透明な一音が、空気を震わせた。
次の瞬間、張り詰めていた空気が“柔らかく”変わる。
「……何だこれ」
綺羅が眉をひそめる。さっきまでの重苦しさが、わずかに軽くなっていた。蒼はすぐに理解したように呟く。
「干渉系……しかも範囲型か」
音のする方へ視線を向ける。
瓦礫の向こう、崩れた柱の影から一人の少女が、そっと姿を現した。長い水色の髪が、灰色の世界の中で異様なほど目立つ。
手には、小さな楽器と指揮棒。
彼女は少し怯えたように、でも逃げずにこちらを見ていた。
「えっと……」
小さく息を吸ってから、ぎこちなく口を開く。
「私は……音色 奏……です」
声は震えていた。美人な子だなと思いながらでもそれよりもその周囲だけ、音が“整っている”
「……能力者だな」
蒼が即座に判断する。
奏はびくっと肩を揺らした。
「あの、さっきの戦いを見ていて...私め神に恨みがあるのでお力になりたいです!」
私はこんなに可愛い子の近くにいていいのか?この子の近くにいると母性が働く。
「例えば何が出来る」
綺羅が聞く。
「は、はい……その……音で、少しだけ……サポートが……できます」
綺羅がじっと見つめる。
「さっきのもお前か」
こくり、と頷く。
「さっきから……すごく嫌な音がしてて……」
奏は耳を押さえながら続ける。
「半径……15メートルくらい……右手方向……」
その言葉に、蒼の目が鋭くなる。
「索敵までできるのか、便利だな」
言い方を考えてくれ、奏は、いや奏様はサポートもできて謙虚でいい子なんだよ。
「べ、便利って……」
困ったように俯き、笑う奏。
その時――